古畑任三郎vs市村正親|絶対音感殺人事件【あらすじ・ネタバレ解説・32話】

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絶対音感の洞察

古畑任三郎S3E6「絶対音感殺人事件」のあらすじとトリック解説です。指揮者の黒井川尚(市村正親さん)が犯人です。

あらすじ

指揮者の黒井川尚(くろいかわ・なお)は、愛人の滝川ルミ(たきがわ・るみ)の自宅マンションで別れを切り出され口論となり、誤って殺してしまいます。愛人殺害後、黒井川は殺人を転落死に偽装するため、自宅で撲殺した愛人の死体をマンションの階段に転がします。

雨の中、転んで転落したようにみえる滝川でしたが、古畑は、滝川がポケットに入れていた鍵を滝川以外の人物が入れた可能性があることや、滝川の自宅にある水槽のポンプが止まっていたことなどから、事故死に疑念を抱きます。
黒井川は、警察が殺人として捜査していることを知り、滝川の新しい恋人と思しき楽団員の石森に罪をなすりつけようとします。

登場人物(キャスト)

主な登場人物をまとめます。

名前 キャスト 説明
黒井川尚 市村正親 犯人
指揮者
滝川ルミ 街田しおん 被害者
楽団員
石森 橋本さとし 容疑者
楽団員
犯人

黒井川尚(くろいかわ・なお):甲陽フィルの指揮者。絶対音感をもっており、これがクラリネット奏者に濡れ衣を着せるという偽装工作のきっかけを作っている。結局、勘違いだったので、絶対音感は完全犯罪に貢献していない。むしろ、ポンプの音も含め、犯人のミスにつながってしまっている。

灰皿で殴って殺した死体を転落死にみせることができるかどうか、というのは、なかなか難しそうである。ここに難癖つけても(科捜研の人なら一発で見破るとか言っても)仕方がないのだが、何に頭を打ちつけたのかは揃えるべきだった。犯行に使われたのは灰皿だったので、転んで灰皿に頭を打って死んだという偽装である。マンションの階段に灰皿が転がっていたというのは不自然すぎるので、室内で転んだことにするしかない。さて、若い人が自宅のリビングで転んで死ぬことがあるだろうか。ちょっと無理がありそうなので、お風呂上りで体が濡れていたとか、水槽をひっくり返して床が濡れていたとか、そういったシチュエーションが必要そうである。しかしながら、たとえ転んでも、毛利小五郎(名探偵コナンの登場人物)みたいに、麻酔銃を撃たれて、いい感じに椅子座るが如く、足を滑らせて、いい感じに灰皿に頭を打ちつけないといけない……。やはり、突発的な殺人を完全犯罪に仕立て上げるのは、かなり難易度が高い気がする。

第3シーズン2話「忙しすぎる殺人者(真田広之さんがゲスト)」では、古畑が黒井川について“絶対音感を利用して殺人を犯した”と語っていた。殺人を犯したかというとちょっと違う気もするのだが、絶対音感を利用して無実の人間に罪をなすりつけようとしたのは間違いない。

最初のセリフ

子供の頃、何が怖かったかと言えば、薄暗い小学校の音楽室に飾ってあった作曲家の顔。あんな怖い物ありませんでした。バッハ、シューベルト、メンデルスゾーン、そしてベートーベン。中でも一番怖かったのは、ヘンデル。未だに音楽が苦手なのはあの肖像画のせいかもしれませんね。今の小学校にも飾ってあるんでしょうか?もしあったら先生、すぐに外して下さい。

指揮者が犯人ですので、音楽家の話題になっています。ヘンデルの曲が流れるということもありません。

トリック解説

黒井川は愛人である滝川の死を事故死に偽装します。演奏会に向かう途中、自宅マンションの階段で足を滑らせて亡くなったという筋書きです。
その後、愛人の話や、演奏の不備などから、楽団のクラリネット奏者が滝川の恋人であると合点し、滝川殺害の罪をなすりつけようとします。

事故死偽装

黒井川は、滝川が出勤時に自宅マンションの階段で足を滑らせて死んだようにみせます。

被害者が外出しようとしていたようにみせるため、死体にコートを着せ、コートのポケットに部屋の鍵を入れます。

罪のなすりつけ

黒井川は同じ楽団員に罪を着せようとします。罪を着せるため、楽団員のクラリネットを壊し、その一部を愛人の部屋に残します。

犯人のミス

古畑が偽装を見破るきっかけや、真相に気付くヒントです。

鍵の入れたポケット

愛人の滝川は部屋の鍵をコートの左ポケットに入っていました。愛人は右利きなので、右手で鍵を使うはずです。右手で鍵をかけたあとは、右のポケットに鍵を仕舞うはずです。左のポケットに鍵を入れるのは、不可能ではありませんが、不自然です。あえて左ポケットに鍵を入れた理由も特にないようです。
このちぐはぐな鍵の場所に古畑は疑問を抱き、検死を依頼します。

金魚の死

黒井川は絶対音感を持っているため、被害者の部屋にあった水槽のポンプの音が気になって仕方がありませんでした。愛人殺害後、集中するため、コンセントを抜いて、ポンプを止めています

終盤、スポットライトを浴びた古畑は、なぜ熱帯魚は死ななければならなかったのか、と問い掛けていきます。
答えは、絶対音感をもつ犯人だったからです。事件のあった日、滝川と会い、絶対音感を持つ人物は黒井川しかいません。

代役

事件の日はコンサートの予定がありました。黒井川は、愛人であり楽団員の滝川が死んでいることを知っていたため、すぐに欠員の代役を依頼します。

慰めの言葉

黒井川は愛人と石森が付き合っていると勘違いし、石森に慰めの言葉をかけます。
黒井川はふたりの関係を知らない、と証言しています。そのため、石森を慰めるというのは、おかしな言動です。

黒井川が被害者と石森の関係を勘違いしたのは、指の怪我が原因です。黒井川は被害者の家のワインオープナーで怪我をします。その後、石森の演奏を聞き、彼も同じ指を怪我していることに気付きます。同じ指を怪我しているということを根拠に、被害者と石森の関係を確信します。

石森との関係

石森は、確かに滝川の部屋を訪れていました。しかし、恋人関係だったわけではありません。

古畑の罠

古畑は、黒井川がどうやってふたりの関係を推測したのか確かめるため、石森の演奏を黒井川に聴かせ、指の怪我を推理させます。そして黒井川は、「確かに僕は彼(石森)がマンションに行っていたことを知っていた」と口を滑らせます。
マンションに行っていたことを知るためには、同じ怪我をしなければならず、黒井川は古畑の目の前で、怪我を認めたことになります。さらに、怪我ができたのは、滝川が死ぬ直前しかありませんでした。

ワインオープナー

黒井川と石森が怪我をしたワインオープナーは事件の日に石森が贈ったものでした。つまり、被害者の部屋のワインオープナーで怪我ができたのは、石森が被害者の自宅を訪れた後しかあり得ませんでした。
犯人の黒井川が石森と被害者の関係を勘違いしたのは、黒井川自身がワインオープナーで怪我をしたからであり、怪我ができて、なおかつ、勘違いもできたのは、被害者が死ぬ直前しかなかったはずです。

結末

古畑の罠によって黒井川は、事件の直前に愛人のマンションにいたという内容を証言してしまい、逮捕されます。

カトチャンペ

感想

絶対音感を持つ犯人が、常人離れした推理(直感かもしれません)で、滝川と石森の関係を見抜きます。絶対音感を持つ犯人という設定がユニークです。

犯人はクラリネット奏者の楽器をこっそり盗み、それを叩き壊して、凶器に仕立て上げました。殺人という背景はさておき、犯人にとっては“クラリネット壊しちゃった”です(罪をなすりつけられることになったクラリネット奏者にとっては“クラリネット壊れちゃった”でした)。管楽器の中でフルートが選ばれたのは、あの曲を連想させるためかもしれません。

この記事のまとめ

古畑任三郎の絶対音感殺人事件について、あらすじやトリックをご紹介しました。

項目 内容
殺人の計画性 なし
偽装工作 事故死に偽装
ミス 金魚の死
動機 痴情のもつれ
凶器 (突き飛ばし)
トリック
古畑の罠 ある人物の演奏

番組情報

項目 内容
脚本 三谷幸喜
監督 関口静夫
演出 佐藤祐市
長さ 46分
放送 1996年
5月18日(火)
視聴率 24.6%
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