『金田一少年の事件簿 オペラ座館殺人事件(アニメ)』のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは3話構成となっており、1話目は1997年8月25日(月曜日)に放送されました。登場する怪人は「歌月(かげつ)」です。なお、原作漫画とアニメ版では犯人が異なっています。オペラ座については、三つの事件がありますが、ここで紹介するのは最初のオペラ座館殺人事件です。ちなみに、二番目が“新たなる殺人”、三番目が“第三の殺人”となっています。
あらすじ
演劇部の合宿で、孤島にあるオペラ座館を訪れることになった七瀬美雪と金田一。演劇部では、ある女性部員が事故で硫酸をかぶってしまい、その後自殺するという痛ましい事件が起きたため、部員が退部し、人手が足りなくなっていました。
実は、その女性部員が硫酸をかぶったのは、単なる事故ではなく、配役に嫉妬した同じく演劇部の日高、桐生、早乙女のいたずらが原因でした…。
そんな日高が合宿中にシャンデリアの下敷きになって死亡します。さらに桐生も首を吊って死んでいるのが見つかります。金田一は自殺の復讐という動機、そして、包帯で顔を隠した宿泊客・歌月による犯行を疑います。しかし、部員の自殺に全く無関係と考えられていたオペラ座館のコックが殺されます。そして、歌月自身も、早乙女の殺害に失敗し、金田一らに追い詰められ、屋敷の窓から断崖絶壁へと身を投げてしまいます。
歌月死亡によって終息したようにみえる事件でしたが、金田一は歌月が飛び降りた窓の手すりに泥が付着していないことに気付きます。

©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
登場人物
金田一一、七瀬美雪、以外の登場人物をまとめます。
- 日高織絵(ひだか・おりえ):演劇部。2年生。最初の被害者。
- 桐生春海(きりゅう・はるみ):演劇部。3年生。一見、メガネの地味な女の子。二番目の被害者。
- 緒方夏代(おがた・なつよ):オペラ座館の料理長。三番目の被害者。原作漫画では顧問。
- 歌月(かげつ):正体不明の宿泊客。包帯を巻きつけている。四番目に死んだと考えられている。
- 月島冬子(つきしま・ふゆこ):演劇「オペラ座の怪人」の主役に抜擢されるが、直後に硫酸を浴び、顔がただれてしまう。その後、病院の屋上から飛び降り死亡。
- 月島亮二(つきしま・りょうじ):演劇部の顧問。教師であり、自殺した冬子の兄。アニメオリジナルのキャラ。
- 布施光彦(ふせ・みつひこ):演劇部。3年生。冬子と付き合っていた。
- 早乙女涼子(さおとめ・りょうこ):演劇部。3年生。
- 仙道豊(せんどう・ゆたか):演劇部。2年生。BADMANのプリントTシャツ。小道具担当。
- 神矢修一郎(かみや・しゅういちろう):演劇部。2年生。無口な照明担当。
- 黒沢和馬(くろさわ・かずま):オペラ座館のオーナーで演出家でもある。
事件の概要と謎
歌月は何者か、もしも歌月が犯人ではない場合、誰が犯人で、どうやって日高を殺したのか、そして、桐生の殺害方法、無関係に思われる緒方が殺された理由なども、謎です。
謎の宿泊客
金田一や演劇部一行がオペラ座館を訪れる前の日、包帯をまとった怪しい人物が、オペラ座館の宿泊客として現れます。最初の殺人のあと、この宿泊客の泊まっている部屋に金田一達が入ると、どういうわけか、その人物の姿はなく、部屋はひどく荒らされていました。
死亡?
早乙女を襲った歌月でしたが、金田一に見つかってしまいます。その場から逃走する歌月ですが、挟み撃ちにあってしまいます。
逃げ場を失った歌月は、窓から海へ飛び込んだようです。
日高殺害
日高は、舞台で、落下したシャンデリアにつぶされて亡くなっていました。
アリバイの謎
日高は夕食に姿を現しませんでした。皆が揃っている中、不在の彼女の悲鳴が響きます。そして、全員が彼女を探すため席を外します。
日高を探している最中に、オペラ座館にある劇場の、開幕ベルの音が鳴り響きます。
全員が劇場に駆け付けたとき、そこには、日高の死体がありました。シャンデリアの下敷きとなっていました。
金田一達が日高の悲鳴を耳にしたとき、歌月をのぞく全員が、食堂にいました。つまり、歌月以外の人物にはアリバイがあることになります。
桐生殺害
桐生は、1階にある自室の窓からすぐ近いところにある大木で、首を吊って死んでいました。
足跡の謎
窓から大木までの間には、足跡が残っていました。それは、桐生の靴のものでした。残っていたのは、その足跡だけです。さらに、桐生の部屋には内側からチェーンがかかっていました。他殺ならば、足跡は二種類残っているはずです。
緒方殺害
冬子の自殺は全く関係のない緒方が殺害されました。彼女は冬子の日記を読み、そして、カラカラとまわるフィルムを目撃しています。
冬子の日記
緒方が読んだ日記には、Rという人物が登場します。冬子はRに恋、もしくはそれ以上の感情を抱いているようです。イニシャルがRの人物は、兄の亮二だけです。
伏線および手掛かり
金田一が謎を解くヒントです。
シャンデリアの破片は、舞台の上だけに散らばっていました。その理由は、緞帳が下りていたためです。しかし、金田一達が舞台に駆け付けた時、緞帳は上がっていました。
- 泥
歌月が窓から飛び降りた直後、金田一は窓の手すりを調べます。しかし、手すりには全く泥が付着していませんでした。
床には、歌月の残した泥が、足跡になって、残っています。 - 金田一との衝突
早乙女襲撃時、金田一は歌月を追いかけます。突き当りを曲がった直後、反対方向からやってきた、神矢と衝突します。このとき姿を見せたオーナー黒沢は、なぜか、びしょ濡れです。
真相
犯人は神矢です。冬子が日記に綴っていたRは神矢のことでした。神矢修一郎がなぜRかというと、それは、冬子が神矢を「オペラ座の怪人」に登場する人物の名前(ラウル)で呼んでいたためです。歌月は変装した神矢です。合宿前日にオペラ座館を訪れた神矢はスーツケースに入れたゴムボートで、孤島から離れています。
犯人
- オペラ座の怪人=歌月=神矢修一郎(かみや・しゅういちろう)
アニメの犯人は神矢で、漫画は有森となっている。事件の概要やトリック、そして結末も概ね同じであり、「犯人の名前が違う」程度の印象でもある。最初の犯行である舞台の殺人は、悲鳴が聞こえたときに犯行が行われたのではなく、悲鳴を聞いて全員が探し回っているときに殺人が行われたということだった。全員がバラバラに、思い思いに探していれば、それぞれにアリバイはなく、誰にでも犯行は可能ということになる。
二番目と三番目の犯行については、特にアリバイについては触れられておらず、犯行が可能な人物というのは絞り込まれていない。二番目の犯行に関しては、人を担いで運ぶという作業が必要になるため、体力面で難しい人物はいるかもしれないが、確実に不可能といえそうなのは幼い子供とか、寝たきりのおじいさんとかなので、これもまた、容疑者を絞り込むことはできないと考えられる。三番目については被害者がトリックに気付いているが、テープだったということが犯人まで示しているわけではない。もちろん、裏方の人間の方が悲鳴入りのテープは入手しやすいかもしれないが、役者や監督であっても、悲鳴を録音することはできそうである。
そうなってくると、金田一が最後にクロスボウを向けた人物が犯人ということになる。金田一が自白を強要したということは断じてないのだが、物語の流れ上、そうなってしまう。犯人は自白しているので問題ないし、衝突した相手やRという根拠もあるにはあるのだが、もし推理が間違っていたら、金田一は無実の人を殺しちゃってたかもしれない。
結局、根拠は衝突相手とRである。Rはあだ名なのでどうにでもなりそうだし、衝突相手は画面外から前触れなく登場するだけである。つまり、金田一が衝突する人物を犯人にできるという、便利なプロットになっている。
アリバイトリック
日高の悲鳴が聞こえた時、彼女はまだ死んでいませんでした。犯行が行われたは、開幕ベルが鳴り響いたときです。このとき、全員が食堂から席を外していました。
日高の悲鳴は録音です。オペラ座館で稽古しているときに、犯人の神矢が録音していました。神矢はタイマーを使って、離れた所から、悲鳴のテープを再生しました。緞帳が下りていると、舞台にいる人間にはテープから流れる悲鳴は聞こえません。実は犯人は緞帳が下りた舞台に日高を呼び出していました。
首吊りトリック
犯人は窓から顔を出した桐生の首を階上の部屋からロープで絞めました。絞殺後、窓から外壁をつたって桐生の部屋へと侵入し、桐生の靴に履き替え、死体を担ぎます。そのまま、大木まで歩き、死体を木に吊るします。
緒方殺害の理由
緒方が殺されたのは、日高の悲鳴が録音されたテープを見つけられてしまったためです。
緒方はテープがあった音響室で殺されていました。死体が見つかったのは、緒方の客室にあるバスルームで、ちょうど美雪の部屋の上でした。なお、緒方が音響室にいた証拠として、つけ爪の一部が見つかっています。
結末
真犯人に気付いた金田一は犯人がクロスボウを使って早乙女を殺害しようとしていることを見抜き、クロスボウの矢が神矢にささるように仕掛けます。この罠によって神矢は矢をよけようとして、不自然な行動をとります。
犯行を見抜かれた神矢はオペラ座館の屋上から飛び降ります。その胸にはナイフが刺さっており、金田一達が駆け付けてまもなく、息を引きとります。
感想
オペラ座の怪人が突然登場するシーンにびっくりします。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「オペラ座館殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
原作漫画の犯人は有森裕二です。アニメ版とは異なる犯人ですが、ストーリーや登場するトリックは同じです。
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 21 (FILE1) |
8月25日 |
| 22 (FILE2) |
9月1日 |
| 23 (FILE3) |
9月8日 |

