古畑任三郎|最強犯人考察

古畑任三郎に登場した40名の犯人について考察します。なお、作品のネタバレを含む内容となっています。考察のため、古畑以外のミステリーについてもネタバレが記載されています。なお、大きなネタバレがあるのは、ポアロシリーズの作品です。

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完全犯罪に近かった犯人

古畑が直接関わった事件の中で、“最も巧妙に殺人を犯した男”と語られたのは「今、甦る死」に登場した天馬恭介(石坂浩二)でした。ただ、“近かった”ということなので、最終的には捕まっています。
天馬の手口は、いわゆるマインドコントロールで、他者をそそのかして犯行に及ばせるというものでした。これは教唆と呼ばれる犯罪行為ですが、「〇〇を殺せ」と直接的に言ったわけではなく、日常会話のようにみせて殺意等を操っているため、立証が難しいです。

天馬恭介

資料館館長。元教師。教え子を操ることで、自分は手を汚さずに標的を殺害。さらに、教え子を自殺させ、完全犯罪を成し遂げる。教え子の犯行ではなく、過去に犯した殺人で捕まる。

天馬が逮捕されたのは過去の犯罪のため、教え子である堀部音弥(藤原竜也)の犯行および自殺については、罪にならないと考えられます。天馬は逮捕されましたが、いわゆる別件逮捕になるため、余罪として、堀部音弥に関する事件に関して追及するのは、違法になってしまいそうです。そうなると、完全犯罪に近かったというよりは、完全犯罪を成し遂げているように思えます。無論、捕まったので結果オーライという考え方もあります。

「今、甦る死」はオマージュの多い作品です。金田一耕助を演じたことでも有名な石坂浩二さんが犯人であったり、天馬恭介の名前が日本の三大名探偵である神津恭介と同じであったり、天馬がシャーロック・ホームズの癖である“尖塔のポーズ”をみせたり、などなど、数えきれないほどのオマージュがあります。

↓超ネタバレ注意↓

登場人物の名前や仕草など、細かな部分だけではなく、トリックや手口も、類似する作品があります。
まず、マインドコントロールですが、これはポアロシリーズのある作品に登場します。作品名は「カーテン」で、ポアロシリーズ最後の作品です。スタイルズ荘が再び登場することで有名なこのエピソードには、人をそそのかして犯行へと仕向けるサイコパスが登場します。ポアロはこの犯人をどうにかしようとしますが、証拠がなくどうにもなりません。というわけで、ポアロ自らが手を下します。「今、甦る死」では、別件で真犯人が逮捕されていましたので、結末は違っています。なお、3.5を8.5に書き換えるという書き換えトリックも、実はポアロシリーズに登場しています。

↑超ネタバレ注意↑

つまり、殺人教唆の犯人は追い詰めるのが難しいといえます(フィクションに限った話です)。

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完全犯罪を成し遂げた犯人

古畑任三郎に登場する犯人は全員捕まっていますので、古畑と直接対決した犯人の中に、完全犯罪を成し遂げた人物はいません。ただし、過去に完全犯罪を成し遂げた人物はいます。のり子・ケンドール(鈴木保奈美)です。

のり子・ケンドール

「ニューヨークでの出来事」に登場したのり子・ケンドールは夫を殺しましたが、たい焼きトリックで無罪となっています。そのため、完全犯罪を成し遂げています。古畑は直接事件に関わったわけではありません。後日、のり子の昔話を聞き、トリックを見破っています。

古畑と対決したわけではありません。もしも、古畑に勝てていれば、“最強”は間違いないと思いますが、古畑は事件のトリックを見破っています。なので、単に、のり子の事件を担当した刑事がザルだったということのようにも思えます。

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完全犯罪になりそうだった犯人

古畑任三郎が登場しなければ完全犯罪になったかもしれない、という視点で考察しています。なお、計画的ではない事件の犯人(突き飛ばして殺してしまったクイズ王の千堂など)は、対象から除いています。また、

小石川ちなみ

漫画家。金庫に閉じ込め窒息させる、という殺害方法で、小石川は事故死を偽装。

閉じ込められた被害者がダイイングメッセージを残す可能性があるため、犯人が第一発見者となる必要がある。メッセージが残っていた場合は、それを処分する必要があり、リスクが高まる。たとえば被害者が、壁一面に文字を掘ったりした場合は、隠すのが容易ではなくなる。

よって、完全犯罪として、成立する可能性は低い。

佐々木高代

脚本家。小銭を詰めた袋を鈍器にして殺害。袋は燃やし、小銭は銀行で両替えする。

小銭ではなく、小石などでも、重ささえあれば、代用が可能である。被害者の傷として、小銭の跡が残るかもしれないが、凶器隠滅の可能性は高い。

凶器がみつからない、だけでは、完全犯罪とは言い難いので、アリバイトリックなどを仕込む必要がある。

堀井岳

化学系研究者。車いすで生活。爆弾を使った遠隔殺人。さらに、罪をなすりつける計画。

秘密のプレゼントとして爆弾を被害者に直接渡すことで、凶器の出どころがわからなくなる。もし嫌疑がかかっても、車いすなので爆弾を仕掛けることができない、と言い逃れできる。
誰にもバレずに爆弾を仕込むことができる、と考えれば、完全犯罪として成立する可能性は高い。

罪をなすりつける計画は、犯行の日に、被害者と容疑者(罪をなすりつける相手)の行動をコントロールする必要がある。
爆殺との組み合わせで考えると、なすりつけがたとえ失敗しても、犯行がばれることはない。

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殺害自体は認めた犯人

殺人自体は認めるが、正当防衛や事故死を偽装するトリック。殺人は事実となるため、完全犯罪とは言い切れないかもしれないが、偽装は成功する可能性が高い。

笹山アリ

精神科医。被害者を部屋に侵入した泥棒のように仕立て上げ殺害し、正当防衛で罪を逃れる計画。

被害者が泥棒のように行動すればするほど、計画殺人と事故の見分けがつかなくなる。たとえ被害者が知り合いであっても、泥棒と間違えたと主張することは可能である。しかし、接点がないようにみせる方が疑われる余地が少ない。

犯人と被害者の関係を誰も知らなければ、成立する可能性は高い。

大宮十四郎

俳優。あっぱれ侍。殺陣のリハーサル中に真剣で殺害する。真剣だとは思わなかった、相手が殺陣の動きを間違えた、と主張することで、事故死を偽装。

どのようにして真剣を手にするかがひとつの論点となる。刀が厳重に保管されている場合などは特に、うっかり間違えた、と主張しにくい。

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この記事のまとめ

古畑任三郎の最強犯人について考察をご紹介しました。のり子や天馬を除くと、「完全すぎた殺人」に登場した堀井岳(福山雅治)が完全犯罪に最も近かったのではないかと思います。ただし、ドラマの中で堀井は、プレゼントとして渡した爆弾の包み紙が発見され、捕まります。

トリック等については、現実的でないと否定するよりも、どうすればよかったかという視点で考察するように心がけています。

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