私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女・あらすじ・ネタバレ解説【相棒シーズン2第21話・最終話】

私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女』は「相棒 Season2」の第21話です。シーズン2はこのエピソードが最終回となります。プレシーズンから登場し、杉下右京と亀山薫を翻弄し続けた稀代の殺人鬼、浅倉禄郎(生瀬勝久)が再び登場します。その他、岸田今日子さん、津川雅彦さん、国生さゆりさん、泉谷しげるさんなど、豪華俳優陣が出演し、最終回に相応しい重厚な回になっています。

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あらすじ

脱獄後に身投げしたと思われていた死刑囚・浅倉禄郎が、記憶喪失の状態で発見され、再び拘置所に収容される。彼の親友である亀山薫は、浅倉の記憶を取り戻そうと奔走するが、浅倉は自身の犯した罪や亀山のことも一切覚えておらず、断片的に残っているのは、母親を殺害したという記憶だけだった。法務省の刑事課長・永井紘子による催眠療法が試みられる中、浅倉は拘置所内で謎の自殺を遂げてしまう。亀山は親友の死に深い悲しみと怒りを覚えるが、杉下右京は自殺に疑念を抱き、捜査を開始する。

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登場人物

  • 浅倉禄郎(生瀬勝久)
    元敏腕検事にして「平成の切り裂きジャック」と呼ばれる連続殺人犯。脱獄後、記憶喪失で発見され、拘置所内で謎の死を遂げる。
  • 皆川千登勢(岸田今日子)
    最高検察庁次長検事。浅倉の元恩師。
  • 永井紘子(国生さゆり)
    法務省刑事局刑事課長。皆川の部下として動きつつ、特命係にも情報を与える。複雑な立場。
  • 瀬戸内米蔵(津川雅彦)
    法務大臣。自身の宗教的信念から死刑執行書へのサインを拒む。
  • 中津一義(伊藤洋三郎)
    東京拘置所の刑務主任。浅倉が死んだあと、死亡する。
  • 田端甲子男(泉谷しげる)
    元未決拘留者。特命係に浅倉の死に関する重要な証言をする。S1E1で特命係が逮捕したダイナマイト男。(シーズン1第1話についてはこちらにまとめています
  • 杉下右京(水谷豊)
    特命係の警部。
  • 亀山薫(寺脇康文)
    特命係の巡査部長。親友である浅倉の死に人一倍感情的に向き合い、事件解明に尽力する。
  • 奥寺美和子(鈴木砂羽)
    亀山薫の妻で新聞記者。浅倉の死を悲しみ、事件に関わる。
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ネタバレ

浅倉禄郎の死は自殺ではなく、刑務主任の中津一義による殺人です。中津は、浅倉が脱獄する際に殺害したとされていた刑務官・斉藤を殺害した真犯人でした。日常的に斉藤からいじめを受けていた中津は、浅倉の脱獄の混乱に乗じて斉藤を殺害し、その罪を浅倉になすりつけていました。浅倉が記憶を取り戻し、真相が露見することを恐れた中津は、火災報知器を誤作動させ、看守たちの注意をそらした隙に浅倉を殺害しています。

黒幕は次長検事の皆川千登勢で、実は皆川が中津に浅倉の殺人を依頼(教唆)していました。皆川は中津の斉藤殺害という弱みを握り、脅迫していました。皆川の浅倉殺害の動機は、愛弟子の浅倉が殺人犯として生き続けることが不憫であるという、歪んだ親心でした。すなわち、愛するがゆえに死を与えています。杉下右京は、中津の胃から遺書が見つかったという嘘(ハッタリ)を使い、皆川の自白を引き出しています。皆川は、証拠が固まる前に自首することを選び、最終的に自らの罪を認めます。

浅倉は記憶喪失でしたが、実母を殺した記憶だけは残っており、それが彼の連続殺人へと繋がるトラウマでした。記憶を取り戻しかけたことで、人間の心を取り戻した浅倉は、自身が犯した罪を悔い、結果的に大人しく殺される道を選んだとも考察されています。中津もまた、皆川に追い詰められた末に自殺し、彼の最期も不透明なままとなります。

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感想と考察

見どころ満載の壮大なフィナーレでした。まず、亀山薫と浅倉禄郎の関係性が深く描かれ、特に亀山の感情的な動きが際立っていました。親友の生存を喜び、記憶を取り戻させようと奔走し、その死に激昂し、犯人を追い詰める亀山薫の人間味がこれ以上なく現れています。火葬場で弔いに来た伊丹を殴りつけるシーンは、彼のやり場のない怒りと悲しみを象徴しているようでした。物語の最後に亀山は、浅倉の遺骨の前で「心置きなく地獄に堕ちろ」と手向けの酒を捧げます。罪を憎みつつも、友人としての情を捨てきれない彼の複雑な心情が、この台詞に現れています。

浅倉の連続殺人の根源には、彼が自ら手にかけた「娼婦だった生みの母親」の存在があります。記憶を失ってもなお、母殺しの記憶だけが残り涙を流す姿は、浅倉の歪んだ愛情と罪悪感の深さを表現していたと思います。最期は「検事としての母」ともいえる皆川によって命を奪われるという皮肉な結末です。母に狂わされた男が、母のような存在によって引導を渡されるという因果な物語構造がおもしろくもあります。そして、杉下右京による緻密な推理と相手の心理を読んだハッタリによる自白誘導、伊丹の意外な大人な対応や、瀬戸内法務大臣の信念、永井紘子の苦労人ぶりなど、キャラの役割もみどころでした。

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余談

  • 瀬戸内法務大臣の初登場
    後に特命係の協力者として何度も登場する瀬戸内米蔵の記念すべき初登場回です。
  • ミルクティー
    特命係の部屋で、右京が紅茶にミルクを入れる珍しいシーンがあります。
  • 「赤いベルの女」の解釈サブタイトルの「赤いベルの女」は、浅倉の死に関わる火災報知器(非常ベル)と、その事件の元凶である皆川千登勢を指すものと考察されています。
  • 拘置所と刑務所の違い
    死刑囚は刑が確定しても「死刑執行」がされるまで「拘置所」に収容されます。
  • 浅倉禄郎の登場回
    浅倉禄郎はプレシーズンから登場し、シーズン1の5話にも登場しています。(相棒シーズン1第5話『目撃者』についてはこちらにまとめています
  • 小野田官房長のホールインワンや、内村刑事部長の珍しくカッコいいシーンなど、本筋とは異なるユーモラスな描写も満載です。
  • シーズン2のオープニングテーマ曲がドラマの最後に流れます。この演出は、ファンにとっては感慨深く、そして、シーズン2の終わりを強く印象付けています。
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