古畑任三郎S1E5「汚れた王将」のあらすじとトリック解説です。将棋棋士の米沢八段(坂東八十助さん)が犯人です。
あらすじ
米沢八段は対局に勝つため、封じ手で不正をします。この不正に立会人の大石が気付いたため、米沢は大石を撲殺します。不正を働き、大石を殺害して臨んだ対局でしたが、将棋の駒についた大石の血痕を隠そうとして、結局、米沢は負けてしまいます。最後は、不正を見抜き、駒の血痕に気付いた古畑に問い詰められ、米沢は捕まります。

最初のセリフ
パジャマのボタンを止めてから、全部ずれていた事に気づく事ってよくあります。パジャマを着る時は必ずボタン下から止めて下さい。まず掛け違える事はありません。合理的に生きるっていうのはつまりそういう事で……。
暗転のセリフ
思っていた通りでした。えー、試合に使った駒。昨夜米沢八段の部屋にあったものでした。今日のポイントは2つ。まず米沢八段が使った封じ手のトリック。そしてもう1つ、なぜ八段は勝てるはずの勝負を捨てなければならなかったのか?今日はちょっと急いでますんでこの辺で。古畑任三郎でした……。
登場人物(キャスト)
主な登場人物をまとめます。
| 名前 | キャスト | 説明 |
|---|---|---|
| 米沢八段 | 坂東八十助 | 犯人 将棋棋士 |
| 大石 | 小林昭二 | 被害者 立会人 |
立会人の立花を演じているのはコロンボの吹き替えで有名な石田太郎氏です。
犯人
米沢八段(よねざわ・はちだん)
将棋棋士。ファーストネームは不明。八段は名前ではない。第八期竜人戦で中谷竜人(なかたに・りゅうじん)と対局するが、連敗する。対局に勝つため不正をはたらくが、結局、負けてしまう。殺人の方はカッとなってやってしまった感じであるし、偽装工作は風呂場で転んだようにみせるというもので、わかりやすくてシンプル。封じ手の不正は、カーボン紙を使ってうまく捨てるという専門的な知識かつプロのマジシャンのような手さばきをみせることになっている。というわけで、殺人は素人っぽいが、不正は熟練のドロボーのようである。
トリック解説
米沢は不正を暴かれそうになったため、自室で大石を殺します。殺人に計画性はありませんでしたが、犯行を隠すため、大石が風呂場で転んで死んだようにみせようとします。偽装工作のため、大石が着ていた背広を脱がせ、畳んでいます。
封じ手については、カーボン紙を使って複写するというトリックを使っています。封筒にカーボン紙をいれ、つまようじで封筒の上からなぞれば、密封された封筒の中の紙に文字が書けます。米沢は何も書かずに封筒をとじ、一晩じっくり考えていたようです。翌日、カーボン紙入りの封筒をなぞって封じ手を書けば、前日に紙に書いたようにみえます。封筒の中にカーボン紙が残りますが、これは米沢がうまく処分しています。
犯人のミス
古畑が事故死を疑うきっかけ、及び、犯人を追い詰める証拠です。伏線ともいえます。
ちぐはぐな証拠
米沢は大石の着ていた背広を畳みました。普通、背広は畳まずハンガーにかけます。そのため、大石以外の背広に慣れていない人物が畳んだ、という状況証拠になります。なお、風呂場で転んで亡くなったという偽装工作に対して疑問を抱くような内容とはなっておらず、あくまで、誰かが現場にいたということを示す状況証拠です。
犯行の証拠
将棋における不正や、米沢八段による犯行を裏付ける証拠です。
- 封じ手の「古」
封じ手には「古」の文字が残っていました。これは、封じ手の上でサインをした古畑の「古」の文字でした。この一文字は、カーボン紙が使われたのではないかという手がかりになります。 - 血痕のついた駒
大石が死んだことで、対局に使う将棋盤や駒が金庫から取り出せなくなってしまいました。そのため、急遽、犯人の米沢が持っていた駒などを使うことになります。米沢の駒には、大石を殴った時に飛び散った血痕が付いていました。これを隠すため、米沢は、対局で、考えられないような下手な手を打ちます。
感想
封じ手のトリック、駒の血痕という決定的な証拠など、将棋をモチーフにした作品でした。将棋に詳しい視聴者にとっては、リアリティに欠ける内容なのかもしれません。しかしながら、専門的な内容を取り込んだ作品は、忠実に再現したり、詳しく説明すると作品として面白くなくなってしまう気もします(そもそも犯罪捜査という専門的な内容がメインですが)。ちなみに、名探偵コナンの作者・青山剛昌さんはこのエピソードをお気に入りに挙げています。
刑事の何気ない行動が事件解決の伏線になっているというエピソードは、刑事コロンボ「二枚のドガの絵」などが御座います。
この記事のまとめ
古畑任三郎「汚れた王将」について、ネタバレありであらすじをご紹介しました。ちなみにこのエピソードは名探偵コナンの著者・青山剛昌先生のオススメだったりします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犯行 | 突発性殺人 |
| 手口 | 鈍器で撲殺 |
| 動機 | 不正の隠蔽 |
| 偽装工作 | 風呂で転倒死 |
| トリック | 封じ手※ |
| ミス | 将棋の駒の血痕 |
| 罠 | ― |
※将棋不正のトリックですので、動機に関係しますが、犯行のトリックではありません
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 脚本 | 三谷幸喜 |
| 監督 | 関口静夫 |
| 演出 | 星護 |
| 長さ | 46分 |
| 放送 | 1994年 5月4日(水) |

