三幕の殺人・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ62】

名探偵ポワロ第62話・S12E1『三幕の殺人(Three Act Tragedy)』のあらすじ、ネタバレ解説です。ポワロは友人であり元俳優のサー・チャールズ・カートライト主催のパーティーに参加し、そのパーティーでお酒を振舞われた牧師が突然、亡くなります。

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あらすじ

元俳優のサー・チャールズ・カートライトは自宅であるコーンウォールのカラス荘に友人達を招きパーティーを開催します。ゲストはチャールズの友人であるポワロ、精神科医のストレンジなどを含めた10名でした。パーティーが始まり、ドライ・マティーニが振舞われると、突然、ゲストのバビントン牧師が倒れ、そのまま死亡します。牧師は地元の名士であり、品行方正で、特に恨みを買うような人物ではなさそうでした。そして、牧師が飲んだと思しきカクテルのグラスから毒物は検出されず、さらに、病気がちであったことなどから、バビントン牧師の死は病死と判断されます。ポワロも病死という見立てに疑いをもっていない様子でした。

一ヶ月後、カラス荘のパーティーでゲストだった精神科医のストレンジが、今度はホストとなって自宅の屋敷でパーティーを開催します。そのパーティーで、牧師と同じように、お酒を飲んだストレンジが死んでしまいます。精神科医の死を新聞で知ったポワロとチャールズ、そしてチャールズの友人であるエッグは、似たような状況で亡くなった二人の人物の死に疑問を抱き、調査を始めます。

2つのパーティーでは、6人の人物が共通していました。1人目が、ポワロ達の捜査に協力しているリットン・ゴア嬢;愛称エッグ、その母親のメアリー、服飾メーカーのオーナーとその夫、そして、劇作家の女性です。最後のひとりオリバーは、精神科医のパーティーに招待されていませんでしたが、飛び入りで屋敷を訪れています。
奇妙なことに、ストレンジが死亡した直後、パーティーで奉仕していたエリスという執事が行方不明になります。執事が誰かを脅していたような手紙がみつかり、ポワロは執事はもう死んでいると考えます。

後に牧師の死体を掘り起こして調べたところ、精神科医と同じ毒物による毒殺であったことが判明します。ポワロはチャールズの協力によって毒殺の手口を明らかにしますが、動機はつかめませんでした。チャールズがエッグに結婚を申し込む中、精神科医のパーティーの最中に止着したラッシュブリンジャーという患者が毒殺され、三人目の被害者が出てしまいます。

ライトにデコピンするポワロ(三幕の殺人)

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
カーン

登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。このエピソードにはポワロの執事であるジョージも登場します。

  • サー・チャールズ・カートライト
    元俳優。ポワロの友人。ポワロの捜査に協力する。
  • ハーミオン・リットン・ゴア
    愛称はエッグ。ポワロの捜査に協力する。
  • メアリー・リットン・ゴア
    エッグの母親。
  • オリバー・マンダーズ
    エッグの友人。青年。
  • ミルレー
    チャールズのメイド。
  • サー・バーソロミュー・ストレンジ
    ストレンジ主催のパーティーで死亡する。精神科医。チャールズの友人。
  • アニー
    ストレンジのメイド。
  • エリス
    ストレンジの執事。患者到着をストレンジに伝える。ストレンジ死亡後、姿をくらます。
  • ラッシュブリジャー
    患者。ストレンジのパーティーの最中に療養所に到着する。
  • スティーブン・バビントン
    チャールズ主催のパーティーで死亡する。牧師。
  • バビントン夫人
    牧師の妻。
  • デリク・デイカーズ
    大尉。賭博に溺れている。
  • シンシア・デイカーズ
    デリクの妻。婦人服メーカーのオーナー。
  • ミュリエル・ウィルズ
    劇作家。精神科医ストレンジの屋敷をうろつく。

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。

役名 役者名
Sir Charles Cartwright
チャールズ
Martin Shaw
Egg
エッグ
Kimberley Nixon
Oliver Manders
オリバー
Tom Wisdom
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事件のまとめ・謎

牧師、精神科医、患者の3人が死亡します。牧師は一度病死と判断されますが、後に毒殺であることが判明します。死んだ3名は全員、同じ毒物による殺人ということになります。犯人ももちろん謎ですが、その動機、特に牧師殺害の動機が謎めいています。その他、消えた執事の行方なども謎です。

  • 牧師の死
    グラスから毒物が検出されなかったことや病気がちだったことなどを理由に、当初は病死と判断されていましたが、他殺であることが明らかになります。ところが、牧師殺害の明確な動機をもつ人物はおらず、さらに、牧師が毒入りのグラスを選んだのは偶然のようでした。
  • 精神科医殺害
    精神科医のサー・バーソロミュー・ストレンジは毒入りのポートワインを飲んで死亡しました。牧師の時と同様に、グラスから毒物は検出されませんでした。ストレンジ医師は何かを知っていたようですが、その何かを口にする直前に死んでしまいました。
  • 執事失踪
    パーティーで給仕などをしていた執事エリスが行方不明になります。この執事は雇われたばかりのようでした。
  • 患者殺害
    死んだ精神科医の療養所で、ラッシュブリジャーという女性患者が毒殺されます。チョコの中に毒が入っていたようです。
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伏線・手掛かり

殺人事件の謎を解く手掛かりをまとめます。

証言

死んだストレンジ医師のメイドが重要な証言をしています。まず、いなくなった執事について、社交界のスキャンダルに詳しい、執事として素人ではないが今まで一緒になった執事とはやり方が違った、などと証言しています。
そして、ストレンジ先生については、パーティーの最中陽気だった、珍しく人をからかっていたと話します。ストレンジがからかったのは執事で、「君は優秀な執事だ」と言っていたようです。

  • 電話
    メイドは、パーティーの最中、執事がストレンジに伝言を伝えに行ったとも話しています。伝言は療養所にラッシュブリンジャーという患者が着いたという内容でした。伝言は療養所から電話で執事に伝えられたようです。
  • 劇作家
    劇作家の女性・ウィルズは精神科医の屋敷に秘密の通路があると話しています。この通路を取って殺人犯が逃げたというのが、関係者の認識のようです。ウィルズは秘密の通路を探して、屋敷をうろついていました。ウィルズは消えた執事の手に赤いアザがあったことも話しています。チャールズの手をみて、アザの場所を示しています。その後、何かに気付いたようですが、それは語りませんでした。
  • 夫婦
    大尉と洋服オーナーは劇作家のウィルズが何かを嗅ぎまわっていると話しています。エッグがふたりに鎌をかけていますが、牧師との面識はなさそうです。夫の方は妻のパトロンについて話してます。精神科医のストレンジがパトロンを世界一周旅行へ向かわせ、その間、妻はパトロンの小切手を使い込んでいるというような内容でした。
  • 親子
    エッグの親子は秘密の通路について何も知らないようです。
    エッグに関しては、牧師の息子との間に、あまりよくない噂が立っているようです。この件に関して、詳細は不明です。
  • 青年
    オリバーは精神科医のパーティーに闖入しました。偶然、近所で事故に遭ったと話していましたが、本当は、精神科医に手紙で乱入を指示されたためでした。精神科医から届いたという手紙は証拠になりえますが、オリバーは持っているとまずいと思い燃やしてしまったようです。
  • カクテル
    精神科医のストレンジはカクテル(パーティーで振舞われたのはドライ・マティーニ)を飲まなかったようです。チャールズが証言しています。
    この証言によって、犯人がストレンジを殺そうとして失敗し牧師を死なせてしまった、という推理は否定されます。

証拠

執事の部屋の不自然なところにインクが落ちており、これがきっかけで暖炉の裏に隠された手紙がみつかります。その手紙は金を要求するような内容が書かれていました。
また、ポワロに患者であるラッシュブリジャーから電報が届きます。それは、ストレンジ先生の死について重要な情報を持っているという内容でした。電報を受け取って療養所へ向かったポワロですが、到着したときには、既に殺されていました。この電報を送ったのは子供で、ホームレス風の人物に頼まれてやったそうです。

ポワロとチャールズが協力し、グラスから毒物を検出させない手口を明らかにしています。その手口は被害者が倒れた直後に飲んだグラスをすり替えるというものでした。被害者が倒れた直後であれば、誰もが被害者に注目しているため、グラスのすり替えが目撃されることはありません。このことをポワロとチャールズは、チャールズが毒を飲んだふりをすることで実証しています。この実験で、ポワロはある人物の表情に注目していましたが、その人物については明かされません。

牧師殺害の新聞をよんだサー・チャールズのメイドが、ひどく取り乱しています。そして彼女は、林の中にある建物の中で、化学実験の器具を破壊しようとします。しかしこの行為はポワロによって止められます。

ポワロはエッグの通し稽古という言葉で、真相に気付きます。通し稽古というのは舞台用語のようですが、意味は予行練習と同じです。

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ネタバレ

犯人はサー・チャールズ・カートライトです。チャールズは既婚者でしたが、エッグと結婚するために、邪魔者を殺害しました。邪魔者のひとりは結婚を知るストレンジ先生で、もうひとりは妻です。死んだ患者はチャールズの妻でした。そして牧師はストレンジ殺害の練習で殺されました。

犯人のチャールズは殺人の練習のため、自分のパーティーで振舞われたカクテルに毒を入れました。犯人にとって、死ぬのは誰でもよく、不運にも牧師が毒入りカクテルを手に取りました。牧師のグラスから毒物が検出されなかったのは、犯人がグラスをすり替えたためです。

チャールズは昔からの友人だったストレンジ医師を殺し、さらに、診療所の妻・ラッシュブリジャーも殺しました。少年に電報を依頼したホームレスというのは、チャールズが変装した姿です。

ストレンジが毒殺されたパーティーに、チャールズは参加していないはずでした。しかし、実はチャールズは執事のエリスに変装してパーティーに紛れ込んでいました。ストレンジ先生が「君は優秀な執事」と言ったのは、チャールズの変装に気付いていたためです。そして、ストレンジが言おうとしていたのは、チャールズの変装についてだったようです。

劇作家のウィルズは赤いシミについて話した時、チャールズの手をみて、チャールズと執事が同一人物であることに気付きました。そのあと行方不明になったのはポワロが避難させたためです。
チャールズが毒を飲んだふりをするという実験でポワロが表情をみていたのはウィルズでした。執事の正体に気付いたウィルズはチャールズを疑っていましたが、チャールズが倒れたため、ひどく驚いた様子でした。

なお、執事が残したインクの染みや脅迫文は、すべて犯人の残した偽りの証拠でした。

サー・チャールズのメイドは主人の化学実験を知っていました。そして、犯人が主人であること気付き、取り乱していたようです。

結末

舞台でポワロ劇場が始まり、真実が明かされます。犯人のサー・チャールズ・カートライトは自ら舞台を降り、結婚相手が真犯人だったと明かされたエッグは涙を流しながら舞台裏へと姿を消します。残った劇作家のウィルズとポワロは、自分が毒殺されていたかもしれないと語ります。

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感想

殺人の練習をするという慎重な犯人でした。練習で捕まったら元も子もないですが、練習で捕まるような犯行計画は本番で試してもうまくいきそうにないので、ぶっつけ本番よりはましなのかもしれません。パトロンの話はなんだったのかと思いますが、あれは、本当に妄想だったのかでしょうか。牧師の息子の話も、結局、事件には関係なかったようです。
原作には「三幕の殺人(アメリカで出版された内容)」と「三幕の悲劇(イギリスで出版された内容)」という二つの作品があります。大筋は同じですが、動機が異なります。デビット・スーシェ版ドラマは「三幕の殺人」の内容であり、原作とドラマはほぼ同じです。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「三幕の殺人」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼 殺人の調査
事件分類 動機不明の殺人
最初の殺人の動機
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