けむり〜陣川警部補の有給休暇・あらすじ・ネタバレ解説【相棒シーズン18第16話】

けむり~陣川警部補の有給休暇』は2020年2月19日に放送された相棒season18の第16話です。第三の男・捜査二課の陣川公平警部補(原田龍二)が約2年ぶりに特命係に登場します。今回は、タバコの吸い殻以外は一切の痕跡を残さないことから「けむり」と呼ばれる伝説の連続窃盗犯が関わる強盗殺人事件に特命係と陣川が挑みます。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。

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あらすじ

ケアハウスの理事長が殺害される事件が発生。現場から「けむり」と呼ばれる伝説の連続窃盗犯の関与が疑われる痕跡がみつかる。「けむり」は20年以上警察に追われているにもかかわらず、捕まったことがない存在で、その犯行は煙のように姿を消すという。これまでの「けむり」は、闇金や反社会的勢力からしか盗まず、殺人を犯したことはなかった。そのため、今回のケアハウスを狙った強盗殺人に違和感を覚えた捜査二課の陣川公平は、有給休暇を取って特命係に協力を求める。
その夜、陣川は右京と亘を、行きつけの居酒屋「あおびょうたん」へ誘う。そこで陣川は、従業員の理沙に一目惚れし、運命の人だと信じ込んで浮かれる姿を披露する。そんな中、「けむり」による新たな窃盗事件が発生。これまで残してきた吸い殻以外に、かじった跡のある爪楊枝が現場に残されていた。

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登場人物とキャスト

  • 陣川公平(原田龍二)
    警視庁捜査二課の刑事。元特命係「第三の男」で、惚れっぽい性格。
  • 斎藤理沙(飛鳥凛)
    居酒屋「あおびょうたん」の従業員。陣川が一目惚れする相手。本名は三崎理沙。
  • 少女期の理沙(古川凛)
    幼い頃の斎藤理沙。
  • 佐田重蔵(小倉一郎)
    居酒屋「あおびょうたん」の常連客。新曙町グリーンという清掃会社の社員。
  • 野中文江(山下裕子)
    居酒屋「あおびょうたん」の女将。
  • 太川誠也(影山樹生弥)
    居酒屋「あおびょうたん」の板前。旧姓は遠藤。
  • 山倉武夫(田上ひろし)
    ケアハウス「泰然の杜」の理事長。被害者。
  • 田中千絵(水野千春)
    ケアハウス「泰然の杜」の入所者。物忘れがひどい。
  • 三崎慎吾(佑々木優)
    斎藤理沙の父親。16年前に殺害されたケアハウスの元管理人。
  • 遠藤司(金森規郎)
    太川誠也の父親。16年前の三崎殺害事件の被疑者で、勾留中に心筋梗塞で死亡。元ケアハウス管理人。
  • 森本のぶ
    闇金の社長。
  • 大月秀幸
    練山児童養護施設の所長。
  • 杉下右京(水谷豊)
    警視庁特命係の警部。卓越した推理力を持つ。
  • 冠城亘(反町隆史)
    警視庁特命係。右京の相棒。
  • 伊丹憲一(川原和久)
    警視庁捜査一課の刑事。
  • 芹沢慶二(山中崇史)
    警視庁捜査一課の刑事。伊丹の部下。
  • 角田六郎(山西惇)
    警視庁組織犯罪対策第5課長。特命係に便宜を図ることも。
  • 青木年男(浅利陽介)
    サイバーセキュリティ対策本部所属。特命係に協力する。
  • 益子桑栄(田中隆三)
    鑑識課の職員。
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ネタバレ

ケアハウス理事長・山倉武夫の殺害事件の真相は、複雑な過去の因縁にありました。
当初、「けむり」の犯行現場に残された爪楊枝のDNAから、居酒屋「あおびょうたん」の常連客である佐田重蔵(小倉一郎)が逮捕されます。佐田は山倉殺害も自供しますが、その後も「けむり」の犯行と思われる窃盗事件が発生。右京は、現場に残されたタバコの吸い殻から検出された女性のDNAと、これまでの「けむり」が痕跡を残さなかったこととの矛盾に気づき、佐田ともう一人「けむり」がいる可能性を指摘します。そのもう一人の「けむり」こそが、実は陣川が運命の人と信じる斎藤理沙(飛鳥凛)でした。理沙は父を亡くした後、佐田が窃盗をしている現場を目撃し、口止めと引き換えにランドセルを買ってもらったことがきっかけで、佐田から窃盗の技術を教わっていました。そして、理沙と佐田は互いを庇うために、敢えて現場にDNAの残る遺留品を残していました。

事件の根幹には、16年前に理沙の父親である三崎慎吾が毒殺された事件がありました。当時、三崎はケアハウスの入居者を山倉が殺害する場面を防犯カメラで捉え、その映像を添えて山倉に自首を促すメールを送っていました。しかし、山倉は自首するどころか、三崎を毒殺し、その罪を同僚の遠藤司に着せました。遠藤は勾留中に心筋梗塞で死亡し、誠也は殺人犯の息子として辛い人生を送ることになります。
理沙がその真実を知るのは、ケアハウスの清掃中に、入居者の田中千絵が偶然持ち去っていた父親の古い携帯電話を発見した時でした。携帯には山倉による殺人現場の動画と父親のメールが残されており、理沙は誠也にその事実を伝えます。誠也は父親の冤罪と山倉の悪行を知り、山倉の元へ詰め寄ります。もみ合いになった結果、山倉がナイフで襲いかかってきたため、誠也は正当防衛で山倉を刺殺してしまいました。

結末

山倉殺害現場に駆けつけた理沙は、殺人犯の息子として誰にも信じてもらえないと絶望する誠也を庇うため、自らが「けむり」の仕業に見せかけた偽装工作を行います。最終的に右京の策略により理沙は理事長室におびき出され、真実を語ります。理沙、佐田、そして誠也はそれぞれの罪で逮捕されることになります。連行される際、理沙は陣川に「プロポーズしてくれると言われて嬉しかったけど、ごめんね、陣川さんタイプじゃなかった」 と告げます。この言葉は、陣川を傷つけないための理沙なりの優しさであり、彼の恋はまたしても成就することなく幕を閉じました。

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感想と考察

今回のエピソードは、陣川公平のキャラが存分に発揮されつつも、過去の冤罪とそれに連なる復讐、そして犯罪被害者・加害者家族の苦悩という、相棒らしい重厚なテーマも扱っていました。陣川の惚れっぽくて騒がしいキャラクターは健在で、青木年男とのコミカルな掛け合いも楽しめました。しかし、その陽気な陣川の恋の相手が、事件の重要な鍵を握る人物であったという展開は、彼の登場回に常に付きまとう切なさを感じさせます。

「けむり」という義賊的な窃盗犯の存在は、法では裁けない悪を断罪する存在として描かれ、正義とは何かを問い掛けていたのかもしれません。しかし、その「けむり」の行動もまた、法を犯す行為であり、最終的には悲劇的な結末へと繋がります。特に、理沙が誠也を庇うために自ら罪を被ろうとする姿は、彼女が背負ってきた過去と誠也への同情からくるものであり、登場人物たちの葛藤が深く描かれています。この悲劇の連鎖を生み出した元凶である山倉武夫という人物の徹底した悪辣さには、強い憤りを感じさせました。

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余談

  • 本エピソードの初回放送は2020年2月19日で、このときの視聴率は13.9%を記録しました。
  • 「花の里」が閉店して以来、特命係が酒を酌み交わす場がなかった中で、「あおびょうたん」が登場しました。右京と亘が並んで酒を飲むシーンに懐かしさを感じます。
  • 劇中で陣川が右京を「お杉さん」と呼ぶシーンがあり、右京が嫌がる様子を見せていました。
  • 作中に登場する居酒屋「あおびょうたん」の撮影場所は東京都新宿区にある「味どころ はしもと」です。けむりが盗みに入った闇金事務所は「LOS CABOS エレファントラウンジ」、新宿本店ケアハウス「泰然の杜」の外観撮影には、「与野本町デイサービスセンター」、理事長室には「中央区保健センター」が使用されています。
  • 陣川公平役の原田龍二さんは、相棒シリーズにおいてシーズン3から16まで、ほぼ毎シーズン登場しているお馴染みのキャラクターです。
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