名探偵ポワロ・第29話
名探偵ポワロ「戦勝舞踏会事件(The Affair at the Victory Ball)」のあらすじ、トリック解説です。
仮面舞踏会の会場で殺人事件が発生します。被害者を含めほとんどの参加者が仮面をつけていました。
あらすじ
ヘイスティングス大尉に誘われ仮面舞踏会に参加することになったポワロはその会場で貴族の殺人事件に遭遇する。
殺されたのはクロンショーという金持ちの子爵で、死体は午前零時に食堂で発見された。第一発見者は子爵とともにパーティーに訪れたアメリカ女性だった。彼女は死体発見直前に生きた子爵の姿を目撃していた。
発見後、現場を調べたポワロはローストフトという地名の書かれたメモ、コカインの入った箱、固く握られた拳、カーテンの後ろのスペースなどを発見する。その後、亡くなった子爵のガールフレンドで女優のココという女性が自宅でコカインの過剰摂取により死んでいるのがみつかる。
子爵とココの死に関して、ポワロはココにコカインを提供した人物が犯人であると推理します。
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン以外の登場人物です。
- クロンショー
被害者。子爵。麻薬撲滅協会の会長。仮装写真の右端。ダイヤ模様の服 - ココ・コートニー
麻薬中毒により死亡。有名な女優。子爵の恋人。右から二番目の女性。子爵と同じくダイヤ模様の服 - ユースタス・ベルテン
子爵のおじ。骨董品マニア。子爵に金をねだっている。子爵の死により、称号や財産を引き継ぐ。右から三番目の男性 - マラビー夫人
未亡人。アメリカ人。第一発見者。金持ちの結婚相手を探している。右から四番目の女性。赤い服 - クリス・デビッドソン
俳優。左から二番目の男性。緑のポンポンが付いた衣装 - デビッドソン夫人
デビッドソンの妻。
左端。夫同様、緑のポンポンが付いた衣装
注目のシーン
仮装を楽しむ被害者と容疑者の皆さん。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
謎
子爵殺害の犯人は誰か?というのが大きな謎です。女優ココの死因は自ら摂取したコカインが原因ですが、そのコカインを提供した人物がいます。
子爵殺害
子爵の死体は会場の食堂で見つかりました。凶器は食堂にあったテーブルナイフでありふれたものでした。
死体発見の直前に、マラビー夫人や大尉が子爵の姿を目撃しています。
舞踏会の参加者はほぼ全員が仮装していました。被害者達も仮装し仮面をつけていました。余談ですが、ポワロは名探偵ポワロに変装しているため、そのままです。
女優の死
ココはコカイン中毒者でした。このことを知っていた子爵はココの麻薬を取り上げます。この時、二人は口論になり、その場にポワロも居合わせました。
ココはコカインを取り上げられたのにも関わらず、コカイン中毒で死んでいました。つまり、誰かが彼女にコカインを渡したということになります。
子爵が持っていたコカインはココのものです。麻薬撲滅協会の会長がコカインを持っていた理由はココから没収したからでした。
手掛かり・伏線
子爵殺しの謎を解くヒントです。
アメリカ人の未亡人と大尉が殺される前のクロンショー卿を目撃しています。彼はこの時、左手で何かメモをとっており、それがどうやらローストフトだったようです。
証拠
現場にはいくつかの証拠が残されていました。コカインの入れ物も、証拠の一つといえます。
- カーテンの後ろ
子爵のそばには、カーテンで遮られた空きスペースがありました。ポワロは何かを見出しているようですが、このスペースが何を意味しているのかを詳しくは語っていません - 死体の手
子爵は手にポンポンを握っていました。ポンポン付きの衣装を身に付けているのはデビッドソン夫妻です。夫の方にはココを送るため会場から離れていたというアリバイがありそうです - デビッドソン夫人のポンポン
デビッドソン夫人の衣装にはどうやらポンポンがないようです。ただし、彼女のポンポンはハサミで切り取られたような痕跡があります。一方で、子爵が握っていたポンポンは、引き千切られたような痕跡を残していました。 - メモ
子爵の死体のそばにはメモ帳が落ちており、そこにはローストフトという地名が書かれていました。この地名は子爵の死によって遺産を相続した彼のおじに関係があるようです。
真相(ネタバレ注意)
犯人はクリス・デビッドソンです。コカインの提供者であるクリスは、このことが発覚する前に子爵を殺しました。
クリスは見送りの最中にタクシーの中でココにコカインを渡しています。コカインを没収されたはずのココがコカインを持っていたのは、そのためです。
目撃された子爵はデビッドソンの変装です。このとき、既に子爵は殺されていました。デビッドソンはココを送った後、自宅に帰ったと証言していますが、本当は会場に戻っていました。
- 死体の隠し場所
子爵の死体はカーテンのうしろの空きスペースに隠されていました - ポンポン
デビッドソン夫人のポンポンを切り取ったのは夫です。夫は妻に、罪をきせようとしていました - 利き手
子爵の利き手は右です。しかし、未亡人らが目撃した子爵は、左手でメモを取っていました。デビッドソンも左利きであることが、ポワロによって確かめられます
結末
ラジオ放送で、謎解きを披露したポワロは、利き手という証拠でデイビッドを追い込みます。
無事、犯人を逮捕したポワロでしたが、ラジオ局には、どうやら、苦情が入っているようです。
感想
六人の被害者と容疑者達が変装し、名前が二倍に増えています。横文字でかなり複雑です。このエピソードは英国放送順で第29話です。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「戦勝舞踏会事件」のあらすじ、真相をご紹介しました。
- ポワロが仮面舞踏会に参加し、会場で子爵の死体が発見される。死体発見直前に仮面を付けた子爵の姿が目撃されている
- 事件後、子爵の恋人(ココ)の死体が発見される。死因は薬物中毒で、子爵とココは薬物を巡って言い争いになっていた
- 子爵を殺害したのはクリス・デビッドソンだった。死体発見直前に目撃された子爵はクリスの変装だった。クリスは薬物をココに提供していた人物で、このことが明るみに出る前に麻薬撲滅協会会長の子爵を殺害した。ココに薬物を渡したのもクリスだった
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 監督 | レニー・ライ Renny Rye |
| 脚本 | アンドリュー・マーシャル Andrew Marshall |
| 脚本 | クライブ・エクストン Clive Exton |
| 原作 | アガサ・クリスティ Agatha Christie |
| 制作 | LWT (現ITV) |

