刑事コロンボS3E3・第20話『野望の果て(Candidate for Crime)』のあらすじとトリック解説です。上院議員候補者の犯罪を描いたエピソードです。
あらすじ(ネタバレ注意)
上院議員候補者のネルソン・ヘイワードは「組織犯罪撲滅」を公約に掲げ選挙活動をしていましたが、実際は選挙参謀のハリー・ストーンが、有権者の同情票を集めるために脅迫状を自作自演で送らせていました。ヘイワードは愛人リンダとの関係にまで口出しするストーンに嫌気がさし、命を狙われているという状況を利用して、ストーンの殺害を企てます。
ヘイワードは秘書に自分のふりをさせ射殺。ヘイワードを狙った脅迫犯が誤って秘書を殺したように偽装し、壊れた腕時計を用意することで、自分のアリバイを作ります。
コロンボは殺人現場のガレージが暗かったことなどから、事件に違和感を抱き、ヘイワードを疑います。
開票日当日、コロンボに追い詰められたヘイワードは、脅迫犯が存在するようにみせるため、ある細工をします。その細工は、サイレンサー付きの拳銃で、あらかじめ弾痕を残しておき、爆竹を使ってあたかも今撃たれたようにみせる、という自作自演でした。しかし、爆竹爆発の前に、コロンボが弾痕の細工をみつけたため、上院議員の計画は失敗に終わり、墓穴を掘ります。

©Universal City Studios
登場人物とキャスト
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コロンボ警部(
ピーター・フォーク
声:小池朝雄)
ロサンゼルス市警の警部。「カミさんがヘイワードの熱烈なファンだ」と語る -
【犯人】ネルソン・ヘイワード(
ジャッキー・クーパー
)
上院議員候補。「組織犯罪撲滅」を公約に掲げている。言い訳が上手 - 【被害者】ハリー・ストーン(ケン・スウォフォード)
ヘイワードの選挙参謀。普段は丈夫で長持ちする物を好んで身につけている - ビクトリア・ヘイワード(ジョアンヌ・リンヴィル)
ネルソン・ヘイワードの妻。夫婦仲は冷え切っている。夫がストーンの死にショックを受けたことに疑問を抱き、ヘイワードを疑い始める - リンダ・ジョンソン(タイシャ・ステアリング)
ネルソン・ヘイワードの愛人。妻ビクトリアの秘書でもある - バーノン刑事(ロバート・カーネス)
ヘイワードの警備主任
トリック解説
ヘイワードは、嘘の脅迫状、服装の交換などで、秘書が自分と間違えて殺されたようにみせます。さらに、9時20分を示したまま壊れた時計を使って、犯行時刻を誤魔化し、時計が示す時刻には、午後8時30分からのパーティーに出席していたというアリバイも作っています。
- 脅迫状
脅迫状を自分自身に送ることで、ヘイワードの命が狙われているようにみせます。この脅迫状は秘書によるものであり、表向きは、同情の票を集めるための作戦でした。自作自演であることを知っているのは、ヘイワードと秘書だけです - 服装の入れ替え
ヘイワードは愛人と別れるという口実で、秘書に、ヘイワードのふりをするように頼みます。また、脅迫状の一件でついた警察の護衛もまくように伝えます - 殺害後の電話
秘書殺害後、脅迫犯のふりをして、ヘイワードを殺した、という内容の電話を警察にかけます
犯人のミス
コロンボが偽装に気付くヒントです。
ちぐはぐな証拠
- 現場のライト
現場付近はライトが壊れており、殺害現場となったガレージは、電気が消えていました。暗い中で、どうやって被害者を射殺したのか、という疑問が生じます - ヘッドライトと弾道
車のヘッドライトと弾道から犯人の行動を推測すると、犯人は、車のヘッドライトで被害者を照らし、そして車を降りて、助手席側へ移動してから発砲したということになります。運転席から降りて、目の前に被害者がいるのに、わざわざ移動したというのは、不自然な行動です - 腕時計
犯人のヘイワードは、壊れた腕時計を被害者に身に付けさせ、犯行時刻を誤魔化します。この腕時計は、被害者である秘書の趣味とは全く違うタイプの腕時計でした - 車の温度
被害者が乗っていた車は冷えていました。コロンボが現場に到着したのは午後十時なので、壊れた時計の犯行時刻が正しいならば、40分程度で冷えたことになりますが、40分というのは、早すぎます - 電話の時刻
ヘイワードは脅迫犯を装って、警察に通報します。これは、壊れた時計の示す時刻から、ほんの数分後のことでした。しかし、殺害現場の近辺に、公衆電話はなく、秘書殺害後、電話をかけるのは不可能でした。しかも、通報は、市外ではなく、市内からかかってきたことも判明しています。ヘイワードは「ストーンが時計を5分進めていた」と嘘をついて誤魔化そうとしますが、最も近いガソリンスタンドも、その夜は午後8時には閉店していたという事実を突きつけられ閉口します - 秘書に着せた服
ヘイワードは秘書に着せた服(ジャケット)が返ってこないことを見越して、同じ服を事前に注文しています。このことについてヘイワードは「服が破れていたため」と言い訳しています - パーティーの準備
ヘイワードは、選挙で忙しいにも関わらず、妻のサプライズパーティーを自分で準備しています。殺された秘書はパーティーの存在すら知りませんでした。秘書が死ぬことを見越していた行動といえます - リンダの行動
リンダが旅程表を取りに行くよういわれて、ヘイワードの部屋に入ったにもかかわらず、手ぶらで出てきたのをコロンボは見逃しませんでした。コロンボはリンダがヘイワードを庇う発言をすることなどから、ヘイワードとリンダに不倫を疑います
決定的な証拠
ヘイワードは、自分が撃たれたようにみせます。これは、コロンボに計画を見破られ、大失敗に終わります。
- 電話のランプ
ヘイワードは、個人的な電話をかけたいと言って、部屋でひとりになり、発砲の痕跡を残します。
部屋の電話は、使用すると、コロンボが待機していた部屋の電話が光る仕組みでした。コロンボは、電話が光らなかったため、電話をかけたいというヘイワードの話が嘘であることに気付きます - 線条痕
ヘイワードが撃たれたふりをした際に残った部屋の弾丸と、秘書が殺害した弾丸の線条痕が一致します。
部屋で見つかった弾丸を撃った人物は、部屋で一人だったヘイワード以外にありえません。つまり、秘書を殺した拳銃をヘイワードが持っていることになります
感想
検問のシーンで、ワイパーを動かして「昨日は、ちゃんと動いてたんだけどね」と言い訳するコロンボが面白いです。小さすぎる鉛筆、小切手帳を忘れる、など、バリエーションが増えています。
時計を壊すというのはお馴染みの偽装工作だと思いまうが、古畑任三郎「動く死体」などに登場します。「動く死体」についてはこちらにまとめています。
- 90分という長めの尺の中で、コロンボが犯人である上院議員候補のネルソン・ヘイワードを問い詰める手数が非常に多く、対決色の強いエピソード
- 犯人の言い訳や詭弁が巧みであるため、コロンボも一筋縄ではいかない展開が楽しめる
- コロンボの最後のセリフ「あなたを逮捕します」に痺れるほどの快感がある
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小ネタ
- 脚本
このエピソードは、なんとアーヴィング・パールバーグ、アルヴィン・R・フリードマン、ローランド・キビー、ディーン・ハーグローヴという5人もの脚本家が担当しています。各々のアイデアが詰め込まれた豪華な構成といえます - うちのカミさんがね
お馴染みのセリフが、このエピソードではシリーズ最多の8回も登場します! - コロンボの登場が早い
コロンボが事件発生前に登場している珍しいエピソードです
この記事のまとめ
刑事コロンボ「野望の果て」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。原題は「Candidate for Crime」で直訳すると「犯罪の候補者」となります。日本語タイトルの「野望の果て」とは異なります。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 殺人の計画性 | あり |
| 偽装工作 | 人違いの殺人 |
| ミス | ガレージのライト |
| 動機 | 秘書との確執 |
| 凶器 | 拳銃 |
| トリック | 時計破壊トリック |
| コロンボの罠 | ― |

