苦い水・あらすじ・ネタバレ解説【相棒シーズン13第10話】

苦い水』は相棒season13の第18話です。特命係の因縁の相手である国会議員、片山雛子(木村佳乃)が事件の第一発見者となります。初入閣が噂されるほどの地位を築き、日本有数の資産家御曹司・桐山友哉(藤重政孝)との結婚も間近とされる雛子が、公園で発見された左官工・饗庭丈弘(伊嵜充則)の遺体とどう関わるのかがみどころです。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。

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あらすじ

深夜の公園で、国会議員の片山雛子(木村佳乃)が走り去った後、左官工の饗庭丈弘(伊嵜充則)の遺体が発見される。死因はチョコレートに含まれていたアーモンドパウダーによるアレルギー反応でのショック死。第一発見者である雛子は、現在、入閣目前で資産家御曹司・桐山友哉(藤重政孝)との結婚が噂されていた人物だった…。右京と享は饗庭の所持品から雛子のサイン本や桐山に関する検索履歴を発見し、雛子が単なる第一発見者ではないと疑う。しかし、雛子は何食わぬ顔で捜査をかわし、その圧力により事件は事故死として処理され、捜査一課は手を引かざるを得ない状況に。それでも特命係は捜査を続行し、饗庭の意外な過去や複数の女性との関係が明らかになっていく。

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登場人物とキャスト

  • 片山雛子(木村佳乃)
    衆議院議員。事件の第一発見者で、特命係と度々関わる政界の重要人物。
  • 饗庭丈弘(伊嵜充則)
    事件の被害者。公園で遺体となって発見された左官工。
  • 西崎早苗(ハマカワフミエ)
    饗庭と交際していた女性。
  • 桐山友哉(藤重政孝)
    日本有数の資産家御曹司。片山雛子との結婚が噂されていた。
  • 小久保愛子(富沢亜古)
    衆議院議員。片山雛子の先輩議員。
  • 村上涼子(桜木梨奈)
    会員制高級風俗店で働く女性。饗庭と接点がある。
  • 杉下右京(水谷豊)
    警視庁・特命係の警部。論理的な思考で事件の真相を追求する。
  • 甲斐享(成宮寛貴)
    警視庁・特命係の巡査部長。右京の三代目相棒。
  • 伊丹憲一(川原和久)
    捜査一課 刑事・巡査部長。
  • 芹沢慶二(山中崇史)
    捜査一課 刑事・巡査。
  • 角田六郎(山西惇)
    組織犯罪対策五課 課長・警視。
  • 米沢守(六角精児)
    鑑識課・巡査部長。
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ネタバレ

事件の真相には、饗庭丈弘の過去と片山雛子の現在の政治的立場が深く絡み合っていました。
片山雛子は高校時代、内気で目立たない生徒でしたが、饗庭丈弘との出会い(ナンパ)をきっかけに変わります。饗庭は彼女の容姿を褒め、自信を与え、おしゃれに変身させました。これが雛子にとっての初恋であり、彼女が自信を持ち、学内で一目置かれる存在となる転機となります。その後、雛子が再挑戦した生徒会長選では、人気者のライバルが出現。雛子は父の秘書を使い、ライバルの素行を調べさせます。その過程で、饗庭がライバルを含め複数の女子生徒と交際していることが発覚。激怒した雛子は、饗庭とライバルが喫煙している写真を学校に送り、二人を退学に追い込みます。これにより雛子は不戦勝で生徒会長となり、以降、選挙で負けることはなくなりました。この経験が、現在の権謀術数に長けた男性不信の『鉄の女・片山雛子』を形成することになります。

饗庭は高校退学後、ショコラティエを目指しますが、アーモンドアレルギーが発覚し断念していました。そんな中、村上涼子を通じて桐山友哉の薬物疑惑を知り、過去の贖罪の気持ちからか、雛子に伝えようとします。そして、昔の「チョコを食べてほしい」という約束を口実に雛子を思い出の公園に呼び出します。そんな饗庭丈弘の死の真相ですが、饗庭は雛子に渡したチョコに毒がないことを証明するため、自ら一口食べ、アーモンドアレルギーを発症し絶命していました。雛子は、自分が誰かに陥れられる可能性を考え、チョコレートの箱を持ち去り、第一発見者として通報。彼が渡したSDカードには、桐山が薬物を吸引している動画が収められていました。
のちに、右京の捜査により、饗庭が作ったチョコレートにはアーモンドが入っていなかったことが判明。犯人は、饗庭の交際相手の一人である西崎早苗でした。早苗は饗庭の子を中絶しており、彼の女癖に絶望していました。饗庭が雛子のために用意したチョコレートを、別の女性へのプレゼントと誤解し嫉妬。饗庭のアレルギーを知りながら、嫌がらせのつもりでアーモンドパウダーを混入させていました。早苗は饗庭が死ぬとは思っていなかったようですが、逮捕されます。

結末

片山雛子は饗庭から得た情報をもとに桐山の薬物使用を警察にリークし、彼を逮捕に追い込みます。また、桐山を紹介した先輩議員・小久保愛子が、雛子の失脚を狙い、桐山のスキャンダルを知りながら結婚させようとしたことを暴き、愛子を屈服させました。事件後、雛子は記者会見で桐山との交際と自身の通報を認め、さらに「日本国国家と結婚する」と生涯独身宣言。この機転により、彼女はさらに支持率を上げることに成功します。

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感想と考察

第18話は、片山雛子というキャラクターに迫るエピソードとして見応えがありました。サブタイトル「苦い水」は、チョコレートの語源であり、同時に雛子にとっての初恋と挫折という「苦い想い出」を象徴しています。饗庭は、雛子に自信を与え、生まれ変わらせてくれた恩人であると同時に、彼女に男性不信を植え付けた裏切り者。この愛憎相半ばする複雑な感情が、雛子の行動原理の根幹にあることが描かれています。

右京が雛子を「身の回りの事件を利用してのし上がる」と評したことに対し、雛子が「私は駆け上がるだけ」と答える場面は 、彼女の揺るぎない野心と、その背後にある孤独を感じさせます。事件自体は、後半の犯人像(西崎早苗)がやや唐突に感じられたりもしますが、全体としては片山雛子のキャラクターを深く掘り下げたエピソードだったと言えます。印象的だったのは、饗庭がチョコレートの箱に添えた「チョコレートコスモス」の花言葉「恋の終わり、恋の想い出、移り変わらぬ想い」です。饗庭がどの想いを込めたのか、そしてその花言葉を聞いた雛子が、かつて裏切りを知って号泣した過去を思い返すシーンは、彼女の人間らしい一面を垣間見ることができ、心に残りました。

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余談

  • 本話の視聴率は関東地区で15.5%でした。
  • 片山雛子の登場は「相棒season10」最終回以来、実に3年ぶりで、甲斐享が相棒となってからは初の登場でした。
  • 雛子がマスコミに対して「日本国国家と結婚します」と宣言したことは、エリザベス1世の言葉を彷彿とさせ、そのしたたかさが強調されました。
  • 劇中の様々なシーンは、船橋港親水公園、第一ホテル東京シーフォート、さいたまスーパー アリーナ地下関係者駐車場、学士会館、CACAO SAMPAKA 南青山、東映東京撮影所、コンディトライ・ニシキヤなど、多岐にわたる場所で撮影されました。
  • 次回は甲斐享の卒業スペシャル「ダークナイト」と予告され、注目を集めました。
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