古畑任三郎vs大地真央|アリバイの死角【あらすじ・ネタバレ解説・30話】

古畑任三郎第3シーズン【古畑任三郎】

古畑任三郎S3E4「アリバイの死角(古畑、歯医者へ行く)」のあらすじとトリック解説です。アクチノバシラスが登場する回で、歯科医の金森晴子(大地真央さん)が犯人です。

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あらすじ

歯科医師の金森晴子(かなもり・はるこ)は、患者であり元恋人の山村淳一(やまむら・じゅんいち)が、歯科助手と結婚することを知り、殺人を企てます。金森は山村の歯の治療後、麻酔が切れる時刻を見計らって、山村が務める会社のトイレで待ち伏せし銃殺。財布を抜き取り、強盗殺人に偽装します。さらに、金森は古畑を治療していたというアリバイも捏造します。

項目 内容
脚本 三谷幸喜
監督 関口静夫
演出 佐藤祐市
長さ 46分
放送 1999年
5月4日(火)
視聴率 26.0%

最初のセリフ

歯周病の原因は細菌と言われています。例えば歯周病を引き起こす細菌として考えられるのは、アクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスがあります。ずいぶん長い名前ですね。一応覚えておきましょう。アクチノバシラスアクチノミセテムコミタンスです。はい、ご一緒に。アクチノ……。

アクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスが紹介されているが、アクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスは特に事件には関係しない。

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登場人物とキャスト

主な登場人物をまとめます。

名前 キャスト 説明
金森晴子 大地真央 犯人
歯科医
山村淳一 陰山泰 被害者
患者
瀬川エリ 伊藤裕子 歯科助手
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犯人

金森晴子(かなもり・はるこ):歯科医。古畑に歯周病菌の一種であるアクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスを教えた人物。元恋人の山村淳一が若くて可愛らしい歯科助手に手を出すという。そんな手近なところで恋愛するなんて!というわけで、やっぱりという感じで殺されることになる。
犯人が仕掛けたのはアリバイトリックで、古畑が証人になる。捏造したアリバイは歯科医らしく患者の歯の治療をしていたというものだった。治療中だったというアリバイを作るだけではなく、犯人は男性に変装して犯行に及んでいる。男装を選んだ理由は山村を男子トイレにおびき出したからであって、トイレという場所には、歯の治療によって麻酔がきれるタイミングが関係する。犯人は犯行の前に、山村の歯の治療をしていた。麻酔がきれた段階で、痛み止めを飲むように仕向けておけば、山村ホイホイ完成というわけで、計画通り、山村はトイレに現れた。
かなり手の込んだアリバイトリックなのだが、強盗という犯人像に納得感がないので、かなり微妙な気もする。最近流行りのトイレ強盗です、みたいな事件が起きていて、その犯人の犯行にみせかけるというのはよくありそうな設定である。ただ、変装を見抜けない限り、男子トイレが犯行現場だからという理由で男を追いそうなものである。

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トリック解説

犯人の金森は、強盗を偽装し、犯行時のアリバイを作ります。

強盗偽装

犯人は、山村殺害後、財布を抜き取り、強盗の犯行にみせます。

アリバイ工作

山村殺害時、金森は古畑の歯の治療をしていた、というアリバイを偽装します。なお、実際に治療していたのは、歯科助手です。

  • 麻酔の調整:金森は、犯行の前に、標的の山村を治療しています。この時、麻酔を調整し、決まった時刻に薬を飲むように仕込みます。
  • 男装:山村が薬を飲むために、職場のトイレへ行くと予想します。男性用トイレで待ち伏せすることになるため、男性に変装する必要があります。
  • 飛び入りの患者:飛び入りの患者が入ったと嘘をつき、助手に、古畑の治療をさせます。助手は、古畑がもうひとつの治療室にいると勘違いすることになります。くまとうさぎの札を入れ替えることで、助手に患者がふたりいるように思わせた、と古畑は語っています。
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犯人のミス

古畑が犯人の偽装に気付くヒントです。

歯磨きの匂い

金森は近くのカフェのトイレで変装をしています。この時、何かを口にしたため、歯を磨いています。この歯磨きの後の匂いを、治療を受けていた古畑は不審に思います。治療中になぜ歯を磨く必要があったのかという疑問です。

男子用トイレ

男装して男子トイレに忍び込んだ金森は小便器が自動で流れることに驚きます。この時の様子を目撃されたため、犯人は女性ではないかという疑いが生じます。

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古畑の罠

古畑は金森に西園寺の変装を手伝わせます。

口ひげ

金森は数ある変装用具の中から口ひげを選びます。なぜ、犯人が口ひげをしていたのかと尋ねられます。

犯人は女

金森は、口ひげを選んだ理由として、「男に変装するんだから普通口ひげを選ぶ」と話します。犯人が女であり、その女が男に変装していたというのは、犯人しか知り得ない情報です。

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結末

犯人の金森は、古畑の罠にかかり、犯人が男装していた口を滑らせ、逮捕されます。

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感想

刑事コロンボ「構想の死角」とタイトルが似ていますが、内容は全く異なります。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 強盗殺人を偽装
ミス 男子トイレでの振舞
動機 元恋人への復讐
凶器 拳銃
トリック 麻酔の調整
古畑の罠 男装の実験
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考察

犯人は存在しない患者をでっち上げて、アリバイ――犯行時は古畑の治療をしていたというアリバイ――を捏造しています。実際に治療していたのは、犯人ではなく助手でした。
アリバイを作るためには、助手と古畑の両方を騙す必要があります。この事件において犯人は、助手に対して、飛び込みの患者がいるようにみせ、さらに、飛び込みの患者だと嘘をついて古畑の治療をさせています。古畑に対しては、“くま”と“うさぎ”の札を入れ替えることで、古畑が飛び込みの患者だったようにみせています。ただし、部屋の名前を変えるだけの場合、奥の部屋や手前の部屋といった部屋の特徴が語られると、破綻してしまいます。以下、トリックの詳細として、経緯をまとめます。

  1. 札の交換:助手が買い物を頼まれ外出します。そして、助手外出後に“くま”と“うさぎ”の札を入れ替えます。このあと、古畑は犯人の指示に従って治療室へ入ります。これによって、古畑は、普段は“くま”と呼ばれている部屋に、“うさぎ”だと思って入ることになります。
  2. 架空の患者登場:助手の外出中に、もう一人患者がやってきたことにします。架空の患者です。嘘の存在ですが、パッと見は患者がいるようにみせます。古畑は治療室にいるので、患者には気付きません。
  3. 札を戻す:助手が戻る前に“くま”と“うさぎ”の札を入れ替えます。もとに戻しておかないと、助手が札の入れ替わりに気付いてしまいます。この時点で、普段の部屋名に戻りました。ただし、古畑は部屋の名前を勘違いしています。
  4. 助手が戻る:助手が外出先から戻った時、治療室はどちらも埋まっている(カーテンが閉まっている)状況です。犯人の言葉を信じて、助手は片方に古畑が、もう片方には飛び込みの患者が入っていると思い込みます。
  5. 助手の治療:助手は“くま”の部屋に飛び込みの患者が入っているといわれ、それを信じることになります。実際は古畑ですが、古畑ではない別の人物として、治療を進めることになります。

入れ替えの意味

札の入れ替えの影響を受けたのは古畑だけです。助手は嘘をつかれただけでした。
古畑は“くま”の治療室に入りました。しかし、札が入れ替わっていたため、部屋名だけを証言した場合は、“うさぎ”の部屋にいたことになります。助手は犯人に「“くま”に飛び込みの患者」「“うさぎ”に古畑」と嘘をつかれていましたので、古畑と助手の証言が食い違うことはありません。
しかし、古畑がもし“奥の治療室に入った”と話したら、古畑を治療していたのは助手だとすぐにわかってしまいます。この部分が、なぜすり替えが成功したのかの疑問を解く理由です。

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