盲点
古畑任三郎S1E3「笑える死体」のあらすじとトリック解説です。精神科医の笹山アリ(古手川祐子さん)が犯人です。

あらすじ
精神科医の笹山アリは患者であり元恋人の田代慎吾を笹山の自宅に忍び込んだ泥棒のようみせ殺害します。
笹山は田代が元恋人であることを隠すため、ただの患者であると証言し、関係性を偽ります。そして、自宅に忍び込んだ泥棒を正当防衛で殺したと主張します。
実際、かなり親しい関係だった田代は、事件当日、笹山の誕生日を祝うために、パーティーの準備をしていました。犯行後、笹山は田代が準備したものを全て処分したつもりでいた笹山でしたが、オーブンの中にチキンが残っているなど、片付け忘れたものが残っていました。
登場人物(キャスト)
主な登場人物をまとめます。
名前 | キャスト | 説明 |
---|---|---|
笹山アリ | 古手川祐子 | 精神科医 犯人 |
田代慎吾 | 羽場裕一 | 被害者 笹山の元恋人 |
犯人
笹山アリ:精神科医。患者の田代慎吾と交際していたが、田代が他の女性と婚約したことを知り、犯行を計画する。
最初のセリフ
古くなったストッキングの意外な使い道をお教えします。切り取った先っぽをスリッパの上に被せて家の中を歩いてみてください。細かいゴミが面白いように取れます。ストッキングっていうのは便利なもので……。
暗転のセリフ
いやぁ……、これは難しい事件です。田代を殺したのはアリです。これは事実です。しかし、正当防衛であれば彼女を逮捕することはできません。有罪を立証するためには計画的だって事を証明しなければなりません。実は彼女と田代が深い関係であったという事を、夕べ2人でパーティをやったという証拠を見つけなければなりません。実は、あったんです。この部屋の中に、おわかりですか?ヒントは「東急ハンズ」、「田代の性格」、そして「一番目に付きやすい物ほど見つけにくいという心理学の鉄則」、そして「これ(銀紙)」です。古畑任三郎でした。
トリック解説
笹山は田代を強盗犯に仕立て上げ、過失致死で殺したように偽装します。そして、元恋人である田代がただの患者であると嘘をつきます。
過失致死偽装
笹山は、田代が泥棒のように自宅に侵入するように仕向けます。精神科医である笹山は、患者である田代の性格をよく把握しており、田代の行動を読み切っていました。
締め出し
田代を外出させ、わざと閉め出します。
シャワーの音
シャワーを出しっぱなしにして、シャワーを浴びているようにみせます。
玄関先でシャワーの音を聞いた田代は、ベランダの窓から侵入しようとします。ベランダまでの道のりにある扉は、半開きにしておきます。
ストッキング
ベランダにストッキングを干しておきます。田代は、ストッキングを被って、笹山を驚かせようとします。
バットで撲殺
ストッキングを被って部屋に入った田代をバットで殴り殺します。
関係性の偽証
笹山は、田代との関係を隠し、ただの患者であると証言します。
親しい関係の人物に気付かず殺してしまうのはおかしいため、田代との関係を隠しています。
犯人のミス
古畑が、笹山と田代の本当の関係に気付くきっかけ、もしくは、確信する証拠です。
ちぐはぐな証拠
田代が強盗とは思えない証拠や、笹山との関係を疑う根拠です。
ストッキング
田代は、死に際にストッキングを取ろうとしました。強盗犯が、素顔をみせようとするのは不自然です。
靴
田代は、ベランダから部屋に侵入する際、靴を脱いでいます。強盗犯にしてはおかしな行動です。
吸殻
田代の準備した料理などを処分した笹山でしたが、キッチンには、田代が吸った煙草の吸殻が落ちていました。
田代が泥棒なら、ストッキングを被って、キッチンでたばこを吸っていたことになります。
オーブンレンジのチキン
キッチンのオーブンレンジには、チキンが入っていました。このチキンを使って古畑はある罠を仕掛けます。
くす玉
田代は、リビングの照明に、くす玉を用意していました。
このくす玉には、田代の名前が書かれていたため、笹山の証言と矛盾する決定的な証拠となりました。
感想
オーブンのチキンはデザートにいい、ヨーグルトソースをかけるとおいしい、という応酬が面白いです。
余談
強盗のように行動させて殺すというのは、刑事コロンボ「もう一つの鍵」に登場します。また、ストッキングとたばこについては、刑事コロンボ「5時30分の目撃者」に登場します。
この記事のまとめ
古畑任三郎の「笑える死体」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。
項目 | 内容 |
---|---|
犯行 | 計画殺人 |
手口 | バットで殴打 |
動機 | 元恋人への復讐 |
偽装工作 | 正当防衛にみせる |
トリック | 被害者を泥棒にする |
ミス | 片付け忘れたくす玉 |
罠 | オーブンのチキン |
番組情報
項目 | 内容 |
---|---|
脚本 | 三谷幸喜 |
監督 | 関口静夫 |
演出 | 河野圭太 |
長さ | 46分 |
放送 | 1994年 4月27日(水) |