死者のギャンブル・あらすじ・ネタバレ解説【新刑事コロンボ61】

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A Bird in the Hand…

新・刑事コロンボ「死者のギャンブル」のあらすじ、トリック解説です。二つの計画殺人が絡み、さらなる、殺人へと発展するエピソードです。

あらすじ

借金まみれのギャンブラー、ハロルド・マッケイン(グレッグ・エヴィガン)は、金に困り、フットボールチームのオーナーである叔父の殺害を企て、遺産を手に入れようとします。

ハロルドが叔父の車にパイプ爆弾を仕掛けたその日、殺害しようとしていた叔父がひき逃げに遭い亡くなります。
大勢の警官を警戒しすぎたために、爆弾を回収できなかったハロルドは、誤って庭師を爆死させてしまいます。

爆弾を仕掛けたのはハロルドであると確信するコロンボでしたが、そのハロルドも、何者かによって殺されます。

犯人

庭師を殺害した犯人はハロルド・マッケインです。ギャンブルに負け続けた上、堅気ではなさそうな人物に脅されています。

叔父の妻であるドロレスとは不倫関係にありますが、このドロレスによって、自身も殺されます。

真犯人

叔父をひき殺し、ハロルドも殺害したのは、叔父の妻(ハロルドの義理の叔母)であるドロレスです。

被害者

被害者は3名。

最初の被害者はハロルドの叔父です。フットボールチームのオーナーで資産家といえます。

二人目の被害者は庭師です。庭師はハロルドの仕掛けた爆弾によって亡くなります。

最後の被害者はハロルド自身でです。

動機

ハロルドの動機は金です。

ドロレスの動機は名声といえます。彼女は、フットボールチームの選手にちやほやされるのが、何よりも楽しかったようです。
ハロルド殺害の動機は、ハロルドがドロレスによる叔父殺害に気付いたためです。

捜査および推理

コロンボは、ハロルドの死体の発見者であるドロレスの証言や、被害者のブーツに入った大金、現場にあったドロレスの車の露などを根拠に、ドロレスの犯行を疑います。

結末

ドロレスの自宅にハロルドのカウボーイハットが置いてあり、この帽子に散髪したばかりのハロルドの短い毛がたくさん付着していました
この証拠により、死亡推定時刻に被害者が、ドロレスの自宅にいたことが証明されます。

ドロレスは、叔父殺害は立証できないと反論しますが、ハロルド殺害の容疑で逮捕されます。

原題

「A Bird in the Hand…」(手の中の一羽の鳥……)
「死者のギャンブル」は原題と異なるタイトルです。

トリック解説

三つの計画犯罪があり、そのうち一つは、ひき逃げを装った犯行です。その他二つは、プロの犯行にみせかけて標的を殺害しています。

ひき逃げ偽装

ある強盗が、庭師の車を盗み、その途中で、叔父をひき殺してしまったという筋書きです。
実際は、ドロレスが庭師の車を盗み、叔父を轢き殺しています。

ドロレスが犯人であるということは、立証されていません。
轢き殺すシーンなどが描かれていないため、視聴者にも、犯人かどうかはわかりません。

叔父の車

犯人は、あらかじめ、叔父の車をガレージから出しておきます。
庭師は、屋敷内に自分のトラックを停めると、叔父の車の進行を妨げることになるため、屋敷の外にトラックを停めます。

屋敷の外にトラックがあれば、犯人はトラックを盗みやすくなります。

プロの犯行偽装(ハロルド)

ハロルドはパイプ爆弾という特殊な凶器を使うことで、プロの犯行にみせようとします。

プロの犯行偽装(ドロレス)

ドロレスは窓を割るなどして、手慣れたプロの犯行にみせかけてハロルドを殺害します。そして、嘘の証言で、コロンボ(警察)を騙そうとします。

犯行現場の隠蔽

ドロレスはハロルドを自宅に呼び寄せ、そこで射殺します。そして死体をハロルドの車で運びます。

自分の車は、あらかじめ、ハロルドの家に置いておき、あたかも自身の車でハロルドの家にやってきたかのようにみせ、第一発見者となります。

ハロルドがポーカーから帰ってきたとき、既に車が置いてあります。ハロルドは、車を一瞥していますが、特に気にしていない様子です。

侵入経路

物取りの侵入経路を捏造するため、窓をカッターで切り取ります。その窓の下にある、猫のミルク皿をひっくり返し、あたかもその窓から何者かが侵入したようにみせます。

お金に困っていた被害者

犯人のドロレスは、被害者のハロルドが金に困っていたと証言します。
危ない人物(名前はハッカー)に狙われているので、シカゴへ逃げる予定だったといことも話します。

これらは全て嘘ですが、ハロルドがプロに殺されたような印象を与えることができます。

犯人のミス

コロンボが、真相を見抜く手がかりです。
ひき逃げ偽装殺人に関しては、ハロルドが、犯人の嘘の証言を手掛かりに真相へとたどり着きます。

ハロルドは爆弾をすぐに回収しなかったため、全く関係のない庭師を殺すことになります。
さらにいえば、爆弾を仕掛けなくても、叔父はドロレスによって殺され、その結果、多少の遺産を手に入れることができるはずでした。

ちぐはぐな証拠

ひき逃げ、プロの犯行という偽装工作と矛盾する証拠や状況です。

ひき逃げに関して

叔父の気遣い

朝が早い時、叔父(夫)は車をガレージから出しておく習慣があったと、ドロレスはコロンボに話します。
コロンボは気付きませんでしたが、そばで聞いていたハロルドには、この証言が嘘だとわかりました。

爆弾に関して

ガソリンのついた手袋

屋敷のゴミ缶にガソリンの付いた手袋が捨ててありました。
プロが、このようなわかりやすい証拠を残すとは思えません。

爆発の瞬間

現場にカメラが入っていたため、爆発の瞬間が映像として記録されていました。
その映像には、爆発の前に、目をつむり、硬直するハロルドの姿が映っていました。

ハロルド殺害に関して

大勝利

ハロルドは徹夜でポーカーに打ち込み、5000ドルも勝っていました。この大金を靴に入れ隠していました。

犯人のドロレスは、被害者のハロルドが金に困っていたと証言しますが、そんなはずはありませんでした。

目覚まし時計

目覚まし時計が8時にセットされているのではなく、ほんとうは20時でした。

犯人の証言によると、被害者は14時30分のシカゴ行きの列車に乗ろうとしていたようです。しかし、目覚ましは20時に設定されています。

車の露

犯人は、朝の10時30分に、現場へやって来たと話しますが、車には何故か露が付着していました。
結露は車体が冷えているときに起きるはずなので、今まで動いていたとは、考えにくい状況です。

犯行の証拠

ハロルドが爆弾を仕掛けたこと、ドロレスによるひき逃げ、そして、ハロルド殺害を示唆する証拠です。

ひき逃げに関して

ドロレス不在

叔父が死んだ日、彼は朝から打ち合わせの予定がありました。時間に遅れていたため、打ち合わせの参加者が屋敷に何度も電話しますが誰も応答しません。
この時、妻であるドロレスは、ひき逃げのため、屋敷にはいませんでした。

爆弾に関して

地面の跡

爆発した車の、すぐ下の地面に、何かを擦ったような跡が残っていました。

これは爆弾を仕掛けた時に残った靴の跡であり、特に、ハロルドがはいているような、踵に銀の飾りが付いている靴でつけられたようです。

利き手

車に爆弾を仕掛けるためには、左手を使わないとかなり苦労するような状況でした。
コロンボは、煙草を持つ手から、ハロルドが左利きであると推理し、実際、ハロルドは左利きでした。

ハロルド殺害に関して

足取り

綺麗なシーツ、湿った靴下などから被害者がベッドで寝ていないことが推理され、さらに、ポーカートーナメントのチケットなどから、被害者の足取りが次の通り、明らかになります。

ハロルドはドロレスとの夕食後、徹夜でポーカーをし、5000ドル勝ちます。そして、朝食をとり、さらに散髪までしていました。一度自宅に帰り、その後、ドロレスの屋敷へ行き殺されました。

カウボーイハット

ハロルドはカウボーイハットをかぶっており、その帽子をドロレスの屋敷に置き忘れていました。

いつ置き忘れたかわからない帽子ですが、たくさんの短い毛が付着していたことから、殺されたその日の朝に、置かれたものであることが判明します。

感想

爆発に巻き込まれて亡くなった人の良さそうな庭師が不憫でなりません。

古畑任三郎「矛盾だらけの死体」「間違われた男」「雲の中の死」などのようにコメディ要素が強くなり、爆弾を回収できない犯人がおちょくられるエピソードかと思えば、庭師が死に、内容はかなりシリアスになります。

考察

「A Bird in the Hand…」は「A bird in the hand is worth two in the bush」ということわざを意味しているようです。
自分が既に持っているもの失うリスクを冒して、よりよいものを得ようとしてはいけないという意味だそうです。

これはおそらく、特に追い込まれたわけでもないのに殺人を犯したドロレスのことを指し示していると考えられます。
コロンボシリーズに登場する犯人の多くは、金や名声などを失う危機に直面し、人殺しを選びます。しかし、ドロレスは特に借金があるわけでも、脅さていたわけでもありません。

ひき逃げの検挙率

ドロレスの叔父(夫)殺害は、ひき逃げが検挙されにくいということを利用しています。

ニューヨーク市の情報ではありますが、実際はどうなのかを確認すると、たしかに、死亡もしくは重傷を負ったひき逃げ事故に対して、逮捕された件数の割合は30~40%以下となっています。

日本の死亡ひき逃げ事故の検挙率はほぼ100%、重傷事故でも80%以上なので、ニューヨーク市の割合が、低いことがわかります。

この記事のまとめ

刑事コロンボ「死者のギャンブル」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。

ハロルドの叔父殺害計画
項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 プロの犯行にみせかける
ミス 爆破の瞬間の録画映像
動機
凶器 爆弾
トリック
コロンボの罠
ドロレスの叔父殺害
項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 ひき逃げ偽装
ミス 電話への応答
動機 名誉
凶器 庭師の車
トリック
コロンボの罠
ドロレスのハロルド殺害
項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 プロの犯行にみせかける
ミス カウボーイハット
動機 脅迫されたため
凶器 拳銃
トリック
コロンボの罠

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