複数の時計・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ65】

名探偵ポワロ第65話・S12E4『複数の時計(The Clocks)』のあらすじ、ネタバレ解説です。機雷の配置図という国家機密がスパイに盗まれ、その配置図が隠されていると思しきクレセント通りで殺人事件が発覚します。

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あらすじ

フィオナ・ハンブリーは敵のスパイを発見し、その後を追う。しかし、車にはねられて、スパイと共に死亡してしまう……。

オリヴァ夫人脚本の芝居をみていたポワロは幕間にコリン・レースという青年に会います。コリンは、シーラ・ウェブという秘書派遣の女性が巻き込まれた事件を話し、さらに、自身がMI6の諜報員であることも明かします。コリンは、先の自動車事故で死亡したフィオナの同僚で、恋人でもありました。スパイの女性を追ってひかれてしまったフィオナは、国家機密の配置図を盗み出したアナベル・ラーキンを追っていました。ラーキンも事故で死んでしまいましたが、盗み出した配置図はどこかに隠したようで、コリンはその行方を追っていました。

フィオナが残した☾M61というメモを頼りにコリンは、ウィルブラハム・クレセント通りで配置図を探していました。ちょうどそのとき、シーラがクレセント通り19番地の家で、身元不明の死体を発見し、近くにいたコリンが通報します。

シーラもコリンも、そして、家の持ち主であるヘプマーシュも被害者と面識はなく、なぜか現場には、4時13分をさした時計が4つ置いてありました。

子供に変な名前と言われるポワロ

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
「ポワロ?変な名前…(クスクス)」/“That’s not a name, it’s a noise(それは名前ではない、ノイズだ)”

登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。オリヴァ夫人の名前だけ登場します。

  • コリン・レース
    依頼人の青年。海軍大尉でイギリスの情報機関MI6に所属する諜報員。
  • フィオナ・ハンブリー
    コリンの同僚で恋人。スパイを追って車にひかれて死亡する。
  • アナベル・ラーキン
    敵国ドイツのスパイ。フィオナに追われる。フィオナと共に車にひかれ死亡する。
  • シーラ・ウェブ
    死体の第一発見者。人材派遣会社の社員。
  • ノラ・ブレント
    シーラの同僚。ヒールが壊れた女性。審問で嘘をついた人物がいると話すが、殺されてしまう。
  • キャシー・マーティンデール
    派遣会社の所長。小説の清書をしている。
  • ミリセント・ペブマーシュ
    19番地。死体がみつかった家の主。写真館に勤めている。戦争で盲目となる。
  • ヘミングス
    20番地。猫おばさん。
  • マシュー・ウォーターハウス
    18番地の紳士。猫の糞に困っている。
  • レイチェル・ウォーターハウス
    マシューの妹。
  • クリストファー・マバット
    62番地。傲慢な雰囲気の男性。娘が二人いる。
  • ジェニー・マバット
    クリストファーの娘。
  • メイ・マバット
    クリストファーの娘。
  • ジョー・ブランド
    61番地。遺産が入ったため仕事をやめている。
  • バレリー・ブランド
    ジョーの妻。カナダ出身で、姉を頼って渡英した。
  • マリーナ・ライバル
    被害者の妻。

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。

役名 役者名
Sheila Webb
シーラ
Jaime Winstone
Lt. Colin Race
コリン
Tom Burke
Miss Martindale
マーティンデール
Lesley Sharp
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事件のまとめ・謎

被害者の身元が判明しません。被害者の妻が登場しますが、クレセント通りの住民との関係などは明らかにならず、結局、どういった人物なのかわからずじまいです。
また、配置図盗難と殺人の関係も不明です。ただし、スパイを追っていたMI6の諜報員がメモを残していたため、クレセント通りに配置図があるのは確かです。繰り返しになりますが、盗まれたのは機雷の配置図です。盗んだのはドイツのスパイだったようです。

被害者の死体は午後3時頃に、19番地、ミリセント・ペブマーシュの家でみつかりました。ナイフで刺されて死んでいたようです。
第一発見者はシーラ・ウェブで、彼女は派遣の仕事のために、ペブマーシュ宅を訪れていました。死体はソファの後ろにあったため、すぐには気付かなかったようです。検死の結果、被害者は昼食をとっておらず、さらに、薬で眠らされていたことが判明します。

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伏線・手掛かり

殺人と盗難の真相を見抜く手掛かりです。

証拠

死体発見は午後3時頃でしたが、現場には、4時13分をさした4つの時計が置かれていました。いずれもペブマーシュのものではなく、誰かが家に持ち込んだようです。このうち一つはローズマリーの可愛らしい時計で、この時計が、事件発覚後に紛失します。

  • メモ
    配置図を示すメモには☾M61と書かれていました。三日月はクレセントと読めるため、クレセント通りMの61が、指し示す場所のようです。61番地は遺産を相続してウハウハのブランド夫妻が暮らしていますが、Mの意味はわかりません。クレセント通りにはマバットという男性が住んでいますが、番地は62となっており、メモの内容とは微妙に一致しません。
  • 脅迫状
    シーラが脅迫状を受け取り、そこには“4:13を忘れるな”と書かれていました。/li>

  • マバット宅で娘達が、傘と筒をみつけています。傘は亡くなった英国諜報員のもののようです(みつかった筒はスパイが配置図を入れたものですが、ポワロ達はこのことを知らないはずです)。

証言

事件発覚後、死体がみつかったペブマーシュ宅の両隣、および、向かいの家の住民が事情聴取を受けています。しかし、不審な物音を耳にした人物はおらず、有力な情報は得られません。どうやら、住民達に交流はなく、むしろ憎み合っているようでした。

ペブマーシュは時間に正確な女性で、仕事のため、決まった時間に外出していました。このことは他の住民も承知しており、誰もが、ヘプマーシュ宅が留守であることを知っていたようです。

  • 嘘つき
    ヒールが壊れて騒いでいたノラ・ブレントという女性が、審問で嘘をついた人物に気付き、警察に伝えようとします。しかし、誰が嘘をついたのかということを語ることなく殺されてしまいます。
  • シーラの情報
    ジョー・ブランドがホテルで被害者と一緒だったシーラを目撃したようです。シーラはホテルで客と会っており、のちに、その客とふしだらな関係に陥っていたことも、所長によって証言されます。
  • 被害者の妻
    マリーナ・ライバルという女性が被害者の妻として名乗り出ます。結婚していたのはだいぶ前のようです。被害者の耳の裏の傷で身元を確かめているようですが、傷がついたのは最近であることが判明します。
  • 猫おばさん
    猫を飼っているヘミングスが、マバットとペプマーシの会話を耳にしています。二人は大勢集まる、すぐに実行して下さい、などのやりとりをしていたようです。ヘミングスは水曜日に洗濯屋の車をみたということも話しています。通常、洗濯屋がくるのは火曜日のようですので、犯人が洗濯屋に成りすましていたということがわかります。

重要人物

シーラのバッグから紛失したローズマリーの時計がみつかり、さらに、凶器と思しきナイフもみつかります。さらに、ブランドや所長の証言なども証拠となり、シーラは捕まります。

シーラはパーティ教授とホテルの413号室で会っていました。時計の4:13は、部屋番号を意味しており、シーラの秘密を暗示していました。
ローズマリーの時計は、もともとシーラのもので、現場から盗んだのもシーラでした。シラーの本名はローズマリー・シーラ・ウェブ(R.S.ウェブ)で、シーラというのはミドルネームでした。

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ネタバレ

犯人はキャシー・マーティンデールとブランド夫妻です。三人は遺産を自分達のものにするために、被害者を殺害し、シーラ・ウェブに罪をなすりつけようとしていました。

被害者はジョー・ブランドの先妻のおじでした。
ジョーは先妻が亡くなったことで遺産を手に入れていましたが、先妻の親戚には連絡せず、遺産を独り占めしていました。しかし、そこに先妻を訪ねておじがイギリスへとやってきます。焦ったジョーは、そのおじを眠らせてペブマーシュの自宅へ移動し、そこでおじを刺し殺します。

ジョーの妻であるバレリー・ブランドはもちろん、所長のキャシー・マーティンデールも共犯です。実はバレリーとキャシーは姉妹でした。そして、被害者の妻を名乗った女性も共犯者です。なお、バレリーの友人だったこの女性は犯人達によって殺害されています。

現場に置かれた時計などのトリックはマーティンデール所長のアイデアで、多くは、清書した小説に登場したトリックを参考にしていました。
なお、シーラのカバンから凶器のナイフがみつかったのは、審問の後、シーラに近づいたバレリーが、こっそりカバンに忍ばせたためです。シーラの所有物であるローズマリーの時計は所長が盗み出したものです。

審問で嘘をついたのはマーティンデール所長です。所長は、ペブマーシュから依頼の電話があったと証言していましたが、これは嘘でした。電話ボックスで殺されたノラ・ブレントは、ヒールが壊れたため早々に事務所へと戻り、電話がなかったことを知っていました。

盗難事件の犯人

配置図を盗んだスパイはペブマーシュとクリストファー・マバットです。☾M61は、上下逆で、ほんとうは19W☽でした。これは19番地ウィルブラハム・クレセントの略であり、つまり、ペプマーシュの自宅住所を意味していました。

動機としてマバットはドイツとの戦争を避けるため、というようなことを語っています。戦争で子供達を失ったペブマーシュは二度と同じことを繰り返させないという想いがあったようです。

マシュー・ウォーターハウスとレイチェルはユダヤ人でした。迫害を避けるために、各地を転々としているようです。
ポワロは、センテンスに“も”が加わることから、二人がドイツ人であることに気付いていました。

英語では、文末にalsoが加わる癖となっています。

結末

マバットは機雷の配置図を国外へと持ち出そうとしますが、スパイに気付いたコリン・レースが出掛けようとするマバット制止し、彼のカバンから配置図を見つけ出します。

ポワロによって殺人の真犯人達も告発され、シーラは無実の罪を逃れます。ふしだらな関係にあったと言われていたシーラですが、実は、相手の男性とは真剣に付き合っていました。そんな彼女は、コリン・レースとの関係を深める様子です。

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感想

原作とドラマでトリックや結末などに大きな違いはありません。ただ、ドラマには登場人物の省略や設定の変更があり、機密文書の背景も変わっています。
カナダ人の身元はわからない、みたいな内容がさらりとでてきますが、これはカナダ人あるあるなのでしょうか。もしかしたら深い歴史的背景が隠れているのかもしれませんが、さも当然のようにポワロが語ったので、ちょっと笑えました。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「複数の時計」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼 盗難の調査
事件分類 殺人及び盗難
殺人と盗難の関係
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