古畑任三郎vsイチロー|フェアな殺人者【あらすじ・ネタバレ解説・39話】

古畑任三郎ファイナル2・第39話『フェアな殺人者』のあらすじとトリック解説です。このエピソードではイチロー(イチローさんとして出演)が犯人です。

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あらすじ

古畑任三郎の元部下で、現在はホテルの警備員となっている向島音吉(小林隆)は、フリーライターの郡山繁(今井朋彦)に恐喝されていました。警察官の給料だけでは払いきれないほどの金額を要求された向島は、郡山を殺害して自殺することを決意します。しかし、それを知った腹違いの弟でメジャーリーガーのイチロー(本人役)が、兄の代わりに郡山の殺害を決意します。

イチローは、「フェアな方法」として、毒薬入りのカプセルと蜂蜜入りのカプセルを用意し、郡山と互いにどちらかを飲むという方法で郡山を毒殺します。
死体発見後、古畑は湿ったマッチを手掛かりにイチローと接触。古畑は郡山が購入しイチローにサインを書かせたボールの行方など、イチローほどの身体能力がなければ不可能と思われる行動を状況証拠とし、イチローを疑います。そして、決定的な証拠をつかむため、古畑は向島を逮捕したふりをしてイチローを逆上させ、罠にかけます。

最初のセリフ

今回の犯人は常にフェアプレイを好むスポーツマンです。人を殺したという以外は実に公明正大な人物です。そして、アメリカ大リーグで活躍する、ある日本人野球選手と全く同じ名前で、顔もそっくりです。しかし、別人です。お間違えのないように…

イチローさんがイチローとして登場しますが、イチローではないということのようです。

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登場人物とキャスト

主な登場人物をまとめます。

名前 キャスト 説明
イチロー イチロー 犯人
野球選手
郡山繁 今井朋彦 被害者
フリーライター
向島音吉 小林隆 警備員
イチローの弟
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犯人

イチロー:メジャーリーガー。実は向島君の異母兄弟だった。兄・向島を救うため、ゆすり屋の郡山(こおりやま)を始末するが、あえて証拠を残し警察にフェアプレイを仕掛ける。被害者に対してもフェアプレイ精神を発揮し、自分が死ぬかもしれない状況をあえて作り出している。カプセルをふたつ用意し、一方には毒が入っているが、もう一方には入っていない。被害者は50%の確立で命は助かるわけだが、もし助かったとしても、イチロー殺害の容疑者になってしまいそう。「イチローが俺にロシアンルーレットを仕掛けたんです!」と主張しても、なかなか信じてもらえそうにはないので、生き延びたとしても、郡山の前途は多難である。そしてそして、本当にフェアだったのか?という疑問も浮かんでしまう。もしかすると、どっちに転んでも、最後に笑うのはイチローだったような気が…。もっとも、一番笑っていそうなのは向島君だが、そんな腹黒そうな性格ではなさそうでもある

余談だが、フェアかどうかというのはミステリーでよく登場する話題である。ミステリーは作者もしくは制作者と、読者あるいは視聴者との間で繰り広げられる推理ゲームであると言われ、互いに平等な立場だったかという意味でフェアかどうかが問われたりする。出題者と回答者が平等なんて、情報の非対称性がそもそも成立しないような気もするわけで、実際にフェアなことはまずない。
なお、イチローが用いた毒殺方法はシャーロック・ホームズが登場する『緋色の研究』で、まったく同じ手口が使われている。イチローはもしかすると、『緋色の研究』を読んでいたのかもしれない(脚本家の三谷幸喜さんは絶対に読んでいると思います)。

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トリック解説

フェアプレイを好むイチローは小細工を嫌い、トリックを使いませんでした。ただし、異母兄である向島のアリバイを作るため、あらかじめ用意していたサイン色紙を使って、嘘の証言しています。

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古畑の罠

古畑は殺人現場に残されていたイチローのサインボールが、向島によって書かれたものだと嘘をつきます。この時、古畑はボールという単語を口にしていません。にもかかわらずイチローはボールを手にし「俺が書いた」と声を荒らげます。
サインボールが現場に残されていたことは犯人しか知り得ない情報なので、イチローはほぼ自白したといえます。さらに、サインボールは郡山が殺害される直前に購入していたことが決定的な証拠となり、イチローは逮捕されます。

ドラマ終盤、スポットライトを浴びた古畑は、自分がイチローを疑い始めたのはいつどの段階か、と疑問を投げかけます。
答えは、古畑とイチローが、事件後、トレーニングルームで会ったときです。駐車場と聞いて地下駐車場(禁煙)を連想したイチローに、古畑は疑念を抱きます。

余談ですが、この犯人を自白させる方法は刑事コロンボの第23話『愛情の計算』と第27話『逆転の構図』でも使われています。『愛情の計算』では逮捕したふりをするという罠が登場します。また、第27話『逆転の構図』ではたくさんのカメラがある中で、犯行の一部に使われたカメラを犯人が手に取ってしまうというシーンが登場します。これはサインボールを手にしてしまったイチローと似ています。

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感想

ロシアンルーレットで毒を飲ませる、サインボールの罠などが面白く、さらに、向島がイチローの兄(腹違い)だったというのも驚きです。最終的には、犯人を怒らせて冷静さを失わせ、罠にはめる、という流れが使われています。向島は、何度か作品に登場し、東国原(ひがしくにばる)に苗字が変わったりします。「君、名前何だっけ」のくだりが印象的で、笑えます。

メジャーリーガーのイチロー本人が犯人役として出演するという異例のキャスティングで大きな話題となったエピソードです。脚本家の三谷幸喜さんが、イチローさんが「古畑任三郎」シリーズのファンであると聞き、ダメ元でオファーしたところ、快諾を得て実現したとのことです。イチローさんは「フェアであること」「嘘をつかないこと」「直接的な殺害方法をとらないこと」という三つのルールを提案したといわれており、これが採用され、ドラマの展開に大きな影響を与えています。嘘が登場しませんので、古畑の揺さぶりに対する言い訳や詭弁が登場しにくくなっており、古畑シリーズでお馴染みのパターンが控えめになっています。しかし、それがまた新鮮だと思えたりもします。

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この記事のまとめ

古畑任三郎FINAL『フェアな殺人者』について、あらすじやトリックをご紹介しました。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 なし
ミス なし
動機 ゆすりを受ける弟
凶器
トリック サイン色紙
古畑の罠 犯人しか知らない証拠
項目 内容
脚本 三谷幸喜
監督 関口静夫
栁川由紀
演出 河野圭太
長さ 90分
放送 2006年
1月4日(水)
視聴率 27%
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