ダリの繭|あらすじとネタバレ解説【火村英生】

ダリの繭」のあらすじとネタバレ解説(犯人やトリックなどの紹介および考察)をまとめています。原作は有栖川有栖氏による長編推理小説「ダリの繭」です。

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あらすじ

火村とアリスは、高級な雰囲気漂うレストランで堂条秀一という宝石商をみかける。ダリ風の個性的なヒゲを持つ秀一は、女性と一緒のようだった。数日後、その秀一は何者かに殺される。遺体の発見者は秀一の弟・秀二と秘書の優子で、優子はレストランで見かけたあの女性だった。

秀一の遺体は彼が愛用するリラクゼーション用カプセルの中に入れられていた。金品が盗まれた痕跡はないことから、犯人は秀一に強い恨みを抱く人物である可能性が浮上する。捜査に協力する火村は遺体が裸でヒゲが剃られていることに違和感を覚えるのだった。

火村は秀一と優子の男女関係を疑うが優子は否定する。どうやら、優子は宝飾デザイナーの長池伸介との関係も噂されているようだった。
秀一には秀二の他に吉住則夫という弟がおり、吉住はアリスの友人だった。秀一の血の付いた服という決定的な証拠が見つかったことで、吉住が犯人と疑われるが……。

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ネタバレ

事件をまとめると、次のようになります。

  • 堂条秀一が殺害される
  • 鈍器で殴られ死んでいた
  • 遺体はカプセルの中に入れられていた
  • 遺体は動かされている(殺害後カプセルの中に入れられた)
  • ヒゲが剃られていた
  • 衣服が消えていた

被害者の堂条秀一はデザイナーの長池伸介を殺す計画を立てていました。秀一は吉住をアリバイ工作のために呼び出し、カプセルに入れた後、長池を殺す予定でした。しかし、長池殺害に失敗し、逆に殺されてしまいます。

正当防衛とはいえ、殺人を犯してしまった長池は、犯行後、吉住の服に被害者の血痕をつけて逃走しました。その後、何も知らずにカプセルから出てきた吉住は秀一の遺体を見つけます。そして、自分が疑われることを恐れて遺体をカプセルに隠しました。自身の服には血が付いていたため、着用せずに持ち帰り、被害者の服を身に着けて現場を後にしました。靴や凶器を持ち帰ったのも吉住です。

トリック

人殺しを計画していた人物が被害者になっています。さらに、最初に死体を見つけた人物が現場を荒らしました。加害者と被害者が逆転し、第一発見者が共犯になったような複雑な構造といえます。

被害者はデザイナーの長池が自宅で殺されたように見せるため、凶器にデザイナーが所有する置物と同じ置物を選びました。デザイナーの自宅を犯行現場に見せることができれば、堂条秀一にアリバイが成立するといういわばアリバイトリックで、アリバイを証言するのが、吉住の役割でした。

同じ置物を凶器にしただけで犯行現場を勘違いさせることができる、というのは飛躍しているように思いますが、これは、その置物がこの世に二つしかない、という設定になっているため、成立するといえます。一つはデザイナーが購入し、もう一つは堂条秀一本人が購入しています。彼に髭がなかったのは、置物を購入するために別人になりすます必要があったからです(トレードマークのヒゲを剃って変装した)。

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ドラマと原作の違い

原作の「ダリの繭」は長編です。ドラマは1時間ということもあり、原作よりもコンパクトなつくりになっている印象です。しかし、おおまかな展開や事件の経緯や真相は、ドラマも原作も同じです。原作は、調査と事実判明が繰り返されていくという展開で、登場人物全員が秘密を抱えているという設定もあります。

項目 内容
著者 有栖川有栖
書名 ダリの繭
分類 推理小説
(短編集)
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この記事のまとめ

火村英生「ダリの繭」のあらすじ、真相などをご紹介しました。

  • 殺人を計画していた堂条秀一が殺害される
  • 真犯人はデザイナーの長池伸介
  • 遺体をカプセルに入れたのは吉住
  • 凶器を手に入れるため秀一はヒゲを剃っていた
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