サウンドノベルゲーム『かまいたちの夜』のあらすじ、真相(犯人)、トリックなどをまとめています。サウンドノベルゲームは小説を読むような感覚で進めるゲームです。BGMやSEが場面に合わせて流れ、雰囲気を盛り上げてくれます。

©チュンソフト かまいたちの夜
あらすじ
主人公の透(とおる)は恋心を抱く真理にスキー旅行に誘われ、ウキウキだった。スキーでいい所をみせたとは言えない透が真理と宿泊したのは、真理の叔父が経営する長野県のペンション“シュプール”だった。雰囲気がよくて食事も美味しいペンションだったが、ひどい吹雪によって宿泊客達はペンションに閉じ込められてしまう。
ペンションには様々な客が宿泊していたが、中でも目立ったのは田中という人物だった。どうやら彼は一人らしく、コートと帽子にサングラスという服装がいかにも怪しい。誰かと会話している様子もなく、ペンションの従業員も遠ざけているようだった…。
夕食後、女子三人組の部屋から「こんや、12じ、だれかがしぬ」という置手紙がみつかる。和気あいあいとした雰囲気に水を差すような予告状だった。直後に、最後の宿泊客である美樹本から電話が入る。「今、駅にいる」そう電話で伝えた美樹本がペンションに姿を現したのは夜の八時半頃だった。
怪しい田中を除き、他の宿泊客達は談話室での歓談を楽しんだ。雪の中、遅れてやってきた美樹本も加わり、ほぼ全員が談話室に集まった。すると、ガラスの割れる音がペンション内に響いく。時刻は夜九時頃だった。
不穏な雰囲気を感じとった従業員や客たちは、ペンション内の安全を確かめることにした。あらゆるところを点検し、特に異常はなさそうだったが、田中の部屋だけは、まだ誰も調べていなかった。ドアをノックする。しかし返答はなかった。部屋の中に入ってみると、窓が開いており、雪が室内に吹き込んでいた。窓を閉めようと近づくと、人のバラバラ死体が発見される。
かまいたちの仕業に違いない…。ある宿泊客がそんな妄言を吐く中、吹雪に閉ざされたペンションで殺人鬼の影におびえる宿泊客と従業員。一同は犯人捜しを始めるが――。
登場人物
吹雪のペンションに閉じ込められた人物です。この中に真犯人がおり、真相が明らかになるまでは全員が容疑者といえます。なお、主人公とその彼女の名前は変更できます。
- 透(とおる)
主人公。大学生。この人物の視点で物語が進行する - 真理(まり)
まり。主人公の彼女。彼女ではあるがそこまで深い関係ではない。シュプールのオーナーの姪 - 香山誠一(かやま・せいいち)
関西人。社長 - 香山春子(かやま・はるこ)
誠一の妻。関西弁ではない - 渡瀬可奈子(わたせ・かなこ)
会社員。ロングヘアーが特徴。OL三人組のひとり - 河村亜希(かわむら・あき)
会社員。眼鏡が特徴。OL三人組のひとり - 北野啓子(きたの・けいこ)
会社員。ぽっちゃりな体型が特徴。OL三人組のひとり - 美樹本洋介(みきもと・ようすけ)
カメラマン。あごひげの男性。遅れたやってきた客 - 田中一郎(たなか・いちろう)
夕食に姿を現した怪しい男。主人公いわく、ヤクザ風の男 - 小林二郎(こばやし・じろう)
シュプールのオーナー。真理の叔父 - 小林今日子(こばやしきょうこ)
二朗の妻。真理の義理の叔母 - 久保田俊夫(くぼた・としお)
住み込みのアルバイト。単位不足で留年中 - 篠崎みどり(しのざき・みどり)
住み込みのアルバイト - ジェニー
猫
真相(ネタバレ注意)
犯人は美樹本洋介です。美樹本とヤクザ風の男(田中一郎)は同一人物であり、あごひげはつけ髭です。
美樹本洋介は実は銀行強盗犯です。バラバラになっていた男は共犯者で本当の名前は南です。美樹本は銀行強盗の取り分で揉めたため、南を殺しました。強盗以前から殺す計画を立てていたわけではなく、突発的に殺してしまったといえます。
美樹本がペンションに来たのは、強盗後、雪山に身を隠すためです。そして、田中という架空の人物をつくり、田中が南を殺害した強盗犯であるようにみせようとしていました。
犯人
- 美樹本洋介(みきもと・ようすけ)=田中一郎(たなか・いちろう)
逃亡中の銀行強盗犯。田中一郎なる架空の人物になりすましてペンションを訪れ、部屋に共犯者の死体を遺棄したあと、窓から外に出て、何食わぬ顔で再びペンションを訪れた。もしもここで美樹本=田中だとバレていたら、それはそれで、また違うシナリオが始まっていたに違いない。特殊メイクでもな変装がそうそううまくいくかね、と疑問に思ったりもするが、化粧のビフォー/アフターみたいなこともあるので、そこまで非現実的ではないのかもしれない。
仕掛けたのはアリバイトリックで、他の客とずっと一緒だった美樹本には完璧なアリバイがあった。もちろんこれは、美樹本=田中というのがわかっていない状況で成り立っていたわけであるが、警察のような犯罪捜査のプロが不在なので、そもそも事件はだいぶぼんやりしている。真っ先に死体へと駆け寄って「死んでる」みたいな発言をする医者でもなんでもない奴は要注意なわけで、そんな罠が頻発してしまうのが、クローズドサークルというシチュエーションだったりする。被害者の身元がわからないのはもちろん、死亡推定時刻もはっきりしない。身元については、美樹本の共犯者だった南が田中に変装していたかもしれないので、わかったところであまり役には立ちそうにないのだが、死亡推定時刻がわかれば、少なくとも美樹本のアリバイは崩れるはずである。だがしかし、バラバラ死体はキンキンに冷えていた。冷凍庫で保存していました状態なので、正確に割り出すのは難しそうである。そう考えてみると、検死すればもっと普通の事件だったはず、というわけでもなさそうなので、やはり、かなり奥深いミステリーだと思えたりする。
トリック
犯人の美樹本は南殺害に関して、多重のアリバイ工作を仕組みます。そして、田中が何者かに殺され、犯人は窓からどこかへ逃亡したようにみせています。犯行手口をまとめると以下のようになります。
- 変装
美樹本は田中に変装してペンションを訪れます。その後、ペンションを抜け出し、美樹本のふりをして電話をかけ、八時半ごろにペンションを再訪します。このトリックにより、八時半以前に美樹本はペンションにいなかったことになります - 予告状
「こんや、12じ、だれかがしぬ」。この置手紙がみつかったのは美樹本が到着する前です。ペンションにいなかった美樹本には手紙を仕込むことができないため、容疑者から外れます(予告状通りに誰かが死ねば、予告状を置いた人物=犯人と考えられるはずです。別の人物であると考えることができますが、偶然同じタイミングで脅迫と殺人が起きたというのは、考えにくいです。よって、予告状を置くことができなかった美樹本は容疑者から外される可能性が高くなります) - 歓談
美樹本としてペンションに到着した後、一人になってしまうとアリバイがなくなってしまいます。そのため美樹本は歓談室で宿泊客と一緒に過ごしています - 窓ガラス
美樹本はペンションを抜け出した時、板、ロープ、屋根の雪を使って窓が勝手に開く仕掛けを作っていました。この仕掛けにより、観音開きの窓が180度開けば、建物の外壁にぶつかり、窓が割れます。窓が割れることで死体が発見され、美樹本のアリバイが成立します。仮に、夜が更けて一同が解散してしまった場合、誰にでも犯行が可能な状況になり、美樹本の変装トリックは台無しになってしまいます。死体発見は美樹本が他の客と一緒に過ごしているときでないといけないわけです

©チュンソフト かまいたちの夜
エンディングと分岐について
かまいたちの夜には複数のエンディングが用意されており、プレイヤーの選択によって展開が変わります。
骨子となるメインストーリはミステリー編と呼ばれます。バラバラ死体の殺人犯を見つけ出せなければ、次々に殺人が起き、主人公が死ぬ場合もあります。ミステリー編はホラー要素がモリモリですが、他のシナリオはコメディやアドベンチャー要素を含んでおり、大きく雰囲気が変わります。
グッドエンディングをみただけでは、事件の全貌を知ることはできません。バッドエンドへと続くシナリオの中に、事件のヒントや伏線が隠されています。
- グッドエンド
バラバラ死体発見後、すぐに犯人を言い当てれば、グッドエンドとなり、シュプールの関係者や宿泊客は全員生き残ります。なお、南が生存するルートはありません - バッドエンド
死体発見後、すぐに真相を見抜けなかった場合、さらに被害者が増えます - みどり殺害
犯人に気が付いた篠崎みどりが、美樹本によって殺されます。
この時点で、美樹本の犯行に気付いたとしても、みどりと恋仲にあった久保田俊夫が自殺します - 死んだふり
みどりの死後、美樹本が死んだふりをして、被害者になりすまします。その後も真犯人を告発できない場合は、殺人鬼に変貌した美樹本により、小林夫妻、香山誠一、久保田敏夫など、場合によっては主人公も殺されます
考察
殺人を繰り返した理由の考察です。
南殺害の隠蔽に関して美樹本は、緻密なアリバイ工作を仕込み完全犯罪を成し遂げようとしています。しかし、篠崎みどりによって、あっさり見抜かれます。焦った美樹本はみどりを殺害します。南のときのような計画は皆無で、行き当たりばったりの殺人といえます。
警察でもなんでもない人間に犯行を見破られたこと、さらに、突発的に犯してしまった二つ目の殺人によって、美樹本は合理的な判断を失い凶行に及んだと考えられます。
もしも、美樹本がみどり殺害後に錯乱状態でなかったとすれば、皆殺しにして事件発覚を遅らせる狙いがあったとも考えられます。ペンションでの事件が発覚する前に、海外などに逃亡できれば、逮捕を免れるかもしれません。
この記事のまとめ
「かまいたちの夜(Banshee’s Last Cry)」のあらすじ、登場人物、真相(犯人や動機)、トリック、考察をご紹介しました。
このゲームは、リアルなストーリー展開に加え、緊張感のある演出が特徴的な推理ゲームといえます。物語の中に散りばめられたシナリオ分岐も魅力の一つです。多くのファンを獲得したこのゲームは、今でもYouTubeに実況動画などがアップロードされています。
輪廻彩声というリメイク版も発売されており、こちらはキャラが“青い影”ではありません。しかしながら、ミステリー編の発端や展開、犯人、手口、動機などは同じです。
最後に「かまいたちの夜」以外のおすすめサウンドノベルゲームも紹介します。
- 428封鎖された渋谷で
実写写真と動画を使ったサウンドノベル。渋谷で起こった誘拐事件を軸に、5人の主人公の物語が交錯する - Dの食卓
かまいたちの夜と同じチュンソフト制作。謎の屋敷に迷い込んだ主人公は「D」と名乗る人物から殺人ゲームに巻き込まれる

