お館様の殺人
古畑任三郎S3E3「古畑、風邪をひく(灰色の村)」のあらすじとトリック解説です。雛美村の村長である荒木嘉右衛門(松村達雄さん)が犯人です。

あらすじ
雛美(ひなみ)村の村長や村人達は地酒をデパートで取り扱ってもらうため、日下部薫子(くさかべ・かおるこ)という女に1500万円を渡します。しかし、日下部はデパートの平社員で近々解雇されることが発覚し、さらに、金をだまし取ろうとしていたことも明らかになります。日下部が詐欺師だったことに気付いた村人達は日下部を問い詰めますが、日下部は開き直ります。
その様子に激昂した村長の荒木嘉右衛門(あらき・かえもん)は、日下部を日本刀で斬殺してしまいます。
殺人を犯してしまった村長をかばうため、村人達は日下部が村に来ていないようにみせようとします。ところが日下部は、死ぬ直前に、たまたま村にきていた今泉とデートをしていました。
登場人物(キャスト)
主な登場人物をまとめます。
| 名前 | キャスト | 説明 |
|---|---|---|
| 荒木嘉右衛門 | 松村達雄 | 犯人 村長 |
| 鵜飼 | 岡八郎 | 被害者 助役 |
| 日下部薫子 | あめくみちこ | 被害者 会社員 |
犯人
荒木嘉右衛門(あらき・かえもん):雛美村の村長。村民からは“おやかた様”と呼ばれている。
詐欺に引っ掛かったので詐欺師を問い詰めたところ、開き直ったため、殺害してしまう。死体を池に埋めて殺人を隠蔽するだけではなく、そもそも被害者が村にはいなかったことにしようとする。ところが、運悪く、刑事の今泉君が騒ぎ出してしまう。突発的な犯行なので計画性がなく、今泉対策は後手後手なのだが、それが面白かったりもする。
村人全員が共犯者となって、おやかた様を守ろうとするわけだが、さっさと誰かが犠牲になって捕まれば、ことはスムーズに進んだかもしれない。村にふらっとやって来た被害者がすべって転んで池に沈んだ、ただし刀で斬られているというのは、どんなにポンコツな刑事でも事故死とは判断しなさそう。やはり、刀傷があるので、事故死や自然死にみせるのは不可能に思える。
被害者を消す以外に、今泉君を犯人に仕立て上げるという策も思い浮かぶわけで、今泉君ならたぶんいけるだろうし、西園寺君も三人寄ればなんたらで、なんとかなったかもしれない。ラッキーなことに、古畑さんは風邪をひいているという。
人を消す、すなわち神隠しを演出するか、もしくは、刑事に罪をなすりつけるか、という二択であるならば“刑事に無実の罪”の方が現実的な気はする。それよりもやっぱり、誰かが犠牲になったほうが楽であるし、成功率も高そうである。
ドラマでは最終的に、助役が身代わりとなって自供している。おやかた様の殺人という一大事が起きて、冷静な判断ができず、被害者を抹消できると思ってしまったのかもしれない。そして、事前に今泉君がいると知っていたら、きっと、違った方針を立てていたのだろう。
最初のセリフ
今年の風邪はたちが悪いってよく言います。去年も一昨年もそんなこと言ってました。風邪は年々たちが悪くなっているようです。みなさん、お身体は大切に
古畑が風邪をひくので、風邪の話題になっています。特に事件には関係してきません。
トリック解説
村人は全員で被害者の存在を隠します。
死体隠蔽
死体は村の近くの湖に隠します。そして、被害者が村に来たという痕跡も全て消します。
村人の証言
被害者の日下部は、資料館、バー、宿のピンポン台、などで村人と遭遇しています。全員が、日下部はいなかったと証言します。
資料館の名前
資料館に入る際、被害者は名簿に名前を書いていました。これは、そのページだけ破いて処分します。
犯人のミス
日下部は死ぬ直前に、たまたま村に滞在していた今泉と会っています。日下部と今泉は資料館で知り合い、その後、ピンポンをしたり、バーで飲んだりしていました。村人達は、日下部の存在を主張する刑事が現れたため、嘘を重ねることになります。
ピンポンの成績
宿の黒板には、今泉と日下部のピンポンの成績が残っていました。これは、ばれずに消すことができています。
名簿を切り取った後
資料館の名簿に残った日下部の名前を隠すため、ページを破いたため、名簿には、破った跡が残っていました。
日下部の爪
ピンポンをした際に、日下部の爪が割れてしまったため、今泉は爪切りを貸しています。この時、切った日下部の爪が、爪切りの中に残っていました。
日下部の偽物
打開策として用意した日下部の偽物でしたが、偽物役が焼酎と焼蛤を間違えたために、古畑に偽物であると見破られてしまいます。
結末
今泉と村人の証言が食い違う中、日下部の爪、コンタクトの煮沸器などがみつかり、古畑は村ぐるみの犯行を疑います。そして、偽物の日下部が現れ“焼き蛤”と発言したことを根拠に、村人達の犯行を確信します。実際、今泉君は焼き蛤ではなく焼酎を頼んでいました。
古畑は助役の自供を否定し、村長を逮捕します。
今日は実に学ぶことが多い。私もまだまだだなぁ…。
感想
村人全員が犯人をかばう、被害者を隠す、というエピソードでした。お地蔵さんにいたずら書きをしたのは古畑、というオチが面白いです。
2023年8月に、NHKで金田一シリーズの「獄門島」を再放送していましたが、登場人物の嘉右衛門という名前が共通しています。このエピソードは、獄門島から登場人物の名前をとっているようです。
この記事のまとめ
古畑任三郎「古畑、風邪をひく」について、あらすじや解説などをご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 殺人の計画性 | なし |
| 偽装工作 | 被害者を隠す |
| ミス | 焼蛤と焼酎 |
| 動機 | 詐欺の復讐 |
| 凶器 | 日本刀 |
| トリック | 全員が共犯 |
| 古畑の罠 | ― |
番組情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 脚本 | 三谷幸喜 |
| 監督 | 関口静夫 |
| 演出 | 河野圭太 |
| 長さ | 46分 |
| 放送 | 1999年 4月27日(火) |
| 視聴率 | 22.1% |

