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古畑任三郎vs緒形拳|黒岩博士の恐怖【あらすじ・ネタバレ解説・26話】

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おみくじ殺人

古畑任三郎SP4「黒岩博士の恐怖」のあらすじとトリック解説です。監察医の黒岩健吾(緒形拳さん)が犯人です。

あらすじ

監察医の黒岩健吾は助手の春木と共謀し、検案した死体のお尻におみくじをつめ、連続殺人事件をでっちあげていた。そして、本来のねらいである小木を殺害し、連続殺人の犠牲者にみせる。警察は一連の事件が同一人物による連続殺人と考え、存在しない殺人鬼を追うことになる。

小木殺害を果たした黒岩だったが、共犯者の春木が自首しようとする。黒岩は春木も殺害し、おみくじ殺人のすべて罪をなすりつけようとする。自ら春木の検案に臨む黒岩だったが、春木の死体を一晩霊安室に保管したため、古畑に決定的な証拠を掴まれる。

動機

黒岩は過去に代議士の死を自殺とする検案書を偽造し、多額の金を受け取っていました。この偽造に、助手の春木も関わっていました。小木は代議士の秘書をしており、自殺ではないことを知る人物だったようです。

登場人物(キャスト)

主な登場人物をまとめます。このエピソードで初めて八嶋智人さんが出演されます(このとき役名はなかったらしいです)。

名前キャスト説明
黒岩健吾緒形拳犯人
監察医
春木栗田貫一共犯者
助手
小木酒井敏也被害者
秘書
-八嶋智人店員
犯人

黒岩健吾(くろいわ・けんご):監察医。おしりにおみくじ詰める猟奇的な事件が発生し、おしり探偵ならぬおしり犯人が巷を跋扈しているのかと思いきや、すべては黒岩博士の捏造だった。
博士は自身が検案した死体におみくじをつめて…、いやまあ別に詰めなくても、肛門におみくじがあったという報告書を書けばいいのかもしれないが(写真撮影のために入れておくとか?)、とにかく、監察医という立場を利用して連続殺人をでっち上げている。
黒岩が行っているのは『検案』ということなので、司法解剖とは違うらしい。基本的な流れは、検案で事件性が判断された場合に司法解剖となるので、黒岩の前に死体を調査する人物は警察官のみ。お尻が怪しいという事前情報がない限り、肛門を熱心に調べる刑事さんは、たぶんというか、絶対いないのでバレそうにない。

最初のセリフ

ご無沙汰しております。皆さん、お元気でした?
あ、そうですか

早速ですが皆さん、占い信じますか?私の場合どうしても今一つ信用出来ないんです。
私の事を典型的な乙女座のA型と言う人がいます。頭が切れる割に情に流されやすく意外にミーハーである。性格は神経質でかなり粘り強い。
確かに当たってます。しかし一番肝心なのは、私はA型でもなければ乙女座でもないという事です。

占いと言えば……。

暗転のセリフ

えー、いつになく難しい事件でした
どうやら今度こそ、黒岩博士の尻尾を掴んだようです
黒岩博士はある重要な手がかりを残してくれました
ヒントは、春木先生はなぜ今日になって発見されたのか?
古畑任三郎でした……

トリック解説

犯人は、監察医という立場を利用して、事故や病気で死んだ人物が連続殺人鬼に殺されたようにみせました。連続殺人であることを捜査関係者に知らしめたのが、お尻の中のおみくじです。こうして、偽の連続殺人を捏造した上で、犯人は標的を殺しました。この人物のおしりにおみくじを仕込むことで、連続殺人鬼による犯行であるかのようにみせ、動機をわかりにくくします。

連続殺人偽装

警察は一連の殺人に動機をもつ犯人を探すため、捜査は難航します。さらにこの事件の場合、ほとんどの被害者の死因が事故や自然死のため、犯人らしき人物がみつかったとしても、多くの事件にアリバイが成立するはずです。また、標的殺害の容疑で真犯人が捕まったとしても、他の事件が連続殺人であると見立てられている限り、真犯人にはアリバイが成立します。

そもそも、事故死や自然死を殺人にみせているため、連続殺人鬼は存在しません。

同一人物による犯行

繰り返しになりますが、犯人は死体のお尻におみくじをつめて、連続殺人であるようにみせました。

お尻に詰めた理由は、例えば口の場合、死体を見た人間に、おみくじの有無を証言されてしまう可能性があるためです。死体発見時におみくじがなかったとなると、監察医や警察関係者が疑われる結果となってしまいます。そのため、服を脱がす必要があるお尻に入れています。

痕跡の残らない毒物

小木は注射器で毒物を入れられ死亡しています。この毒物は、検案では発見されない毒物とされています。

犯人のミス

古畑は、犯人のミスなどから生じる説明のつかない状況を手掛かりに、真相へ辿り着きます。

オーバーオール

5番目の大柄な被害者は、狭い社内の中でオーバーオールを着ていました。そのため、服を脱がせて、おみくじを詰めることができるような状況ではありませんでした。

とてもおみくじを詰めることができないような服装を選んでしまった理由は死体の服装をみていなかったためです。

検案時には服が脱がされています。つまり、死体の服装を見ずにおみくじをつめうる人物は検案担当しかいない、ということになります。

サロペットジーンズ

5番目の被害者の検案依頼書にはサロペットジーンズと書かれていました。

サロペットジーンズとオーバーオールはほぼ同じ意味で使われます。しかし、黒岩博士はサロペットジーンズの意味を知らなかったため、オーバーオールを着た死体を選んでしまいました。

春木の殺害

黒岩は助手の春木を殺害し、自ら検案にあたるため、死体を一日保管します。

春木の指紋

保管していた死体を確認している時、たまたま古畑が現れ、死体の指紋を取ります。この指紋によって、春木の死体をみていた黒岩、という非常に怪しい行動が発覚。黒岩は追い詰められ、自供します。

古畑が現れたのはたまたまにみえますが、しつこい刑事という性質が解決につながったともいえます。

感想

監察医が事故死や自然死を殺人にみせる、という偽装工作がとても面白いエピソードでした。お尻におみくじ、というのがちょっと笑えます。
なお、このエピソードは、刑事コロンボの「二枚のドガの絵」に通ずる部分があります。

この記事のまとめ

古畑任三郎の「黒岩博士の恐怖」について、あらすじやトリックをご紹介しました。

項目内容
殺人の計画性あり
偽装工作連続殺人の犠牲者に偽装
ミスオーバーオール
動機偽装検案の隠蔽
凶器毒物
トリックお尻におみくじ
古畑の罠

番組情報

項目内容
脚本三谷幸喜
監督関口静夫
演出鈴木雅之
長さ90分
放送1999年
4月6日(火)
ドラマ古畑任三郎エピソードリスト【各話あらすじ・トリック解説・ネタバレ】