刑事コロンボ・第8話『死の方程式(Short Fuse)』のあらすじとトリック解説です。第1シーズン第6話(S1E6)にあたるこのエピソードは化学工業会社専務のロジャー・スタンフォード(ロディ・マクドウォール)が犯人です。犯行に爆弾を使って遠隔殺人を成し遂げます。
あらすじ
化学工業会社の若き専務であるロジャー・スタンフォードは自分を社外へ追放しようとする社長のデヴィッドと運転手を葉巻入れに仕込んだ爆弾で爆殺します。さらに、犯行を副社長になすりつけ、スキャンダルも駆使して蹴落とし、自身が社長の座に就くよう画策。計画を成功させたロジャーは、晴れて、社長に就任します。
コロンボはいくつかの証拠から葉巻に爆弾が仕掛けられていたと推理し、にせの爆弾葉巻入れを使って、ロジャーに罠を仕掛けます。罠にはまったロジャーはコロンボの目の前で重大な失言をし、言い逃れできない状況に陥ります。

登場人物とキャスト
| 名前 | キャスト |
|---|---|
| ロジャー・スタンフォード Roger Stanford |
ロディ・マクドウォール Roddy McDowall |
| デヴィッド・L・バックナー David L. Buckner |
ジェームズ・グレゴリー James Gregory |
| クインシー Quincy |
ローレンス・クック Lawrence Cook |
ロジャー・スタンフォード
犯人。スタンフォード化学工業の専務であるが、名前だけの立場で実務には関わっていない。会社の創始者は父親で、ロジャーは一人息子。なお、両親はロジャーが幼い頃に工場の爆発事故でな亡くなっている。大学では化学と法学を学び、弁護士資格を有するが、ギャンブルだけではなく、車上荒らしや麻薬などの犯罪にも手を染めている。社長の秘書ベティ・ビショップと密かに交際中。
デヴィッド・L・バックナー
被害者。タンフォード化学工業の社長。妻はドリス・バックナーで、ドリスはロジャーの父親の妹。運転手のクインシーと共に死亡する。
トリック解説
犯人のロジャーは葉巻ケースに爆弾を仕込んで、会社の社長を殺害し、副社長に罪をなすりつけようとします。なお、社長を標的にした爆発によって運転手も死亡しています。
遠隔殺人
犯人は爆弾を葉巻ケースに仕込んでいます。この爆弾は、ケースを開けると起爆スイッチが入り、1分後に爆発する仕組みになっています。犯人は仕掛けた爆弾を確実に爆発させるため、社長がコートに入れていた葉巻を盗んでいます。手元に葉巻がなくなったため、社長は新しい葉巻を開ける(爆弾を起動する)ことになります。なお、盗んだ葉巻は机の下に落として処分しています。社長が気付かぬうちに落としたようにみせます。
罪のなすりつけ
犯人は被害者が愛用している葉巻のケースに爆弾を仕掛けます。この葉巻は副社長の愛用品でもあったため、副社長に疑いがかかることになります。
社長就任
犯人は様々な証拠を偽装し、次期社長の決定権がある叔母の信頼を得ようとします。
副社長の裏切り
犯人は運転手のタイプライターを使って、副社長の裏切りを告発するような文章を作成します。副社長の裏切りを知った叔母は次期社長に副社長を選ぶことはなくなります。
社長(夫)の裏切り
さらに、犯人は被害者と秘書が不倫関係にあったようなトリック写真も準備します。夫の裏切りを知った叔母はロジャー以外に信頼できる相手がいなくなってしまいます。
なお犯人は不倫を知った運転手が、社長を強請っていたというスキャンダルも捏造します。証拠をつくるためロジャーは、運転手の口座にお金を振り込んでいました。
犯人のミス
コロンボが犯人の偽装工作に気付くきっかけや、真犯人を示唆するような証拠です。
不自然な行動
被害者は爆弾が爆発する直前に、電話をかけており、この時の内容が留守番電話に残っていました。
この留守電に爆発の瞬間が記録されているのではないかと焦る犯人でしたが、爆発の前に電話は切れていました。しかし、爆発までの時間を測るために、時計を気にしたため、コロンボに指摘されています。
消えた葉巻入れ
犯人が爆弾を仕込んだ結果、葉巻ケースがひとつ紛失します。消えた葉巻入れを手掛かりに、コロンボは葉巻入れに爆弾が仕掛けられたのではないかと疑います。
葉巻入れを選んだのは、副社長に罪をなすりつけるためでした。そのため、犯人としては、あえて残しておいた証拠であるとも言えます。
コロンボの罠
コロンボは車が爆発した現場から証拠品がみつかったと、嘘をつきます。
その後、ロジャーを逃げ場のないロープウェイに誘い出し、そこで現場でみつかったという証拠品を披露します。そして、おもむろに葉巻入れを取り出し、社長は事故死だったと言ってみせます。社長が事故死で、目の前に遺留品の葉巻入れが残っているという嘘に惑わされたロジャーは、ただの葉巻入れを爆弾と勘違いします。そして、必死になって爆弾をコロンボから奪い、ロープウェイの外に投げ捨てます。
葉巻入れの爆弾を知りうる人物は犯人しかありえません。ただの葉巻入れを爆弾と勘違いしたロジャーは、自分が犯人であると自白したことになります。
感想
自由奔放な犯人が社長になるという話は古畑任三郎「今、甦る死」と共通点があります。
海外口コミ
海外サイトの口コミには、cigar、boxなど、エピソードの特徴が書き込まれています。
国内口コミ
最後のロープウェイのシーン、晩(お晩です)などが書き込まれています。
この記事のまとめ
刑事コロンボ「死の方程式(Short Fuse)」について、あらすじやトリックご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計画性 | あり |
| 偽装工作 | なすりつけ |
| トリック | ― |
| ミス | 被害者の電話 |
| 動機 | 企業買収と自身の追放を阻止 |
| 凶器 | 爆弾 |
| コロンボの罠 | にせの爆弾葉巻入れ |
犯人
- ロジャー・スタンフォード
邪魔者1を殺して、邪魔者2に罪をなすりつけ、邪魔者3は手なずけるという。二兎を追うものは云々で、いろいろ仕掛けた分、ミスも多くなりそうなのだが、どれも上手くやり遂げている。化学と法学を学んで弁護士の資格もとったという経歴は伊達ではなかった…。しかし、最後は、みようによっては喜劇の主人公にも思えてくるような感じで、劇的に逮捕されている。
犯人は現場を確認していない。もしかしたら、爆発前に事故を起こしたのかもしれないし、別の誰かが犯行を企んでいたかもしれない。考え過ぎです、と一蹴されそうであるが、確証はなかったので、犯人は罠にかかったと考えられる。つまりは、野次馬根性も結構大事ということなのかもしれない。ところが、犯人は現場に現れるとよくいうので、警官などに姿をみられぬようこっそり確認する必要がある(現場を見たところで、どうやって死んだかまでは、わからないかもしれないが)。
犯人が仕掛けた遠隔殺人はアリバイが作りやすい(手口が明確ならば、そもそもアリバイは重要視されそうにない)が、自分が手を下したのかどうかはわからない。そのデメリットがこのエピソードで強調されていた。

