相棒|善悪の彼岸~深淵・あらすじ・ネタバレ解説【シーズン18第15話・後篇】

善悪の彼岸~深淵』は2020年2月5日に放送された相棒season18の第15話で、2週連続スペシャル後編です。杉下右京のかつての相棒であり宿敵でもある南井十との長きにわたる因縁が描かれています。本作は、ロンドンの連続殺人事件「逆五芒星事件」を模倣したと思われる新たな事件が東京で発生し、特命係の右京と冠城亘がその真相に迫ります。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレなどをまとめた上で、感想や考察などのレビューをご紹介しています。

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あらすじ

英国研修時代の杉下右京の相棒だった南井十(伊武雅刀)が再び来日し、東京で連続殺人事件が発生。事件の状況は、かつてロンドンで起きた「逆五芒星事件」と酷似しており、右京と冠城は南井がこの事件を模倣しているのではないかと推理する。原宿、日暮里、品川と続く事件は山手線沿線で発生し、ロンドンの事件と同様に警邏中の巡査が射殺される事態に発展。右京は、ロンドンの事件を参考に次のターゲットが池袋近辺の大学の女性学長であると推理し、警察は警護を強化する。しかし、事件にはロンドンの事件と異なる点も散見され、右京は南井の真の目的を深く考察し始める。やがて、南井の最後のターゲットが冠城亘である可能性が浮上。右京は亘を守るため、特命係を辞めるよう告げるが、亘は自らの正義を貫こうと拒否する。互いの譲れない正義がぶつかり合う中、事件は予期せぬ方向へと進んでいく。

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登場人物とキャスト

  • 杉下右京(水谷豊)
    警視庁特命係の警部。かつての相棒である南井十との因縁の対決に挑む。右京は、かつてロンドンで「逆五芒星事件」の捜査に協力している。
  • 冠城亘(反町隆史)
    警視庁特命係の巡査部長。右京の現在の相棒。今回の事件では南井の標的となる。
  • 南井十(伊武雅刀)
    スコットランドヤードの元警部。右京が英国研修時代に相棒を務めた人物であり、後に右京の宿敵となる。犯罪者に私的な制裁を与えることを信念とする謎多き男。
  • 伊丹憲一(川原和久)
    警視庁捜査一課の刑事。
  • 芹沢慶二(山中崇史)
    警視庁捜査一課の刑事。
  • 角田六郎(山西惇)
    警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課長。
  • 青木年男(浅利陽介)
    警視庁サイバーセキュリティ対策本部。
  • マリア・モースタン(石田ニコル)
    前篇に登場した、南井のかつての相棒アキノリ・カワエの娘。
  • セバスチャン・ロイロット(ドン・ジョンソン)
    ロンドンの逆五芒星事件の犯人。
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ネタバレ

最終局面で、杉下右京は南井十がロンドンの逆五芒星事件の最後のターゲットである「刑事の相棒」に倣い、冠城亘を狙っていると確信します。亘を守るため、右京は彼に特命係を辞めるよう促しますが、亘は自身の正義を貫くことを選択し、南井との対決に向かいます。亘は南井に殴られ意識不明の重体となり、病院に運ばれます。亘の傍に残されていた南井の手帳を見た右京は、南井を追い詰めます。
右京が南井を追い詰めたビルの屋上での対峙で、南井の背後にロンドンの事件の犯人である外国人男性の幻影が見え隠れします。右京は、ロンドンの事件の犯人がすでに5年前に死亡していることを告げ、南井が「老いからくる認知症」を患い、判断力や自己抑制力が低下しているという衝撃の真実を突きつけます。南井は、自ら事件を起こしながら、そのことを忘れ、自ら捜査をしていたのです。彼が記していた手帳は、犯人である動かぬ証拠そのものでした。さらに、南井はロンドンの逆五芒星事件の犯人を、かつての相棒であるアキノリ・カワエの復讐として毒殺しており、その罪悪感から「犯罪者には贖罪の心を持たない者がいる」という信念を抱き、私的制裁を繰り返していたことが明かされます。しかし、認知症の進行により、南井はカワエのことも忘れ始めていました。それでも、彼が唯一忘れることのなかった記憶は、最も信頼し尊敬する杉下右京のことだけでした。

結末

正気を失い、幼い頃に憧れたホームズのように右京ともう一度捜査をしたいと語る南井に、右京は言葉を失い、ただ強く抱擁することしかできませんでした。その後、南井は病院に入院しますが、すぐに病院から姿を消します。ある山中の崖の近くで南井の傘と手袋が発見され、大量の血痕から彼の生存は絶望的とされます。愕然とする右京の姿に、意識を取り戻し回復した亘が「帰りましょうか、特命係へ…」と声をかけ、二人は特命係へと戻っていきます。宿敵・南井との最終決戦は、悲しくも曖昧な決着を迎えました。彼の遺体は見つからず、その生死は視聴者の想像に委ねられることとなります。

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感想と考察

本作は、緊迫した捜査の中で、相棒である亘にも南井の魔の手が迫り、特命係が深い悲劇に直面する展開が描かれました。人間の「善と悪」の境界、そして記憶と喪失のテーマを深く掘り下げた一作だったと思います。これまで右京の最強の宿敵として3シーズンにわたって描かれてきた南井十との決着は、南井の凶悪な連続殺人の裏に、老いによる認知症と記憶の混濁があったというものでした。事件を起こす「犯人としての南井」と、その事件を捜査する「刑事としての南井」という二重人格的な側面は、認知症という現実的な病によって説得力を持たされ、大きな衝撃と深い悲しみを与えています。最後の対決で南井を抱擁する右京の姿は、人間の複雑な感情を描き切った名シーンであり、シャーロック・ホームズとモリアーティ教授の最後の対決を彷彿とさせました。南井の生死が曖昧に終わったことで、今後のシリーズでの再登場の可能性も示唆され、考察の余地を残しています。右京と亘の関係性も印象的でした。亘の命を守るため、特命係を辞めるよう求める右京の優しさと、それでも自身の正義を貫こう とする亘の信念がぶつかり合う場面は、二人の間に築かれた信頼と絆の深さを改めて感じさせます。

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余談

  • このエピソードの初回放送日は2020年2月5日です。このときの視聴率は11.8%でした。
  • 本作の脚本は徳永富彦氏が担当しています。
  • シリーズを通して杉下右京と南井十は、シャーロック・ホームズとモリアーティ教授の関係になぞらえられていました。

作中の名言

  • 「また捜査をやろう。お前とならどんな悪も光の下に引きずり出せる」(南井十)
    認知症を患いながらも、最も信頼する右京のことだけは忘れず、かつてのように共に事件を捜査したいという純粋な願いを語った場面。
  • 「ただ…僕も貴方のことは忘れないでしょう」(杉下右京)
    認知症によって正気を失った南井を抱擁しながら、右京が悲痛な面持ちで語りかけた言葉。
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