名探偵ポワロ・第13話
名探偵ポワロ『消えた廃坑(The Lost Mine)』のあらすじ、トリック解説です。ある中国人が銀鉱山の在り処を記す地図を持ってイギリスへとやってきますが、何者かによって殺されてしまいます。
あらすじ
ポワロがある銀行の頭取から引き受けた依頼は『銀鉱山の地図を所持する中国人ウー・リンを探してほしい』というものだった。その後すぐに、ウー・リンは死体となって発見されるのだが、地図は行方不明だった。
殺された中国人が宿泊していたホテルにはメモ帳が残されており、そこには、レスターという名前が記されていた。ジャップ警部は来英時、ウー・リンが乗船した船に親しくしていた人物がいることを突き止め、その人物を追う。一方ポワロはレスターから事情を聴くのだが、彼はウー・リンとの関係の一切を否定する。
ところが、捜査が進むにつれ、レスターの嘘が明らかになる。彼の上着のポケットからは被害者ウー・リンのパスポートという証拠も見つかる…。
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン、ジャップ警部以外の登場人物です。
- ピアソン
依頼人。銀行の頭取 - ハン・ウー・リン
被害者。銀鉱山の場所を記した地図を所持し訪英 - チャールズ・レスター
株式仲買人 - レジナルド・ダイアー
ジャップ警部が追う人物
注目のシーン
勝負師風のヘイスティングス大尉。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
謎
ウー・リン殺害の犯人は誰か、被害者が所持していた地図の行方など謎といえます。
中国人殺害の謎
ウー・リンは後ろから3回以上刺されて死んでいました。彼は銀鉱山の場所を示す地図を持っており、その地図を銀行に売ろうとしていました。
足取り
被害者は船でイギリスを訪れ、その後、ホテルへ向かいました。ホテルの受付では喫煙のため、マッチの火を求めたようです。
翌日、再びホテルの受付に現れます。ところが、その後に予定されていた銀行との交渉の場には姿を現しませんでした。
レスターの謎
レスターは嘘をついてます。何故、嘘をついているのか、彼がウー・リン殺害の犯人なのか、犯人ではないとすればどのように事件に関わっているのかなどなど、様々な疑問が思い付きます。
手掛かり
殺人の真相を明らかにするヒントです。
証言
頭取は死体発見時、「ウー・リンの顔は知らない」と発言をしています。しかしながら、ポワロが預金残高を確認したとき、頭取は、ウー・リンを知っているような対応をしています。
ポワロやジャップ警部は辿り着いていないようですが、死体発見時、ある女性が、死体のそばに立っていた人物を目撃しているはずです。この男は、株式仲買人のレスターです。
証拠
ホテルに現れたウー・リンは、いくつかの証拠を残しています。
- カバンのマッチ
ウー・リンはホテルの受付でマッチを借りています。しかし、カバンの中には、マッチが入っていました。
つまり、わざわざマッチを借りたことになります。 - 吸いさしの色
ウー・リンがホテルで吸った煙草には、不自然な色が付いていました。
ホテルに現れたウー・リンをよくみると、歯が黒くなっています。
真相(ネタバレ注意)
依頼人のピアソン頭取が犯人です。
彼は、船でイギリスにやって来たウー・リンを殺害し、地図を奪いました。ホテルに現れたのは本物のウー・リンではなく、頭取の共犯者の変装です。
中国人殺人の真相
ウー・リンはイギリス到着後、まもなく、頭取に殺されます。
殺害後、共犯者がウー・リンの振りをしてホテルへと向かっています。マッチを要求したのはカバンにマッチが入っていることを知らなかったからです。そして、煙草の吸殻に色が付いたのは変装のため、歯を黒く塗っていたためです。
頭取のミス
銀行で「この人はウー・リンではない」と断言できたのは、ウー・リンの顔を知っていたためです。さらに頭取はレスターの上着に入っていたのがパスポートであるという発言もしています・
つまり頭取は、2度も口を滑らせたことになります。
レスターの正体
レスターは無実ですが、自分が殺したと思い込んでいました。
アヘン中毒者だった彼は中国人殺害の罪を着せられようとしていました。アヘンで意識を失っているときに、死体のそばで意識を取り戻したため、殺人を犯したと思い込んでしまいます。
死体のそばで寝ころんでいた理由は、犯人がアヘンで意識を失ったレスターを死体のそばに移動させたためです。このときレスターは上着にパスポートを入れられています。
結末
ギャンブル狂いだったピアソン頭取。手口や動機を、ポワロに明らかにされ、無言のまま、ポワロを一瞥し、警察に連行されます。
感想と考察
どうでもいい話ですが、モノポリーで遊びたくなるエピソードでした。
変装を使ってウー・リンが生きているようにみせたのは、犯行時刻を誤魔化すためだと考えられます。変装者に共犯者を使えば、変装トリックによって捏造された犯行時刻に、真犯人のアリバイが作られます。実行犯である共犯者には全くアリバイが成立しないので、アヘン中毒者を使って犯人に仕立て上げています。二重に仕掛けられたトリックという感じです。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「消えた廃坑(The Lost Mine)」のあらすじ、真相をご紹介しました。このエピソードは英国放送でも第13話です。
- ポワロが銀行の頭取に人探しを依頼されるが、探していた人物の死体が発見されてしまう
- レスターなる人物が怪しいようだが…
- 犯人は依頼人の頭取だった。依頼人は共犯者を使ってアリバイを捏造し、さらにアヘン中毒者のレスターに罪をなすりつけようとしていた
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 監督 | エドワード・ベネット Edward Bennett |
| 脚本 | マイケル・ベイカー Michael Baker |
| 脚本 | デビッド・レンウィック David Renwick |
| 原作 | アガサ・クリスティ Agatha Christie |
| 制作 | LWT (現ITV) |

