逆転の構図・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ27】

刑事コロンボS4E2「逆転の構図(Negative Reaction)」は、犯人の写真家が標的を誘拐犯と人質にみせかけて殺害するエピソードです。特にラストの鮮やかさで屈指の名作と名高いエピソードでもあります。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、犯人の偽装工作や結末、感想、考察、小ネタ(豆知識やトリビア)などをまとめています。

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あらすじ(ネタバレ注意)

写真家のポール・ガレスコ(ディック・ヴァン・ダイク)は、刑務所から出所したばかりの男の面倒をみるふりをして、誘拐犯に仕立て上げ、支配欲の強い自分の妻を誘拐殺人に見せかけて殺します。身代金受け渡しの時に、刑務所にいた男と撃ち合い、殺してしまったようにみせるため、自分の腿を撃ち、被害者になりすまします。

コロンボはポールのズボンの焦げ跡、死んだ男の不審な行動などから事件を疑います。そして、状況証拠をポールに突き付け、追い込みますが、逮捕には至りません。そこでコロンボは、裏焼された写真(左右反転の写真)を使って、ポールの妻は、ポールと一緒にいるときに誘拐されたという証拠をでっち上げ、ポールを逮捕しようとします。コロンボの横暴に耐え切れなくなったポールは、裏焼写真であることを証明しようとして、数あるカメラの中から刑務所にいた男が使っていたカメラを手にとります。この行動が決定的な証拠となり、ポールは連行されます。

©Universal City Studios

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登場人物とキャスト

  • コロンボ警部(ピーター・フォーク)
    ロサンゼルス市警の刑事。完璧に見えるガレスコの計画に疑問を抱き、真相を追う。
  • ポール・ガレスコ(ディック・ヴァン・ダイク)
    今回の犯人。ピューリッツァー賞を2度受賞するという輝かしい経歴を持つ写真家。15年間連れ添った妻への憎悪から、緻密な殺人計画を実行する。
  • フランシス・ガレスコ(アントワネット・バウアー)
    被害者。ポールの妻。夫を支配し、彼の人生の楽しみを奪ってきた悪妻。
  • アルヴィン・ダシュラー(ドン・ゴードン)
    もう一人の被害者。出所したばかりの元囚人。ポールの計画に利用され、誘拐犯に仕立て上げられた末に殺害される。
  • ローナ・マグラス(ジョアンナ・キャメロン)
    ポールの若く美しい助手であり、愛人。事件後、ポールとのフィリピン行きを計画している。
  • ホフマン刑事(マイケル・ストロング)
    コロンボの同僚。当初はガレスコの証言を信じ、ダシュラーが犯人だと断定している。
  • トーマス・ドーラン(ヴィトー・スコッティ)
    廃車置場にいた酔っ払いの浮浪者。2発の銃声を聞いた重要な目撃者。
  • シスター・マーシー(ジョイス・ヴァン・パタン)
    教会のシスター。コロンボの古びたコートを見てホームレスと勘違いし、とても親切に接する。
  • マグルーダー(ジョン・アシュトン)
    不動産屋。ダシュラーが空き家を借りた際の仲介人。
  • ウィークリー(ラリー・ストーチ)
    運転免許試験場の試験官。ダシュラーの運転免許取得を担当し、コロンボの車に乗った際に彼の運転を厳しく注意する。
  • ハリー・ルイス(ハーヴェイ・ゴールド)
    カメラ店の店員。ダシュラーにカメラを販売した際に、領収書の金額を書き換えるよう頼まれたことを証言する。
  • 家政婦(アリス・バックス)
    ガレスコ邸の家政婦。ダシュラーからの脅迫電話をメイドとして聞いていた。
  • サンプソン警部(ビル・ザッカート)
    警察署の警部。コロンボの執念深い捜査に呆れながらも、最終的に信頼を寄せる。
  • モーテルの主人(トーム・カーニー)
    ダシュラーが滞在していたモーテルの主人。ダシュラーとは折り合いが悪かったと証言。
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トリック解説

犯人のポールは偽装誘拐で妻を殺し、出所したばかりの男を誘拐犯に仕立て上げて殺します。

誘拐殺人偽装

共犯者を使って誘拐事件を起こし、誘拐された妻が誘拐犯に殺されたようにみせます。

妻が誘拐され捕らえられている場所として、犯人のポールは、ある農家を選びます。この農家は、刑務所にいた男に借りさせます。ポールの名前を一切出させないことで、ポールの関与を隠します。

アリバイ

犯人のポールは妻を椅子に縛り、置時計と一緒に妻の写真を撮ります。そして、この写真を脅迫状と一緒に送りつけます。カメラは刑務所から出所したばかりの男のものを使っています。

ポール自身のアリバイを作るため、置時計の時間は進めておきます。写真の時刻に、ガソリンスタンドで店員に話し掛け、アリバイを作ります。

誘拐犯の殺人

数週間前に出所したばかりの男を誘拐犯に仕立て上げた上で、予め約束していた廃車置き場で会い、脅迫状を触らせ、銃殺します。「撃たれたから撃った」と証言して正当防衛を主張するため、自らの腿を撃ち抜いています。
なお、ポールは過去に写真撮影のため、刑務所で暮らしており、この時に男と知り合っています。

  • カメラの盗難
    ポールは刑務所にいた男のカメラを男が泊まっていたモーテル盗みます。このカメラは、男が出所後に購入した者であり、金はポールが渡していたと考えられます。
  • 誘拐犯からの電話
    ポールは男に電話をかけさせ、誘拐犯からの電話のようにみせます。この時、メモ帳にわざと金額を書き、家政婦がみるように仕向けます。
  • 新聞紙とのり
    新聞紙の文字で作成した脅迫状が、刑務所にいた男によって作成されたようにみせるため、男の泊まっていたモーテルに新聞紙とのりを置きます。
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犯人のミス

コロンボが事件に疑いを持ち、犯人を追い詰めるための手がかりです。

誘拐された妻の居場所

ポールは、誘拐された妻の居場所を聞き出す前に、男を銃殺しています。

ズボンの焦げ跡

ポールのズボンには、銃が至近距離で発砲されたため、焦げ跡が残っていました。
コロンボは、どういう状況だったのか、という疑問を持ちます。

時計のホコリ

縛られた妻の写真を撮る際に使った置時計は、ホコリを被っていませんでした。しかし、置時計の下や周辺は、ホコリだらけでした。

取り直した写真

写真家の犯人は、最初に撮影した妻の写真が気に入らなかったため、取り直します。最初の写真は、妻のそばにあった暖炉に捨てます。

モーテルの掃除

刑務所にいた男が泊まっていたモーテルは、男が殺される少し前に清掃されていました。

新聞が残っていた理由

清掃が入ったのに、新聞は処分されず、残ったままでした。清掃員は、新聞があれば処分すると証言します。

新聞の切りくず

新聞で脅迫状を作ると、大量の切りくずが生じます。しかし、モーテルには新聞の切りくずが全く残っていませんでした。

もしも、清掃員がサボっていたならば、切りくずは全て残っているはずです。サボらずに清掃したとしても、切りくずのひとつやふたつは見つかるはずです。しかし、部屋には、ひとつも切りくずがありませんでした。そしうて、コロンボは、そもそも誘拐犯が新聞を処分しなかったことに疑問を抱いてます。

受け渡し時間に遅れる

ポールは新聞紙などをモーテルに仕込む(男が外出中に部屋に侵入する)ため、誘拐犯との待ち合わせ時刻に遅れます。

これについてポールは「誘拐犯に公衆電話から電話するように言われたから遅れた」と話します。そして、電話をした公衆電話の場所は「よく憶えていない」と証言します。

受け渡し場所のメモ

ポールは金額をメモしましたが、場所は書きませんでした。はじめていく場所(公衆電話)なのに、メモを残さないのは不自然な行動です。

男の行動

誘拐犯に仕立て上げられた男は、殺される前に、共犯者を匂わせる行動をとっていました。

  • 脅迫状に「我々は」という言葉が使われていました。
  • 男は出所したばかりなので無一文のはずです。それにも関わらず、カメラを購入し、タクシーを乗り回していました。
  • 男は仕事の斡旋を断っていました。そして「いい仕事がある」というような内容を口走っていました。
  • 男は農家の不動産屋に自分の家を借りると話していました。しかし、カメラで写真を撮り、さらに、煮え切らない態度もみせていました。このことから、不動産屋ですら、誰かのために家を借りようとしていると疑っていました。
  • 出所したばかりの男は、当然運転免許を持っていません。しかし、運転免許の試験当日に誘拐を企てていました。もしも試験に落ちていたら、誘拐の計画は台無しのはずです。つまり、落ちた時のことを考えていないような計画といえます。

男とポールの関係

ポールは、出所したばかりの男を知らないと話します。しかし、ポールの写真集に、その男がたくさん写り込んでいました。

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コロンボの罠

コロンボは証拠をでっち上げ、警察署にポールを呼び出します。

裏焼写真

コロンボは縛られた妻の写真を裏焼し、左右反転の写真を現像します。妻と一緒に写った置時計には、数字などが書かれていないので、反転すると、午後2時頃を示していた時計が、午前10時ごろになります。さらに、コロンボは元の写真は誤って溶かしたと話します。

アリバイ

午前10時に写真が撮られたとすれば、刑務所にいた男には、自動車免許の試験を受けていたという完璧なアリバイがあります。
一方ポールは、その時刻に妻と一緒にいたと証言しています。そのため、写真が撮られたときに妻と一緒にいたポールが犯人ということになります。

複数のカメラ

裏焼であることを証明するため、ポールは、いくつも置かれたカメラの中から、刑務所にいた男が使っていたカメラを手にとり、ネガが残っていると話します。

男の使っていたカメラを知っていただけではなく、ネガが残っていること(妻の撮影に使われたこと)も口走ったしたポールは、犯人しか知り得ない情報をコロンボや他の刑事の前で話したことに気づき、絶句します。

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感想と考察

廃車に間違われるコロンボの愛車、ホームレスに間違われた挙句、変装しているとまで言われてしまったコロンボなど、とても面白いエピソードです。運転免許の試験官に自身の運転をさんざん注意されたりもして、シリアスな本筋の中に笑える場面が多いのも本作の魅力でした。ガレスコがアリバイ工作に使った時計には、数字の文字盤がありません。もし数字があれば、裏焼きした際に数字が反転してしまい、トリックがすぐにバレてしまうため、これは物語上の重要なポイントだったといえます。

口コミ分析

海外サイトの口コミには、camera、really、good、greatなどが書き込まれています。

国内口コミでは最後楽しい、ネガ残るなどが書き込まれています。

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小ネタ

  • コロンボを浮浪者と間違えるシスターを演じたジョイス・ヴァン・パタンは、のちの『黄金のバックル』で犯人役として再登場します。刑事コロンボ第39話『黄金のバックル』については、こちらにあらすじなどをまとめています。
  • 犯人ポール・ガレスコを演じたディック・ヴァン・ダイクは、映画『メリー・ポピンズ』の煙突掃除屋バート役で世界的に有名な俳優です。
  • 本作のラストシーンは、古畑任三郎シリーズの「赤か、青か(木村拓哉さんが犯人)」や「フェアな殺人者(イチローさんが犯人)」でオマージュされています。
  • 原題は「Negative Reaction」で直訳すると「消極的な反応」や、「拒否反応」となります。これは、写真用語の「ネガ(ネガはネガティブ:Negativeの略)」と、それに対する犯人の「反応(Reaction)」と、犯人の動機をかけたダブルミーニングになっています。なお、邦題の「逆転の構図」と原題は大きく異なります。
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「逆転の構図」について、あらすじやトリックをご紹介しました。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。犯人は、持参した置時計と一緒に写真を撮り、撮影時刻を誤魔化していました。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 誘拐を偽装
ミス 新聞紙の切りくず
動機 妻との軋轢
凶器 拳銃
トリック 置時計と写真
コロンボの罠 複数のカメラ
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