相棒|ディアボロス・あらすじ・ネタバレ解説【シーズン20第14話】

ディアボロス』は2022年2月2日に放送された相棒season20の第14話です。人気フラワーアーティストの氷室聖矢を巡って連続する悲劇と、その背後に潜む「悪魔」の正体に特命係が迫ります。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。

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あらすじ

杉下右京は、小出茉梨に誘われ、新進気鋭のフラワーアーティスト氷室聖矢の個展を訪れる。そこで氷室の婚約者である内田絵里奈と挨拶を交わしたのだが、数日後、絵里奈が氷室のアトリエで絞殺体となって発見されてしまう。凶器は美しい花、テッセンの蔓だった。捜査一課が氷室を疑う中、右京と冠城亘は、氷室が3年前にも婚約者を謎の失踪で失っていた事実を知る。氷室は、これらの出来事を「悪魔の仕業」だと訴え、特命係は二つの事件の関連性と、その背後にうごめく「悪魔」の正体を追うことになる。

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登場人物とキャスト

  • 氷室聖矢(渡部豪太)
    前衛的な作風で評価されるフラワーアーティスト。婚約者が次々と悲劇に見舞われる。
  • 一之瀬春臣(冨田佳輔)
    生花の仲卸業者で、氷室の長年の仕事仲間。
  • 尾崎孝月(栗田芳宏)
    いけばな有明流の家元であり、著名な美術評論家。氷室の作品を酷評したことがある。
  • 内田絵里奈(小池唯)
    事件の被害者。氷室聖矢の現在の婚約者。
  • 深川日菜子(新実芹菜)
    氷室の3年前の婚約者。婚約直後に消息を絶った。当時の偽名は栗原玲子
  • 杉下右京(水谷豊)
    警視庁特命係の警部。
  • 冠城亘(反町隆史)
    右京の相棒。元法務省キャリア官僚。
  • 小出茉梨(森口瑤子)
    料亭の女将。右京と旧知の仲。
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ネタバレ

右京は、3年前に失踪した氷室の婚約者・栗原玲子の写真に写る「フィンガーズクロス」のジェスチャーから、彼女の愛情が偽りだった可能性に気づきます。さらに、殺害された絵里奈の口座には、氷室と関係が深まった時期に不審な入金があったことが判明。右京は、二人とも何者かに雇われ、氷室に近づいて裏切るよう仕向けられたと推理します。悪魔の正体を探る特命係は、まず氷室を酷評していた華道家元の尾崎孝月に着目。尾崎は、自身の秘密(少年少女のヌードモデルからインスピレーションを得る倒錯した趣味)を誰かに脅され、氷室の活動を妨害するよう強要されていたことを告白します。脅迫者は金銭ではなく、氷室の芸術活動を奪うことを目的としていました。
やがて、失踪していた玲子(本名:深川日菜子)が発見され、彼女は仮想通貨の借金を理由に、氷室と婚約後に姿を消すよう依頼を受けていたことを認めます。依頼人はいけばな有明流の会員名簿に載っていた人物で、それは、氷室の長年の仕事仲間である生花の仲卸業者、一之瀬春臣でした。一之瀬はかつて有明流の若手ホープでしたが、氷室の登場によって活躍の場を奪われ、その才能に嫉妬と狂信的な執着を抱いていました。彼は尾崎の秘密を暴いて氷室を酷評させ、日菜子を雇って失踪させるなど、繰り返し氷室に精神的苦痛を与えてきました。しかし、皮肉にもこれらの悲劇が氷室の芸術的才能をさらに開花させていました。最後に差し向けた絵里奈が本気で氷室を愛してしまい、計画からの離脱を申し出たため、一之瀬は彼女をテッセンの蔓で絞殺したことを認めます。

結末

逮捕された一之瀬は、取り調べを受ける前に服用していた毒によって死亡します。彼は氷室宛に、絵里奈との恋愛のもつれから殺 害したとする偽の手紙を残していました。この手紙を読んだ氷室は、絵里奈と一之瀬の裏切りに憤り、その怒りを創作活動にぶつけ、次の個展のタイトルを「DIABOLOS(悪魔)」と名付け、「悪魔と刺し違えるような作品を作ってやる」と決意します。右京は、一之瀬が氷室の苦しみをさらに深めるために偽りの手紙を残したのではないかと推測。そして、一之瀬がもたらした全ての苦しみが結果的に氷室の才能を刺激し、昇華させたことから、彼は生涯をかけて氷室聖矢という一輪の花を咲かせようとしていたのではないか、と考察します。被疑者死亡のため真相は闇の中ですが、右京は一之瀬の歪んだ献身を読み解くのでした。

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感想と考察

本作は、犯人の動機や背景が重層的に描かれることで深いドラマを生み出していました。一之瀬が右京と二人きりで語り合う場面は、犯人の心理が詳細に描かれ、緊張感に満ちた演出と台詞回しにひきつけられます。芸術家としての氷室の才能を「花」に喩え、より美しく咲かせるためには「痛めつける」必要があるという一之瀬の芸術観は、今回の物語の根幹を成すものであり、歪んだ愛と憎しみが表裏一体となった感情が表現されていたと思います。結果的に、一之瀬の「悪魔の所業」が氷室の才能を刺激し、昇華させたという右京の結論は、犯罪心理の奥深さと芸術の残酷な側面を浮き彫りにしました。
家元の倒錯した趣味が逮捕に繋がらない点や、犯人の自殺によって真相が完全に明かされない点には、一部で物足りなさを感じる声もあったようです。しかし、渡部豪太さん演じる氷室聖矢と、冨田佳輔さん演じる一之瀬春臣の演技は高く評価され、作品の世界観を深めることに成功しています。約13年ぶりに『相棒』の脚本を手掛けた岩下悠子さんの手腕も光り、初期の相棒を彷彿とさせるような展開と台詞回しが、長年のファンにも好評でした。

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余談

  • 初回放送は2022年2月2日です。この時の視聴率は12.1%を記録しました。
  • 脚本は岩下悠子氏が手掛け、S7第19話「隣室の女」以来、実に13年ぶりの『相棒』脚本担当となりました。
  • 主要なロケ地には、尾崎邸として「大森武蔵野苑」、氷室の個展が開かれた渋谷センターギャラリーとして「ルーデンス立川ウエディングガーデン」、氷室のアトリエとして「ハウススタジオネロ」、一之瀬が罪を認めた場所に「大澤洋蘭園 ふじみ野ラン園」などが使用されました。
  • 右京と小出茉梨のプライベートな交流が描かれ、ファンからは「デート」として話題になりました。

作中の名言

  • 「花を用いた芸術は、ある意味罪なんですよ。植物にとって1番自然なのは、誰にも摘まれる事なく野山で命を全うする生き方です。なのに僕達は花の命を断ち切り、既に完成された美を破壊して、新しい世界を再構築している。花から本来の命を奪う事で、芸術としての新たな命を吹き込んでいるんです。より美しく咲かせる為に、痛めつける必要すらある…」(一之瀬春臣)
    右京との会話の中で、彼自身の芸術観と、氷室聖矢というアーティストを「花」に見立て、苦境に追い込むことの正当性を語る場面。
  • 「たかが嫉妬で人生棒に振るなんて」 (冠城亘)
    一之瀬が連行される際に投げかけた言葉。
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