『怪しい隣人』は2010年2月24日に放送された相棒season8の第17話です。杉下右京が偶然見つけた割れた窓ガラスという些細な異変から、9年前の未解決現金輸送車襲撃事件へと繋がっていきます。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。
あらすじ
警視庁特命係の杉下右京は、9年前に起きた現金輸送車襲撃事件の遺留品を、当時の運転手・名和田忠志(小倉一郎)の自宅へ届けに行く。事件は3億円が奪われたまま未解決となっていた。その帰り道、右京は名和田家の隣家で窓ガラスが割れているのを発見。不審に思い声をかけると、現れた男は「模様替えで家具をぶつけた」と説明する。その挙動に違和感を覚えた右京は、神戸尊と電話で連携を取りつつ、独自に捜査を開始する。警備会社の営業マンを装って隣家を再訪すると、そこには次々と別の人物が現れ、住人であるはずの夫婦の姿は見えない。この家で一体何が起きているのか?右京の卓越した観察眼が、やがて意外な事件の真相を炙り出していく。

登場人物
- 名和田忠志(演:小倉一郎)
9年前の事件の被害者である警備員。過剰なまでに自宅の警備を固めている。 - 池谷隆平(演:三宅弘城)
隣家に侵入した3人組のリーダー格。 - 奥村光良(演:金井勇太)
3人組の1人。気が弱く、お人好しな一面もみせる。 - 山崎正一(演:松本実)
3人組の1人。賭博好き。 - 川上渉(演:川本淳市)
隣家の住人。夫。 - 佐藤礼子(演:広澤草)
隣家の住人。妻。 - 杉下右京(演:水谷豊)
警視庁特命係。些細な違和感から事件の匂いを嗅ぎつける。 - 神戸尊(演:及川光博)
警視庁特命係。今回は右京の指示で別行動を取り、情報収集に奔走する。
ネタバレ
9年前の現金輸送車襲撃事件の真犯人は、被害者と思われていた警備員の名和田忠志と、隣家の住人になりすましていた川上渉でした。当時、街金の取立屋だった川上は、借金を抱えていた名和田を誘い、犯行に及び、「灯台下暗し」という考えから、奪った3億円は名和田の家の床下に隠されていました。それぞれの目的をまとめると次のようになります。
- 川上渉と佐藤礼子
川上は組長の愛人だった礼子と駆け落ちするため、早急に金が必要になっていました。時効成立を待てず、名和田を出し抜いて3億円を独り占めしようと隣に引っ越し、機会を窺っていたわけです。 - 池谷・山崎・奥村の3人組
彼らは偶然、川上が名和田に3億円の件で電話しているのを盗み聞きしていました。その金を横取りするため、空き家だと思い込んだ隣家(川上たちの家)に侵入。そこから地下トンネルを掘って名和田家の床下を目指していました。しかし、住人である川上たちと鉢合わせしてしまい、彼らを監禁することになっていました。
右京は、名和田が自らが勤める警備会社ではなく、他社の厳重なセキュリティシステムを導入している点に不信感を抱きます。「盗んだ金を、その金を守るべき会社の製品で守るのはおかしい」という心理を突きました。最終的に右京は、わざと「名和田家の警備システムが故障した」という偽の情報を川上に流し、彼らが床下の金を取りに来たところを神戸と共に確保。全ての事件関係者が逮捕されることになりました。
感想
コメディとサスペンスのバランスが絶妙な回でした。間抜けでどこか憎めない3人組のやり取りが笑いを誘う一方で、事件の真相が明らかになるにつれて緊張感が高まっていく展開が見事だと思います。右京と神戸が終始別行動を取り、電話だけで連携するスタイルも新鮮で、「右京さんの使い走り」とぼやく神戸の姿も印象的でした。どうやら多くの方が「よく練られた脚本」「どんでん返しが面白い」と絶賛する、記憶に残るエピソードみたいです。
犯人の一人である名和田は、いつか金を使う立場になりたかったと犯行動機を語っています。しかし、大金を手にしたあとは、それを失う恐怖から9年間も家に隠し続け、厳重な警備で守るだけの生活を送っていました。まさに金に使われている状態です。事件が発覚し逮捕されることで、皮肉にもその重圧から解放されたのかもしれません。
余談
- 右京さんのモノマネ大会
角田課長が特命係の部屋で、右京のように高い位置からコーヒーを淹れる真似をしたり、米沢鑑識官が神戸に対して右京の口調を真似たりと、コミカルなシーンが満載でした。 - 営業マン杉下右京
右京がホームセキュリティの営業マンになりすまし、立て板に水でセールストークを繰り広げるシーンが登場。多才ぶりがうかがえるシーンとなりました。 - 神戸の逮捕術
逃げようとする犯人を華麗に取り押さえる神戸の逮捕術が披露され、その格闘能力の高さが改めて示唆された回でもあります。 - あの3人組が再登場!
今回登場した池谷・山崎・奥村の3人組は相棒season10第14話「悪友」で再登場します。

