vs.ヤマタノオロチ
金田一少年の事件簿「出雲神話殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は2000年5月22日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
美雪と金田一はクラスメイトの乾公子と共に、出雲神話について研究するため、図書館で知人の大学院生から話を聞いていた。その帰り道、小泉八雲公園で刺された男性を発見。男性は死に際に「ヤマタノオロチ」とだけ呟き死んでしまう。死体は方位図が書かれた紙切れを握り締めており、そこには、八雲館へと誘う文言が添えられていた。
6月1日八雲館に来られたし 深夜零時 千八百年の時を越え オロチはよみがえる 汝をのろい 死の舞を舞う
殺人事件の真相を探るため、金田一、美雪、公子、剣持警部は出雲にある八雲館を訪ねる。宿泊客は金田一達を除いて六人おり、そのうちの一人は大学院生の右艮真一だった。
6月1日の深夜零時を迎え、八雲館でヤマタノオロチが描かれた屏風がみつかる。すると、崖むこうにある能舞台のたいまつに火が灯り、蛇の面を被ったヤマタノオロチが舞を舞い始める。
登場人物
金田一一、七瀬美雪、金田一二三、剣持警部以外の登場人物をまとめます。
乾公子(いぬい・きみこ)
不動高校の二年生。一や美雪の友人。三人で出雲神話について調べている。
父親の乾英基(いぬい・ひでき)は考古学者で大学教授。現在、失踪中。
右艮真一(うこん・しんいち)
大学院生。公子の父である乾教授の教え子。
朱雀斎助(すざく・せいすけ)
小泉八雲公園で殺害された男性。被害者。
玄武徳一(げんぶ・とくいち)
八雲館の主人。話し方や声の質などに特徴がある。
青山龍子(あおやま・たつこ)
国会議員。八雲館の宿泊客。贈収賄スキャンダルで揉めている。
巽海なぎさ(たつみ・なぎさ)
外科医。八雲館の宿泊客。煙草をふかしながら、青山に悪態つく。
坤田友代(こんだ・ともよ)
書道教室の教師。八雲館の宿泊客。人のよさそうな女性。
白井虎太郎(しらい・とらたろう)
九隆大学教授。八雲館の宿泊客。考古学者として、テレビにも出演。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 132 (FILE1) |
5月22日 |
| 133 (FILE2) |
5月29日 |
| 134 (FILE3) |
6月5日 |
| 135 (FILE4) |
6月12日 |
謎
東京で朱雀斎助が殺され、その後、出雲で青山龍子と白井虎太郎も殺害されます。さらに八雲館近くの滝つぼからは、乾公子の父親である乾英基教授の白骨化した遺体も発見されます。
舞台の殺人
能舞台にヤマタノオロチが現れたとき、金田一達は八雲館に集まっていました。宿泊客や従業員を含め全員がいたはずですが、坤田友代だけは直前にどこかに消えています。
能舞台が燃えたあと、金田一達は屋外を通って能舞台に駆け付けています。このとき、全員その場にいましたが、サンダルは一足たりなくなっています。
回廊の扉
能舞台へ辿り着く経路は二つあります。ひとつは屋外の経路で、これは能舞台が燃えた時に金田一達が使っています。もう一つは八雲館から屋根付きの回廊を進む経路です。この経路の方が近道ですが、回廊へ続く引き戸が開かないため、利用できません。
仮に、宿泊客や従業員の中にヤマタノオロチがいたとしても、回廊が使えないはずなので、犯行は不可能ということになります。
洞窟の殺人
白井虎太郎は洞窟で殺害されます。
洞窟の入口は一つしかなく、死体がみつかった時、入口には乾公子が立っていました。公子は犯人をみているはずですが、誰も通っていないと証言します。
手掛かり
金田一が真相に気付くきっかけ、推理の根拠などをまとめます。
状況
坤田友代は病気を抱えているらしく、八雲館でうずくまる様子が目撃されています。このとき、腕時計をした左手でハンカチを使っています。腕時計を左に身に着けているので、右利きのようですが、ハンカチを持つ手は左です。
ツバメの巣
屋根付き回廊へ続く扉はツバメに巣を作られたため、開かなくなっていました。なお、ツバメの巣が取り除かれたのは、事件発生後です。
証拠
白井虎太郎の腕時計は7時35分を示していました(アナログ時計のため昼か夜かは不明)。金田一達が死体を発見した時刻は7時36分だったので、ほんの少し前に犯行が行われたということになります。
実際の状況と食い違っているように思えるのは、白井虎太郎が腕時計でダイイングメッセージを残したからです。
真相
犯人は坤田友代です。被害者の朱雀、青山、白井は乾教授を殺していました。一部始終を目撃した坤田はかたき討ちのため、三人を殺害しています。
動機
坤田友代と乾英基は幼馴染でした。大人になって恋人同士となり、子供を授かりますが、親に反対され、引き離されてしまいます。
坤田家と乾家は由緒ある家柄で、それぞれ子孫を残すことを求められていました。坤田家と乾家に血縁関係があるわけではありませんが、両家が結ばれてしまうと、片方は断絶してしまいます。結局、友代と英基は離れ離れとなり、英基が子供を育てます。つまり、乾公子は坤田友代と乾英基の間に生まれた娘でした。
月日は流れ、乾教授が古文書を解読し、ついに史跡を発見します。同じ頃、友代は病に倒れてしまいます。生き別れになった娘をひと目みようとして、乾家を訪れ、そこで英基と再会。二人は一緒に出雲にある史跡へと向かいます。
ところが、八雲館近くの滝で英基が白井達に銃殺されてしまいます。青山、朱雀、白井は金儲けのために史跡を利用しようとしており、英基からその場所を聞き出そうとしていました。これを拒んだために、英基は殺され、滝つぼに落下してしまいます。
この様子をみていた友代は英基の仇を討つため、三人の殺害を計画します。
トリック
ヤマタノオロチの屏風がみつかった直後、犯人は集団から離れて引き戸を通り、屋根付き回廊から能舞台へ向かっています。
能舞台での事件が起こる前まで、扉を開かなくしていたのは、ツバメの巣ではなく、つっかえ棒でした。犯人は引き戸につっかえ棒をして開かなくし、能舞台の事件の時だけ、予めつっかえ棒を取り外していました。なお、扉を通った後に再びつっかえ棒を仕掛けたので、回廊は通れなくなっていました。
ツバメの巣は能舞台での犯行後に犯人が取り付けたものです。ツバメの巣ということで、以前から存在していたかのように思い込んでしまうというトリックでした。
嘘
乾公子は洞窟の入口付近で犯人と遭遇しています。しかし公子は犯人をかばうために、嘘をついています。
犯人が白井をおびき出すために使ったのは朱雀(最初の被害者)の名を語った偽の手紙で、その手紙を信じた白井はあっけなく殺されます。
決定的証拠
最後に死んだ白井は腕時計を方位図にみたててダイイングメッセージを残していました。7時35分は坤田を意味する方位です。謎解きに際して金田一はダイイングメッセージが10時52分だったと嘘をついて乾公子を告発しています。これは、娘を告発された友代を自供させるための策略でした。友代には能舞台での犯行で負った傷があり、これが証拠となっています。
結末
犯人の坤田友代は真相を語った後、その場に倒れてしまう。そして十日後、この世を去る。
友代のお墓参りにやってきた金田一達は公子から乾教授が遺した手紙を受け取る。そこには、古文書を封印したことなどが書かれていた。
感想
能舞台でオロチが踊り出した時に、なんだかワクワクしてしまいました。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「出雲神話殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- ヤマタノオロチ=坤田友代(こんだ・ともよ)
スサノオと共にヤマタノオロチと戦った精霊の子孫で、本来は清らかな魂を持つ存在だった。ところが、目の前で愛する人を殺され、強い憎しみを抱くことになる。ヤマタノオロチになったというよりは、ヤマタノオロチに操られたという感じ(どっちでもいいけれど)。
余命わずかだったということもあり、なんとしても罪から逃れるという意志はなさそうである。扉が開かないトリックはつっかえ棒という単純なトリックだった。ツバメの巣を簡単に取り付けることができ、さらに、扉を開かなくするほどの強度があるなら、つっかえ棒の出番はそもそもなさそうである。二回、三回と繰り返し使っていると粘着力がなくなってしまうということだろうか。そうそうツバメの巣も入らないだろうから、ここぞという時にだけツバメの巣は使う必要があったのかもしれない。

