「准教授の身代金」のあらすじとネタバレ解説(犯人やトリックなどの紹介および考察)をまとめています。原作は有栖川有栖氏による推理小説で、短編集「モロッコ水晶の謎」に収録されています。
あらすじ
人気俳優の志摩征夫が誘拐された。京都府警は火村や有栖と共に極秘捜査を始める。
志摩の妻・恵里香によれば、彼女が九州から京都に戻ってきた直後に犯人から脅迫電話があったそうだ。3000万円の身代金を要求した犯人は、恵里香に対して「警察に連絡したら志摩征夫の命はない」と脅しをかけていた。誘拐を知った恵里香は、警察には知らせずにいるつもりだったが、志摩のマネージャー・城戸が誘拐事件を通報し、公けとなった。
捜査が進行する中、志摩宅に差出人不明の荷物――志摩のものと思われる髪の毛の束と脅迫状――が届いた。脅迫状には、明日、身代金をカバンに入れて指定された電車に乗れ、と書かれていた。恵里香は脅迫者から、警察が近くにいることが分かったら志摩の命も危ないと脅されたため、刑事の同行を拒否。代わりに、一応、一般人である火村と有栖が身代金の受け渡しに行くことになる。
翌日。指示通り電車に乗る恵里香達だが、犯人との接触は一切なかった。結局、その日は、何事も起きることなく終わってしまい、火村は犯人が警察の介入を予測して計画を立てていると確信する。
その後、志摩征夫の遺体が廃墟で発見される。捜査の結果、征夫は別の場所で殺害され、その後、死体発見現場の廃墟まで運ばれていたことが判明。そして、恵里香が脅迫電話を受けた時点で、すでに征夫は亡くなっていたということもわかる。しかし、恵里香は脅迫電話で、間違いなく夫の声を聞いたと証言するのだった。
火村は犯人の真の目的は最初から志摩征夫の殺害だったのではないかと推理する。恵里香が犯人である可能性もある。しかし、彼女は九州にいたため、遺体を廃墟まで運ぶことは不可能だった……。

ネタバレ
志摩征夫の殺害犯は妻の恵里香です。恵里香は夫から辛辣な言葉を浴びせられ逆上し、近くにあった置物を夫に投げつけました。
志摩征夫を殺害したのは恵里香に間違いありませんが、志摩の遺体を自宅から運び出し、誘拐の連絡をしたのはマネージャーの城戸でした。城戸は恵里香の犯行を知っていました。なぜ知っていたかというと、志摩の自宅を盗聴していたからです。遺体を運び出したのは、恵里香を救おうと思ったから、ということのようです。そして誘拐を企てたのは、恵里香を支配している感覚を味わいたかったから、だそうです。
トリック
盗聴で殺人を知った真犯人が共犯者として登場し、のちに強請り屋(誘拐犯)になるという展開です。
犯人は、火村と有栖の声だけを盗聴で知っていたため、初めて顔をあわせたとき、火村とアリスの顔と名前を間違えます。これが、疑われるきっかけのようなものになります。真犯人に疑いをかける火村は罠を仕掛けます。「重要な事実が発覚した」とか「志摩家で捜査会議をする」といった嘘を吹き込み、志摩家の盗聴を促しました。
ドラマと原作の違い
1話の絶叫城や2話の異形の客は、原作と同じような内容でしたが、3話はアレンジが加えられています。ドラマは、実行犯を最初から明かすことで視聴者の考えるべき謎を絞り込んでいるようです。つまり、倒叙(犯人が最初にわかるミステリー作品)のような雰囲気になっています。
小説の「准教授の身代金」は「モロッコ水晶の謎」という短編集に収録されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 有栖川有栖 |
| 書名 | 暗い宿 |
| 分類 | 推理小説 (短編集) |
この記事のまとめ
火村英生「准教授の身代金」のあらすじ、真相などをご紹介しました。
- 人気俳優の志摩征夫が誘拐される
- 志摩征夫の遺体が廃墟で発見される
- 殺人犯は恵里香
- 志摩征夫の遺体はマネージャーの城戸が運び出した

