悪の温室・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ11】

刑事コロンボS2E2・第11話『悪の温室(The Greenhouse Jungle)』のあらすじとトリック解説です。蘭の収集家であるジャービス・グッドウィン(レイ・ミランド)が狂言誘拐に誘った甥を殺害するエピソードです。

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あらすじ(ネタバレ注意)

ジャービス・グッドウィンは多額の資金を集めるため、金に困っていた甥のトニーと共謀し、狂言誘拐を起こします。身代金を受け取ったジャービスは、人質および犯人を演じたトニーを殺害。金をすべて自分のものにします。
トニー殺害の前から誘拐事件の捜査にあたっていたコロンボは、いくつかの不自然な状況から、誘拐殺人に疑念を抱きます。

その後、ジャービスはトニー殺害をトニーの妻に着せようとして、凶器の拳銃と妻の拳銃をすり替えます。しかし、線条痕から銃の所有者がジャービスであるとことが判明し、ジャービスは逮捕されます。

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登場人物とキャスト

  • コロンボ警部(ピーター・フォーク 声:小池朝雄)
  • 【犯人】ジャービス・グッドウィン(レイ・ミランド 声:臼井正明 / 小林修)
    蘭の収集家。トニー の叔父。皮肉屋で口が悪い
  • 【被害者】トニー・グッドウィン(ブラッドフォード・ディルマン 声:山田康雄)
    ジャービスの甥。妻キャシーを取り戻すためにお金が必要
  • キャシー・グッドウィン(サンドラ・スミス 声:阪口美奈子)
    トニーの妻。浪費家で、ケン・ニコルズと不倫関係にある
  • フレデリック・ウィルソン刑事(ボブ・ディシー 声:野本礼三)
    コロンボの(いちおう)若き相棒
  • グロリア・ウエスト(アーリーン・マーテル 声:北浜晴子)
    トニーの元受付嬢で、親密な関係
  • ケン・ニコルズ(ウィリアム・スミス 声:津嘉山正種)
    キャシーの愛人
  • グローバー刑事(ロバート・カーネス 声:寺島幹夫)
    ウィルソン刑事と共に捜査にあたるベテラン刑事
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トリック解説

ジャービスは甥を狂言誘拐に誘い、殺します。発端は、甥のトニー・グッドウィンから、自由に使うことのできない信託財産を引き出す方法について相談を受けたことといえます。そして、緊急事態であれば信託財産であっても現金を引き出せることを利用します。

狂言誘拐

人質役はトニーです。トニーは犯人役も演じます。狂言誘拐では、トニーの妻が脅される立場になります。ジャービスとトニーは、トニーが車の中で襲われたように偽装し、愛車を崖から突き落とします。金を受け取るのはストッキングを被ったトニーです。そして、受け渡すのはジャービスです。金を受け取ったトニーは、ジャービスの車のトランクに隠れ、警察から逃れます。

殺人

ジャービスは、トニーを拳銃で撃って殺害します。凶器となった銃をトニーの妻のものとすり替え、罪をなすりつけようとします。

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犯人のミス

コロンボが狂言誘拐に気付くきっかけ、犯人を追い詰める証拠です。

ちぐはぐな証拠

トニーが誘拐されたことを偽装するため、車を崖から突き落としましたが、いくつか不審な点がありました。

  • 車のギア
    落下した車のギアはニュートラルに入っていました。停止していたとしか思えない状況です
  • 車のライト
    誘拐された時刻は夜でしたが、車のライトはオフのままでした
  • 血痕
    ジャービズらは、誘拐を偽装するため、車の中で一度発砲します。この発砲の痕跡から、血痕が車内に付着していてもおかしくない状況でしたが、それらしきものは残っていませんでした

決定的な証拠

身代金受け渡しの様子を特殊なカメラで撮影されたため、身代金を受け取ったのがトニーであることが判明します。より決定的なのは銃と弾丸です。
ジャービスは、車での発砲と、甥トニーの殺害に使った銃をトニーの妻の銃とすり替えます。すり替えによって、トニー殺害に使われた銃と妻の銃が一致し、妻が逮捕されかけますが、3つ目の弾丸の登場により、妻のものと思われていた拳銃がジャービスのものであることが判明します。

3つ目の弾丸というのは、ジャービスが1年前に強盗を撃った時の弾丸です。この弾丸が温室に残っていました。これは間違いなく、ジャービスが自分の拳銃で発砲しています。

1つ目の弾丸はトニーの車で発砲した際に残った弾丸です。2つ目はトニー殺害時に残った弾丸です。

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感想

狂言誘拐ではありませんが、狂言自殺であれば古畑任三郎「ゲームの達人」に登場します。「ゲームの達人」についてはこちらにまとめています。ちなみに、三谷幸喜さん脚本の映画『スオミの話をしよう』では、誘拐事件が描かれています。

  • ポジティブ感想
    • レイ・ミランドの犯人役の演技が素晴らしい
    • ウィルソン刑事の登場が新鮮で、コロンボとの対比やコミカルなやり取りが面白い
    • 殺人が起こるまでのスリリングな展開が良い
    • コロンボが崖から転がり落ちるシーンが印象的で面白い(スタントなしでピーター・フォーク本人が演じた)
    • ラストの伏線回収と証拠提示が見事
    • 音楽(オリヴァー・ネルソン担当)が良い
    • ピーター・フォークのコロンボ役が円熟している
  • ネガティブ感想
    • ストーリー展開が間延びしており、特に前半の狂言誘拐パートが長い
    • 登場人物(犯人、被害者、その妻など)に感情移入しにくい。性悪な人物が多い
    • 犯人の動機や背景の説明が不足している
    • 温室というテーマがあまり活かされていない
    • 狂言誘拐というテーマは他のエピソードでも扱われており、目新しさに欠ける
    • コロンボが犯人を追い詰める定番の展開が少ない

口コミ分析

海外のレビューではkidnapping(誘拐)、murder(殺人)などが書き込まれています。

一方、国内のレビューには、金属探知、細かい演技などが書き込まれています。

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考察

『弾道鑑定』と『銃のすり替え』という事実から、ジャービスが犯人であることは合理的に間違いなさそうです。ミステリーによくある〈どんでん返し〉が起きて、実は第三者がジャービスの銃を盗んで犯行に及んだ!みたいな事実と決定的な証拠があれば別ですが、そういう展開はない方がいいと思います。仮に、第三者の真犯人がいたとしたら……、かなりアンフェアな描き方になっています。

ジャービスは、犯行後、自分の銃(凶器)とキャシーの銃(同口径)をひそかにすり替え、キャシーの家に凶器をおいています。さらに、キャシーの銃をあたかも自分の銃であるかのようにして警察に提出しています。この一連の行動は、自分が犯人であることを隠蔽しキャシーに罪を着せようとしたとしか思えません。犯人でないなら、実は麻薬中毒で意味不明なことをやってしまうとか、心神喪失とか、そういった言い訳をするしかないでしょうか(納得できる気はしません)。

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小ネタ

  • ウィルソン刑事
    ボブ・ディシー演じるウィルソン刑事は、本作と第36話「魔術師の幻想」に登場します。かなり出番の少ない相棒といえます
  • レイ・ミランド
    犯人ジャービス役のレイ・ミランドは、第4話「指輪の爪あと」にも被害者の夫役で出演しています。アカデミー主演男優賞受賞歴のある名優です
  • ロケ地
    キャシーのヨットハーバーは、第31話「5時30分の目撃者」と同じマリナ・デル・レイ(Wikipedia)で撮影されました
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「悪の温室」について、あらすじやトリックをご紹介しました。原題は「The Greenhouse Jungle(温室の森)」で、『悪』を意味する単語は使われていないようです。ドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。殺人の動機は、口封じともいえます。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 誘拐殺人を偽装
ミス 1年前の弾丸
動機 資金集め
凶器 拳銃
トリック 狂言誘拐で本当に殺す
コロンボの罠
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