『ディープフェイク・エクスペリメント~全てを疑え!!謎のラストメッセージ99の殺人!?それは真実か捏造の陰謀か?判別不能の証拠映像に特命が揺らぐ』は相棒season18の第20話で、シーズン18の最終話となります。冠城亘(反町隆史)が杉 下右京(水谷豊)の推理力減退症候群を疑う中、元巨大企業社長の殺害事件が発生します。現場に残された謎の数字「99」と、本物と見分けがつかない「ディープフェイク動画」が捜査を混乱させ、事件の背後には国家レベルの思惑が渦巻きます。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。
あらすじ
元東亜ダイナミクス社長・桂川宗佐(村上新悟)が自宅で刺殺された。傍らのスマホには、音声認識アプリに残された謎の数字『99』が…。さらに、現場のPCから桂川と内閣情報調査室職員・柾庸子(遠山景織子)とのベッド動画が発見される。政府直轄組織の人間が関わるスキャンダラスな映像に、警察上層部は及び腰になる。独自の捜査に乗り出した特命係の右京と亘は、上層部から「特命係一派」と見なされ捜査から外された青木年男(浅利陽介)の協力を得る。右京は動画が精巧な合成映像「ディープフェイク」ではないかと疑うが、当の柾本人が映像は本物だと認めており、謎は深まるばかり。一方、捜査一課は桂川がスポンサーだった映像技術の専門家、大学准教授の鬼石美奈代(坂井真紀)に接触するも、飄々とした態度にはぐらかされる。やがて、週刊誌「週刊フォトス」が桂川と柾庸子のスクープ映像を入手し、特命係は監察官の大河内春樹の指示でその動画の押収に向かうことになる。動かぬ証拠とされる映像の信憑性が問われる中、特命係は政府高官の影がちらつく事件の真相を解き明かそうとする。

登場人物とキャスト
- 鬼石美奈代(坂井真紀)
城和工科大学の特任准教授。AIによる映像合成技術の天才的な研究者。 - 鶴田翁助(相島一之)
内閣官房長官。 - 柾庸子(遠山景織子)
内閣情報調査室の職員。桂川とのフェイク動画に登場する女性。 - 桂川宗佐(村上新悟)
事件の被害者。元東亜ダイナミクス社長で、国防技術アドバイザー。 - 小出茉梨(森口瑤子)
赤坂の元芸者で芸名は「小手鞠」。政財界に顔が広い。 - 水戸弓子(佐々木春香)
桂川コーポレーション秘書。 - 八津崎奨(橋本拓也)
週刊フォトス編集長。 - 牧原芳宣(関口晴雄)
サイバーセキュリティ対策本部係長。 - 萩原新三郎(磯田龍生)
城和工科大学学生。フォトスに動画を売った男。 - 飯島露(花影香音)
城和工科大学学生。フォトスに動画を売った女。 - 土師太(松嶋亮太)
サイバーセキュリティ対策本部。 - 風間楓子(芦名星)
週刊フォトス記者。 - 杉下右京(水谷豊)
警視庁特命係。冠城から推理力の衰えを心配されるが、事件の核心に迫っていく。 - 冠城亘(反町隆史)
右京の相棒。右京のスランプの噂を広めてしまうが、その身を案じている。 - 青木年男(浅利陽介)
元特命係。サイバーセキュリティの知識を活かし、「第三の特命係」として捜査に全面協力する。
ネタバレ
桂川宗佐殺害の犯人は大学准教授の鬼石美奈代でした。鬼石は桂川と男女の関係にありましたが、彼の奔放な女性関係に嫉妬し、殺害を決意。自身の持つディープフェイク技術を使い、桂川が関係を持ちたがっていた柾庸子とのベッド動画を捏造し、これを犯行の目くらましとして利用しました。桂川は背中を刺された後も、しばらく生きていました。鬼石が犯人だと発覚すれば、彼女が進めてきた国家的な研究が白紙に戻ることを恐れ、警察への通報を躊躇。しかし、死の恐怖に耐えかね、事件化を避けつつ助けを呼ぼうと「救急車」を音声で呼ぼうとしました。このとき、力尽きて99(救急)までしか入力できなかったというのが、現場にあった99の真相です。
内閣情報調査室(内調)と鶴田官房長官は、鬼石のディープフェイク技術を国家の防諜(カウンターインテリジェンス)に利用するため、特定秘密として研究させていました。鬼石の犯行が明らかになることで、その技術と計画が白日の下に晒されることを恐れた内調は、柾庸子に「動画は本物だ」と嘘の証言をさせ、真相の隠蔽を計っていました。さらに、警察の捜査能力を試す「実験(エクスペリメント)」として、この状況を利用していました。
感想と考察
シーズン最終回でありながら、シリアスなテーマの中に、桂川のどこかコミカルな死に様や、登場人物たちの軽妙なやり取りなど、笑いの要素が盛り込まれていた気がします。「僕としたことが!」という右京の口癖に冠城が「謙虚さがない」と突っ込むシーンは、ニヤリとする場面です。また、これまで特命係と対立しがちだった青木年男が特命係の準レギュラーとして捜査に全面協力する姿は、特命係との関係の変化を感じさせられます。事件の真相は嫉妬という個人的な動機でしたが、それが国家レベルの陰謀と結びつく展開は相棒ならではでした。しかしながら、鶴田官房長官ら権力者たちを完全には追い詰めきれないラストは、次シーズンへの遺恨を残す終わり方となりました。
余談
- 『相棒season18』最終話(第20話)は、2020年3月18日に放送され、13.8%の視聴率を記録しました(ビデオリサーチ社調べ、関東地区)。 シーズン全体を通して全話2桁の視聴率を維持し、好調にフィニッシュを飾りました。
- 月本幸子(鈴木杏樹)が去って以来、1シーズンにわたって空席だった「花の里の女将」。今回、右京のスランプを心配した甲斐峯秋(石坂浩二)の計らいで、花の里に代わる新しい小料理屋「家庭料理 こてまり」が開店しました。三代目女将となるのは、元芸者の小出茉梨(森口瑤子)です。
- 森口瑤子さんと水谷豊さんは過去のドラマシリーズ『地方記者・立花陽介』で長年夫婦役を演じた間柄です。このキャスティングは往年のファンへのサプライズといえるかもしれません。
- 劇中、鶴田官房長官の口から、過去のシーズンに登場した「朱雀官房長官(S3)」や「小野田官房長(S4)」の名前が挙がりました。こうした過去のエピソードへの言及は、シリーズの長い歴史を感じさせます。
- 冠城と角田の二人が公園で弁当を交換して食べるシーンは、角田課長役の山西惇さんのSNSによると、「たまには愛妻弁当以外も食べたい課長と、それを察した冠城」という裏設定があったとのことです。
- 城和工科大学は日本大学理工学部船橋キャンパス、料亭(小手鞠がいた店)は茶寮一松、桂川が通っていたクラブELE TOKYOなど、様々なロケ地が登場しています。

