探偵学園Q「切り裂き島の惨劇(漫画)」のあらすじ、トリック解説です。三郎丸や、三つの肖像画の共通点についてもご紹介しています。
あらすじ
団探偵社(DDS)の二次試験を見事通貨したキュウ達は最終試験会場である霧咲島へと向かうことになります。この島には、旧日本軍の捕虜収容所があり、約50年前、“ジャック・ザ・リッパー”を彷彿とさせる殺人事件が発生し、その後、未解決となっていました。
50数年前に起きた惨劇というのは、終戦によって島に取り残されたイギリス人の捕虜が、島から脱出するために、起こした事件でした。残された捕虜は10人で、彼らはボロボロのボートを修理し脱出を試みますが、ボートは7人しか乗ることができませんでした。そんな状況で、捕虜の1人が切り裂かれるという事件が発生します。現場には“JACK THE RIPPER(切り裂きジャック)”という血文字が残されており、翌日には2人目が、さらに3人目も殺されます。この3人目の殺人が、二重密室の事件でした。
島に辿り着いたキュウ達は、最終試験として、“切り裂きジャック事件”を再調査することになります。事件の中でも特に謎を残しているのが、二重密室の殺人で、キュウ達は密室の現場となった屋上の倉庫を検証しようとします。しかし、その倉庫の中で受験生の三郎丸豊が真っ二つにされている姿が発見されます。そして、50年前と同じように、現場は二重密室になっていました。その後、嵐によって島はクローズド・サークルと化し、さらなる犠牲者がでてしまいます。

©天樹征丸・さとうふみや・講談社/TBS・ぴえろ
登場人物
この事件に登場した主要キャラの紹介です。
- キュウ:主人公
- 美南恵:ヒロイン。瞬間記憶能力者
- 遠山金太郎:東山の金さんの末裔
- 鳴沢数馬:天才ゲームプログラマー
- 天草流:美少年
- 三郎丸豊:真っ二つで見つかる。一人目。補欠合格だった。
- 雪平桜子:推理作家志望。部屋に閉じこもる
- 獅子戸猛:上下真っ二つになって見つかる。二人目。
- 郷田京介:首や手を切断されて見つかる。三人目。
- 白峰隼人:マジックを披露した青年。
- 団守彦:探偵学園の学園長であり創設者
雪平桜子、獅子戸猛、郷田京介、白峰隼人の詳細はのちに語られることになります。
真相(ネタバレ注意)
実は誰も死んでいません。一連の切り裂き殺人はもちろん、50数年前に起きたという切り裂きジャックの事件も探偵学園側がでっちあげた事件で、全て探偵学園の最終試験でした。おまけに、霧咲島は何の変哲もないただの島です。
最初にみつかった三郎丸は右半身がありませんでしたが、実は体半分は床に埋まっていました。つまり、三郎丸は死んでおらず、死んだふりをしていただけです。
2人目のときは獅子戸と三郎丸が死体を演じ(上半身と下半身)、3人目のときは、三郎丸、獅子戸、郷田が死体になっていました(頭と下半身と腕)。
殺人が起きていないということにキュウが気づいたのは、三郎丸の死体にネズミがたかっていなかったからでした。その他、廊下に落ちていた三郎丸の東大ハンカチから匂うオーデコロンの香りが、第3の事件現場で匂ったことも、手掛かりとなっています。
死体役となった獅子戸と郷田はもちろんですが、部屋に閉じこもっていた雪平や白峰も探偵学園側の人間で、実は探偵学園Aクラスのメンバーです。三郎丸だけはキュウ達と同じ受験生でしたが、彼は補欠合格だったため、本当は最終試験に参加できないはずでした。しかし、土下座して最終試験への参加を懇願したため、死体役として参加することになります。
全ての黒幕は学園町の団守彦ということになるわけですが、団がわざわざ手の込んだ事件を用意したのは、受験生の推理力だけでなく、正義感や勇気を評価するためでした。結果として、キュウ達はその期待に十分に応え、真犯人だけでなくこの事件が最終試験であることも見抜きました。
キュウ、リュウ、メグ、キンタ、カズマの5人は、最終試験合格となり、DDSのQクラスの生徒となります。
トリック
二重密室のトリックには、キッチンから盗まれた小麦粉とバターが使われていました。犯人は小麦粉とバターをボール状にし、そのボールの中に鍵を入れて、小屋の外からネズミ穴を通して、ボールを転がしました。小屋は実は傾いていたため、ネズミ穴から入れられたボールは勝手に、キュウが鍵をみつけた場所に転がっていきます。キュウがみつけたのは鍵だけだったわけですが、これは、ネズミが小麦粉を食べてしまったため、鍵だけになっていました。
なお、小屋は排水のために傾斜がついていました。
2つ目の事件では、足跡で誘導するというトリックが登場していました。これは3つ目の事件で、キュウ達に部屋を勘違いさせるために、仕掛けられたトリックでした。3つ目の事件でキュウ達は、窓の腕を目撃したあと、部屋へと駆け付け、足跡が続いている部屋に入りましたが、この部屋は、腕が出ていた窓ではありませんでした。メグがホールに残されたのは、瞬間記憶能力をもつからであり、部屋の違いを見抜かれないようにするためでした。
なお、2つ目の事件で残された足跡が不自然(切れた足跡がない状態)だったため、靴を履かずに足跡だけ残したと推理されることになります。
肖像画の共通点
他作品のネタバレ注意
漫画の中では明かされなかった肖像画に描かれた人物の共通点ですが、これは“実は生きている”ということを意味しています。
最初の肖像画には、「最後の事件」のシャーロック・ホームズが描かれていましたが、このエピソードでシャーロック・ホームズはモリアーティ教授とともにライヘンバッハの滝に落下します。が、続編にあたる「空き家の冒険」でホームズは生きていることが明らかになります。
二つ目の肖像画である「そして誰もいなくなった」のローレンス・ウォーグレイヴ判事や、「エジプト十字架の謎」のアンドルー・ヴァン校長も同様です。

