古畑任三郎S1E2「動く死体」のネタバレあらすじとトリック解説です。歌舞伎役者の中村右近(堺正章さん)が犯人です。
あらすじ
歌舞伎役者の中村右近は車でお婆さんをひき殺してしまい、その事故を隠すため、目撃者である舞台警備員の野崎に金を渡していました。しかし、警備員の野崎が自首しようとしたため、もみ合いとなり、誤って殺してしまいます。右近は野崎の死体を楽屋に隠し、一度劇場から出ます。その後、開けておいた窓から劇場に侵入し、すっぽんという昇降装置で野崎の死体を舞台へ運びます。右近は、野崎が猫を追いかけている最中に誤って天井から落ちたようにみせるため、死体を舞台中央に置き、靴などを脱がせます。さらに、野崎の腕時計も破壊することで死亡時刻を誤魔化します。
偽装工作を行った野崎は、警察が到着する中、楽屋で、つい先ほどコンビニで購入したお茶漬けを食べ、その場を立ち去ろうとします。そこで、自販機に手こずる古畑に声を掛けられます。この時、右近は事件発生を初めて聞いたふりをしますが、「どっから落ちたの?」と尋ねてしまいます。
右近の仕掛けた偽装工作は、捜査にあたる古畑によって簡単に見破られ、右近は徐々に追い詰められていきます。そして、舞台装置である昇降機(すっぽん)の下げ方を知らない人物が犯人であるということを古畑に立証され、右近は自供します。

最初のセリフ
新しい機械を買った時には必ず説明書を読んでください。少なくとも3回。箱から出す前とセットした後と寝る前に。一晩置くのがポイントです。気を付けねばならないのは、外国製の機械で……。
犯人を追い詰める証拠を暗示しています。
暗転のセリフ
中村右近はある決定的なミスを犯しました。彼は、あたかもやったのは自分だと言わんばかりの証拠をここに残していきました。ヒントはこのすっぽんの仕組みにあります。何だかお分かりになりますか?たぶん分からないでしょう。ま、考えてみてください。古畑任三郎でした……。
すっぽん(昇降機)が決定的な証拠となるのはわかりますが、具体的にどういった証拠なのかは不明です。まさにハウダニットといえます。
登場人物とキャスト
主な登場人物をまとめます。
| 名前 | キャスト | 説明 |
|---|---|---|
| 中村右近 | 堺正章 | 歌舞伎役者 犯人 |
| 野崎 | きたろう | 被害者 ひき逃げの目撃者 |
犯人
中村右近(なかむらうこん)
六代目中村右近。歌舞伎役者。義経千本桜を上演中。老婆をひき殺し、目撃者の野崎も殺害する。ドラマでは詳しく描かれていないが、ノベライズ版では、右近の車に野崎が同乗し、ひき逃げを目撃する。そして、右近と野崎は麻雀仲間ということになっている。「どっから落ちたの?」は名言で、調子に乗って余計なことを話さないようにする、すなわち、黙秘権って大事だよねというのが、よくわかる結果となっているとか、いないとか。失言で早々に目をつけられてしまうので、遊ばれるという悲惨な目に遭うわけだが、老婆をひき殺しておいて、割と平然としているし、二人目も死なせておいて、犯行後にお茶漬けを食べたりするので、なかなかの異常者でもある。サイコパスな人物は、ほぼ100%頭が良いので、間抜けなサイコパス(右近)というのは、かなりレアである。
トリック解説
右近の野崎殺しは計画的な犯行ではありませんでした。事後工作として右近は、警備員である野崎が、舞台に居座る野良猫を追いかけて誤って転落したようにみせます。なお、右近はひき逃げ事件も起こしていますが、これも計画的な犯罪ではありません。
犯行時刻をずらすため、警備員が身につけていた腕時計をわざと壊します。また、被害者の靴を脱がせて、転落したようにみせています。
犯人のミス
古畑が右近を疑うきっかけや、犯人を追い詰める根拠です。
ちぐはぐな証拠
つじつまの合わない証拠、証言や状況との食い違いなどです。
- 懐中電灯
犯人の右近は、被害者が猫を探して転落したという偽装を用意しましたが、被害者の懐中電灯を忘れていました。死体発見時、舞台の照明は消えていたため、被害者は暗闇の中で猫を探していたということになります。真っ暗な舞台で、懐中電灯も持たずに猫を探していた警備員、というのは不自然です。 - すっぽんの位置
スタッフの証言により、下りていたずのすっぽん(昇降機)が舞台に上がっているということが判明します。古畑は犯人がすっぽんを使って舞台に死体を移動させたと考え、さらに、すっぽんを下げなかったのは下げ方を知らなかったからと推理します。
犯行の証拠
右近の犯行を匂わせる状況証拠などです。
- どこから落ちた?
右近は、古畑との最初の会話で、野崎が打撲で死んだと聞きすぐに「どこから落ちたのか」と聞き返しています。打撲で死んだ人間が、転落したとは限りません。 - すっぽんの下ろし方
右近は、舞台関係者の中で唯一、すっぽんの下げ方を知らない人物でした。そのため、すっぽんは上がったままになっていました。下げ方がわからなかった右近は昇降機が故障していると勘違いし、修理をスタッフに依頼します。これにより、下げ方がわからないということを自ら証明します。
右近はすっぽんに乗って舞台に上がる際に、すっぽんの操作盤をみていたため、上げ方は知っていました。しかし、すっぽんが下がるとき、操作盤は見えないため、下げ方はわかりませんでした。また、ドイツ製ということもあり、直感的にはわかりにく操作方法でした。
古畑の罠
古畑は右近に、野崎の懐中電灯がみつからないと嘘をつきます。懐中電灯が見つかれば犯行現場がわかるかもしれない、などと言って右近をそそのかし、右近は必死になって懐中電灯を探します。そこへ古畑が現れ、それとなく懐中電灯を右近の楽屋に置き、必死に懐中電灯を隠す右近を観察します。
感想
右近が殺人の後にお茶漬けを食べるシーンが印象的です。歌舞伎に、そういったキャラクターが登場するようです。そのキャラクターがどういった心境なのかを知るために、犯行後、お茶漬けを食べてみたということで、役作りの一環だったようです。人を殺した後に落ち着いて何かを食べるというのは、サイコパス的な行動といえるかもしれません。
時計を壊して犯行時刻を誤魔化すというトリックはよく登場します。刑事コロンボ「野望の果て」が一例です(真相等のネタバレではありません)。
この記事のまとめ
古畑任三郎の動く死体について、ネタバレありであらすじをご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犯行 | 突発性殺人 |
| 手口 | 突き飛ばす |
| 動機 | ひき逃げの自白を防ぐ |
| 偽装工作 | 転落死偽装 |
| トリック | 腕時計を壊す |
| ミス | 口を滑らせる |
| 罠 | 被害者の懐中電灯 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 脚本 | 三谷幸喜 |
| 監督 | 関口静夫 |
| 演出 | 河野圭太 |
| 長さ | 46分 |
| 放送 | 1994年 4月20日(水) |

