『みんな彼女を好きになる』は2025年11月5日に放送された相棒season24の第4話です。杉下右京が、ある夜、襲撃され、緊迫した心理戦が描かれるエピソードです。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。
あらすじ
ある夜、杉下右京は紅茶店で知り合い意気投合した熊井エリザベスとディナーを楽しんでいた。しかし、彼女をタクシーで見送った直後、大手通信会社の会長を務める初老の男・米村隆光が「彼女を悲しませるのはやめろ!」と右京に殴り掛ってくる。たまたま居合わせた亀山薫や伊丹らの働きで事態は収まるが、米村の怒りはただ事ではなさそうだった。米村は右京が「エリザベスをもてあそんだ」と主張。右京には身に覚えがなく、金と権力を持つ米村が一方的に恨みを募らせている状況を鑑み、大きな事件に発展する可能性を感じた右京と薫は、米村とエリザベスについて調査を開始する。
特命係の二人は米村の会社を訪れるも門前払いを受けるが、米村の弟・慎二と妹・洋子に声をかけられる。洋子によれば、エリザベスを兄に紹介したのは自分であり、彼女が開催する高次元の存在も参加するお茶会での占いがよく当たるとのこと。猜疑心の深い米村もすっかりエリザベスに恋をしてしまったらしく、洋子もまた、エリザベスが紹介する慈善事業に数百万円を支援していた。
エリザベスの働くテーラーを訪れた右京と薫。そこへ米村も現れ、右京を殴ろうとしたことを知ったエリザベスは「大っ嫌い !」と米村を追い返す。米村は「もう死ぬ!」と叫び、薫に慰められることに。右京は、エリザベスの慈善事業に不審な匂いを感じ取り、捜査一課に依頼してロンドン市警を通じてエリザベスの慈善事業のパートナーについて調べ始める。

登場人物とキャスト
- 熊井エリザベス(かたせ梨乃)
右京が紅茶店で知り合った、魅惑的で神秘的な女性。テーラーで働く傍ら、霊的な話や慈善事業に関心を持つ。 - 米村隆光(吉満寛人)
大手通信会社「ヨネムラ通信」の会長。エリザベスを深く愛し、右京を襲撃する。 - 米村慎二(亀田佳明)
米村隆光の弟。兄とエリザベスの関係を案じている。 - 矢島洋子(まひろ玲希)
米村隆光の妹。エリザベスを兄に紹介し、自身も慈善事業を支援している。 - ボルボル(B.T.、本名:山崎肇)
エリザベスの慈善事業に関わる黒人男性。元六本木のクラブ従業員。 - ウォートン婦人(ヒロカワ ヴァレンティーナ)
エリザベスの慈善事業のパートナーとされる英国貴族の末裔。元六本木のクラブ従業員。 - 杉下右京(水谷豊)
警視庁特命係の警部。紅茶店で出会ったエリザベスと親しくなるが、彼女の周辺で起きる事件を冷静に捜査する。 - 亀山薫(寺脇康文)
警視庁特命係の巡査部長。右京の相棒。右京の珍しい“恋バナ”に興味津々になりながらも、捜査をサポートする。 - 小出茉梨(森口瑤子)
小料理屋「こてまり」の女将。恋に悩む米村に的確な助言を与える。 - 伊丹憲一(川原和久)
警視庁捜査一課の刑事。 - 芹沢慶二(山中崇史)
警視庁捜査一課の刑事。伊丹の後輩。 - 出雲麗音(篠原ゆき子)
警視庁捜査一課の刑事。女性トラブルに巻き込まれた右京に興味津々 。 - 角田六郎(山西惇)
組織犯罪対策部第五課長。 - 内村完爾(片桐竜次)
警視庁刑事部長。特命係を煙たがっている。 - 中園照生(小野了)
警視庁刑事部参事官。内村刑事部長の側近。
ネタバレ
エリザベスの周辺を調査した右京は、彼女が語る慈善事業が全くのでっちあげであり、彼女が腕利きの詐欺師であると確信します。イギリスのパートナーであるウォートン夫人や、金の採掘事業を行っているとされた男(本名:山崎肇)も、彼女の詐欺仲間でした。右京はエリザベスから招待されたお茶会の席で、全ての嘘を暴いてみせます。観念したエリザベスは「私は詐欺師です」と罪を認め、捜査二課に連行されます。しかし、逮捕されることすら彼女の計画の一部だったことが判明します。エリザベスの最終目的は、病で余命いくばくもない米村と結婚し、彼の莫大な遺産を合法的に手に入れることでした。逮捕されれば、米村は「彼女を守る」という一心で優秀な弁護団を雇い、罪を軽くするために奔走するはず。計画通り、米村はエリザベスと結婚。彼女は自らの罪を清算した上で、巨万の富を得ることに成功します。
結末
取調室で右京は、エリザベスの全ての計画を見抜いていたことを告げます。そして、「もし計画を打ち明けてくれていたら、今とは全く違う二人になれていたかもしれない」と語りかけます。その言葉に、それまで完璧な芝居を続けていたエリザベスは初めて感情を爆発させ、「そんなこと言うくらいなら、抱きしめて連れ去ってよ!」と涙ながらに叫びます。
感想と考察
右京が恋(?)に落ちるという、相棒シリーズでも異例の導入から始まった第4話は、コミカルな描写と、右京と詐欺の天才・エリザベスの知的な攻防が見どころでした。序盤は、右京の恋バナに「意外と積極的!」「ちゃんと段階ふんでますね」と盛り上がる麗音や薫、そして伊丹たち捜査一課のコミカルなやり取りを楽しめました。しかし、物語が進むにつれて、かたせ梨乃演じるエリザベスのうさん臭さが際立ち、サスペンスドラマになっていきます。最後の取調室でのシーンが印象的で、エリザベスの「抱きしめて連れ去ってよ!」という叫びは、右京に惹かれていた彼女の唯一の本心だったのか、それとも、これもまた計算ずくの演技だったのか……。のちのエピソードの伏線にもなっていそうで、深い余韻を残していました。詐欺師としては完璧だったエリザベスが、右京という存在によって計画にはなかった後悔を抱えたのかもしれません。
余談
- エリザベスを演じたかたせ梨乃さんと、杉下右京役の水谷豊さんは、意外にも本作が初共演でした。かたせさんはオファーを非常に喜び、クランクインが待ち遠しかったと語っています。
- 米村会長を演じた吉満寛人さんは、過去に『相棒 season2』『8』『13』でそれぞれ別の役で出演しています。
- ロケ地として、右京とエリザベスが会った紅茶店にデンメア、二人が食事をした店にAZUR et MASA UEKI(アズール エ マサ ウエキ)、右京が襲われた場所にさいたまスーパーアリーナ、熊井エリザベスが働くテーラーにテーラーまなべ、右京と亀山が矢島洋子らにお茶会などについて話を聞いた店に喫茶 樹樹などが使われています。

