刑事コロンボS2E7・第16話『断たれた音(The Most Dangerous Match)』のあらすじとトリック解説です。補聴器をつけたチェスプレイヤーが犯人です。
あらすじ
チェス王者のエメット・クレイトンは病気で引退していた元世界チャンピオンのトムリン・デューディックとの対戦を控えていました。クレイトンは対局の前夜に、密かにレストランでデューディックと手合わせしますが、結果はクレイトンの惨敗に終わります。
デューディックに敗れることを恐れたクレイトンは、デューディックを巧みに誘い出して、ゴミ処理機に突き落とします。そして、試合前に怖気づいたデューディックが逃げようとして誤って落下したようにみせます。
デューディックの死を確信するクレイトンでしたが、ゴミ処理機に落ちたデューディックは重症を負いながらも、一命を取り留めていました。
クレイトンによる殺人を疑うコロンボは真相を確かめるため、デューディックの回復を待ちます。しかし、デューディックはクレイトンに普段飲んでいる薬をすり替えられ、死んでしまいます。
被害者の証言を失ったコロンボでしたが、『ゴミ処理機に落ちたデューディックが死ななかったのは何故か?』という観点から、犯人は耳が聞こえなかったということに気付きます。これを根拠にクレイトンを問い詰めます。

©Universal City Studios
登場人物とキャスト
-
コロンボ警部(
ピーター・フォーク
)
ロサンゼルス市警の警部 -
【犯人】エメット・クレイトン(
ローレンス・ハーヴェイ
)
チェスの世界チャンピョン。耳が不自由なため、補聴器を装着している。補聴器がなくても読唇術で相手の言葉がわかる。驚異的な記憶力を持つ -
【被害者】トムリン・デューディック(
ジャック・クリューシェン
)
元チェス世界チャンピオン。病気で引退していたが、リンダの依頼で復帰戦に応じる。チェスの腕前は健在。糖尿病を患っている -
リンダ・ロビンソン(
ハイディ・ブリュール[eng]
)
クレイトンの元婚約者。クレイトンを失墜させるため、デューディックとの対局を実現させる - マズール・ベロスキー(ロイド・ボクナー)
デューディックの側近。健康やスケジュールを管理している - ドクター・ベンソン(マイケル・フォックス)
コロンボの愛犬「ドッグ」の主治医。獣医(事件には関係なし) - ダグラス刑事(ポール・ジェンキンズ)
コロンボ警部の補佐をする刑事
トリック解説
クレイトンは最初の殺人(結果的には殺人未遂)を失踪に偽装します。2回目はチェスプレイヤーのもつ記憶力を駆使します。
クレイトンが用意したのは、元チェス王者のデューディックが、クレイトンとの試合で負けることを恐れ逃げ出したというシナリオです。
糖尿病のデューディックは外出して密かに体に悪そうな食事をとっていました。このため、デューディックはこそこそと隠れるように行動しており、ホテルの裏口からゴミ処理室を抜けてホテルへ入っていました。これが『逃げ出した』という犯人のシナリオに利用されます。
- 置手紙
クレイトンは被害者となるデューディックに、元恋人に謝罪の手紙を送りたいといって、失踪を匂わせるような文章を書かせます - 荷物
失踪をそれらしくするため、荷物も用意します。移動用のタクシーも予め手配しています
犯人のミス
コロンボが偽装に気付くヒントです。事件解決の糸口と言えます。
ちぐはぐな証拠
元チェス王者のデューディックはクレイトンよりも強く、それは周知の事実でした。そのため、そもそも敵前逃亡というのが、関係者にとって信じがたい行動でした。
クレイトンが用意した失踪用荷物には、デューディックが用意したにしてはおかしな点がありました。
- 入れ歯用歯ブラシ
デューディックは入れ歯でした。しかし、荷物に入っていた歯ブラシは入れ歯用の歯ブラシではありませんでした。 - 愛用の駒
荷物には、デューディックが愛用する駒が入っていませんでした。チェスの王者が愛用の駒も持たずに失踪するという状況に、コロンボは違和感を抱きます。
クレイトンは被害者にメモ用紙を渡し、失踪をほのめかす文章を書かせます。このメモを被害者の部屋に置きますが、部屋にはメモ帳がありませんでした。代わりにあったは便箋でした。つまり、わざわざメモ用紙を準備したということになります。また、メモに使われたペンのインクがクレイトンのペンのものと一致しています。
決定的な証拠
ゴミ処理機に突き落としたにもかかわらず、被害者は死んでいませんでした。被害者が生きていたことだけではなく、それに気づかなかったことが決定的なミスとなります。
レストランの試合で敗れたクレイトンはイラついて補聴器を壊しています。この直後に犯行に及んだため、音が聞こえない状態でした。ミスの原因は精神的に不安定だったことともいえますし、そもそもチェスに敗れたことが原因ともいえます。
試合の痕跡
- エスカルゴ料理のニンニクの臭い
デューディックはレストランでエスカルゴを食べています。このときのニンニクの臭いがシャツに残っていました。これが外出して食事したという証拠になっています - 店員の証言
レストランの店員がクレイトンとデューディックのことを憶えていました。コロンボはクレイトンをレストランへ連れていき、店員に面通しをしています。ただし、どちらが勝ったかまではわかっていないようでした - 塩とコショウの瓶
レストランで行なわれた即席チェスでは、デューディックが塩の瓶(白)、クレイトンがコショウの瓶(黒)でした。一般的に、チェスでは白が先手、黒が後手です - 試合の記録
デューディックは試合の記録をメモしていました。レストランの試合についても書いていたようですが、『白が勝った』ということしか書かれておらず、白がクレイトンなのかデューディックなのかまでは記載がありませんでした - 地下のゴミ粉砕機:
- クレイトンの驚異的な記憶力: コロンボがクレイトンに初めて会った時の会話をクレイトンが完 璧に覚えていることで、彼の並外れた記憶力が示される。この記憶力は、リンダが持っていたデューディックの常備薬リストを一度見ただけで暗記し、薬をすり替える犯行に利用される。
ゴミ処理機の音
ゴミ処理機は、異物が落ちるとすぐに停止する仕組みになっていました。この仕組みによって、ゴミ処理機に落ちた被害者は重症ですみました。
停止したかどうかは、音ですぐにわかりますが、補聴器が故障していたクレイトンはゴミ処理機の停止に気付きませんでした。
感想
ストーリーは大きく異なりますが、古畑任三郎「汚れた王将」には棋士が犯人として登場していました。古畑には囲碁の棋士も犯人として登場していました。
- ポジティブ感想
- コロンボと頭脳明晰な犯人の緊迫感あるやり取りや細かな伏線回収が高評価!
- 被害者デューディックの優しい人柄が印象的
- コロンボの愛犬の再登場が嬉しい
- 愛犬の容態をデューディックの容態と勘違いさせるシーンが好き
- ネガティブ感想
- 犯人のクレイトンが終始嫌な人物にみえる
- チェスで負けるかもしれないから犯行に及んだというのは理解しがたい
口コミ分析
海外サイトの口コミには、game、hearing、Russianなどが書き込まれています。
国内の口コミとしてはローレンス・ハーヴェイ(犯人を演じた俳優)の演技などが書き込まれています。
小ネタ
- ローレンス・ハーヴェイ
犯人役のローレンス・ハーヴェイは、このエピソードの撮影時、末期の胃がんでした。そして、本作が遺作となっています - ロケ地(セット)
デューディックが運び込まれた病院は15話「溶ける糸」と同じセットが使われています
この記事のまとめ
刑事コロンボ「断たれた音」について、あらすじやトリックをご紹介しました。原題は「The Most Dangerous Match(最も危険な対戦)」ですので、邦題とは異なります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 殺人の計画性 | あり |
| 偽装工作 | 事故死を偽装 |
| ミス | 被害者の生死 |
| 動機 | チェス王者の名声 |
| 凶器 | (ゴミ処理機) |
| トリック | 被害者に手紙を書かせる |
| コロンボの罠 | ゴミ処理機の音 |
ここでまとめている内容は最初の殺人に関する内容です。

