古畑任三郎S2E3「ゲームの達人」のあらすじとトリック解説です。医師の乾研一郎(草刈正雄さん)が犯人です。

あらすじ
推理作家の花見禄助のかかりつけ医である乾研一郎は、花見の妻である花見常子と不倫をしていました。乾は不倫が花見にばれそうになったため、花見とその妻の常子を、心中にみせかけて殺害します。
乾は花見を狂言自殺に誘い、花見に死体のふりをさせます。死体のふりをする花見を家政婦に目撃させ、その後、花見を本当に殺し、妻も殺害します。
古畑はページの角が折られた本などから、花見の自殺に疑問を抱き乾を疑います。そして、停電と遺書のサインから家政婦が目撃した花見はまだ死んでいなかったということを証明し、乾を追い詰めます。
登場人物(キャスト)
主な登場人物をまとめます。
| 名前 | キャスト | 説明 |
|---|---|---|
| 乾研一郎 | 草刈正雄 | 犯人 医師 |
| 花見禄助 | 藤村俊二 | 被害者 推理作家 |
| 花見常子 | 一色采子 | 被害者 妻 |
犯人
乾研一郎(いぬい・けんいちろう):医師。患者の妻との浮気がバレてしまったので、心中にみせかけてどちらも殺すという…。
推理作家であり患者の花見禄助(はなみ・ろくすけ)だけを殺せばよかったようにも思えるのだが、妻の常子(つねこ)もついでに殺している。妻も殺した理由は、浮気を知る人物の抹殺なら興信所の人間も殺さないといけないので、口封じとか、推理作家の自殺から妻の浮気を察せられないようにするためとかではなさそうである。実際、浮気相手は自分だと正直に話しているし。その答えは、そもそも狙っていたのは妻の方だったというものである。推理作家の方がついでだった。
仕掛けたトリックは被害者を自殺ドッキリの協力者にして、本当に殺すというものだった。犯人がわかっていて、さらにトリックも明確なので、そこまで感じないが一応密室トリックである。目撃者(家政婦)の立場になってみるとわかりやすい。誰も出入りできないはずの書斎で旦那様(花見禄助)が死んでいたので自殺に違いないが、ちょっと調べてみると、他殺を匂わせる証拠が出てきて、密室殺人になる感じである。登場人物が少ないので、乾以外に犯人はいないと思えてしまうが、倒叙でなければ、ゲストとか、家政婦2号とかが現れて、犯人当ての要素が強くなるはず。
肝心の密室トリックは密室状態だったとき被害者は生きていたというものである。密室だったっていう記述、嘘じゃね?と突っ込んではいけない。
最初のセリフ
名探偵。皆さん名探偵といえば誰を想像しますか?シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、エラリー・クイーン。日本にも様々な探偵がいます。日本の名探偵に共通する特徴、何だかご存じですか?実はみんな名字は洒落てんですけど名前がどうも田舎臭いんですね。例えば、明智……、小五郎。金田一……、耕助。そして、古畑……、任三郎。
事件とはあまり関係ないお話です。たしかに名前は田舎臭いのかもしれません(ハッキリと言い切れないのは、コゴロウさんやコウスケさんが実在しうるからです…)。
トリック解説
乾は花見とその妻の死を心中に偽装します。
心中に偽装するため、乾は花見を狂言自殺に誘います。
妻の不倫を興信所に調べさせていた花見は、乾に「妻の愛を確かめよう」などといわれ、狂言自殺の誘いを受け入れます。妻の不倫相手は乾ですが、このことを花見は知りません。
- 電話と爆竹
花見は狂言自殺のため、家政婦に内線で自殺をほのめかすような内容を話します。電話を受けた家政婦が花見の書斎を訪れたところで、花見が爆竹を破裂させます。書斎の外にいる家政婦には銃声のように聞こえます。これにより、家政婦は花見の自殺した時刻を誤認することになります - 密室と死んだふり
花見が爆竹を鳴らした時、書斎は鍵がかかった状態でした。家政婦は部屋に入れないのでマスターキーを取りに行きます。
このとき乾は花見に死体のふりをさせます。本当に死んでいるようにみせるため、血のようなものを顔につけさせます。マスターキーで書斎の鍵をあけた家政婦は花見の死体(正確には死んだふりをしている花見)を目撃することになります
室内には誰もおらず、書斎は施錠されていたので、完全な密室となります。花見は自殺したとしか考えられません - 遺書の捏造
自殺にみせるため、犯人の乾は花見に遺書を用意させています
犯人の乾は家政婦に死体のふりをする花見を目撃させた後、花見とふたりきりになり、本当に殺します。
なお、通いの家政婦を家に留まらせて目撃者にするため、夜食を用意させています。
- 消炎反応
花見から消炎反応がでるようにするため、乾は死んだ花見に拳銃を持たせ発砲します - 妻の殺害
花見殺害と同じピストルで、花見の妻も殺します
犯人のミス・伏線
古畑が心中偽装を疑い、真相に気付く手がかりです。
- 額を撃ち抜いた跡
花見が死体のふりをした時、何故か、額に傷跡をつけていました。自殺するのであれば、普通、こめかみのはずです。ありえない状況ではありませんが、やはり、なぜ額なのかという疑問が生じます - 新刊
被害者の書斎には新刊の推理小説がありました。自殺する人間が新刊を購入するのはおかしいですが、この本は贈呈されたもののようです。
ただし、本には折り目(ドッグイヤー)があり、途中まで読んだような痕跡がありました。死ぬのに、読書を再開できるようにしておくというのは不自然です - 遺書のサイン
花見が用意した遺書はワープロの文章を印刷したものでした。
家政婦に死体のふりをする花見を目撃させた後、乾は遺書に直筆のサインがないことに気付き、花見にサインを書かせます - 家政婦との仲
被害者は犯人の指示で、死んだふりの前に家政婦に電話しています。家政婦は働き始めて間もないので、そこまで親しいわけではありませんでした - 遺書に残ったサインの跡
花見がサインしたはずの遺書に、サインはありませんでした。しかし、遺書をよく見ると、サインをしたような跡が残っていました - インクの出ないペン
花見はインクが出なくなったペンを残しておく癖がありました。このことから古畑は花見がインクの出ないペンでサインをしたと推理します - 停電
死んだふりを目撃した直後、犯人の乾は家政婦にお湯を準備させています。これがきっかけで、自宅が停電することになります。花見はこの停電の時に、サインをすることになります - サインと停電
停電の際にインクのないペンで花見がサインしたため、遺書にはサインの跡しか残っていませんでした。このことから、停電が起きた時に花見は生きていたということが明らかになります
感想
ゲームの達人ということで、完全犯罪に近い犯人のひとりだったような気がします。
狂言殺人などに誘われたら、相手の殺意を疑わないといけないですね。
この記事のまとめ
古畑任三郎のゲームの達人について、あらすじやトリックなどをご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 殺人の計画性 | あり |
| 偽装工作 | 心中を偽装 |
| ミス | 遺書のサインと停電 |
| 動機 | 不倫 |
| 凶器 | 拳銃 |
| トリック | 狂言自殺で本当に殺す |
| 古畑の罠 | ― |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 脚本 | 三谷幸喜 |
| 監督 | 関口静夫 |
| 演出 | 河野圭太 |
| 長さ | 46分 |
| 放送 | 1996年 2月7日(水) |

