愛国殺人・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ33】

スポンサーリンク

名探偵ポワロ・第33話

名探偵ポワロ「愛国殺人(One, Two, Buckle My Shoe)」のあらすじ、トリック解説です。
ポワロの通う歯科医院の歯医者が死亡するという事件で、医師が死ぬ直前までポワロは治療を受けていました。

あらすじ

ポワロがとある歯科医師の治療を受けたその数時間後、歯科医師の死体が発見される。歯科医師は銃を握っており、こめかみに一発、銃創があった。その後、ポワロよりも後に治療を受けた髭のギリシャ人も死体となって発見される。死因は麻酔薬の過剰投与だった。

警察は治療のミスでギリシャ人が死に、それに気づいた歯科医が自殺したと考え検死審問を進める。しかし、証人になるはずだったセインズベリー・シールという女性が失踪してしまう。

のちに、あるマンションの一室で失踪した女性らしき人物の死体がみつかる。死体の顔はつぶされており、身元はすぐには判明しなかったが、歯科医院のカルテからあっさりと、シルビア・チャップマンという女性の死体であることが確認される。

結局、セインズベリー・シールという女性の行方は不明のままで、そもそも歯科医の自殺に納得できないポワロは調査を進め、歯科医の死亡推定時刻の一時間前に歯科医は死んでいたこと、玄関で偶然出会ったセインズベリー・シールが新しいバックル付きの靴を履いていたこと、などの手掛かりを掴む。

登場人物

ポワロ、ジャップ警部以外の登場人物です。

  • ヘンリー・モーリー
    被害者。歯科医
  • ジョージナ・モーリー
    被害者の妹。ヘンリーと一緒に暮らしている
  • グラディス・ネビル
    被害者の秘書
  • アルフレッド・ビッグス
    歯科医院のボーイ。勤務熱心とはいえない男
  • フランク・カーター
    秘書の恋人
  • アグネス・フレッチャー
    メイド
  • マーチン・アリステア・ブラント
    銀行家。ポワロの次の患者
  • ジュリア・オリベラ
    ブラントの義妹
  • ジェーン・オリベラ
    ジュリアの娘
  • ヘレン・モントレソー
    ブラントの秘書。眼鏡の地味な女性。雇われたばかり
  • メイベル・セインズベリー・シール
    失踪。インドから帰国した女性。ブラントの次の患者。ブラントの亡くなった妻と面識がある
  • アンベリオティス
    被害者。初診。髭のギリシア人

下表は事件が発生した日の予約表です(ポワロ以降の患者)。ひどく待たされたため、歯科医院のボーイに激怒していたご婦人がミセス・ピナーです。

時間 名前
11:00 ポワロ
11:30 ブラント
11:45 セインズベリー
12:00 アンベリオティス
12:30 ピナー

注目のシーン

おや。

メイベル・セインズベリー・シール??

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC

ギリシャ人の治療ミスによる死亡と、歯科医の自殺は筋が通っているようにみえます。しかし、シルビア・チャップマン殺害については謎のままです。一応、カーターという男が殺人未遂で捕まります。

殺人

歯科医の死体をボーイが見つけたのは13時30分頃です。ポワロが治療を受けた11時30分頃まで、歯科医は確実に生きていました。その後、カーターの証言により、12時30分の時点で、歯科医は死んでいたことが明らかになります。
警察やポワロは歯科医殺害の動機が不明瞭なことから、歯科医ではなく、著名な銀行家のブラント氏が狙われたと推理します。つまり、歯科医は誤って殺されたということになります。

ギリシャ人

ギリシャ人の死因は麻酔の過剰投与でした。歯科医院で投与されたと考えられます。麻酔を打つという点で犯行が容易なのは、死んだ歯科医のモーリーしかいないように思えます。

女性の失踪

セインズベリー・シールという女性が姿を消してしまいます。事件が起きた日、ポワロはこの人物と歯科医院の玄関先で偶然遭遇しています。綺麗な靴のバックルなどを落とした女性です。そしてその後、ジャップ警部と共に事情聴取も行っています。
シルビアという名前の女性の死体が見つかった時、ぼろいバックル付きの靴をはいていたことなどから、いったんは、それがセインズベリー・シールであると考えられます。しかし、カルテとの照合により否定されます。

シルビア

女性の死体は顔をめちゃめちゃにされて死んでいしました。顔をぶっつぶすということは、身元がわからないようにするということです。しかし、歯科医のカルテから身元があっさり判明します。とはいえ、シルビア・チャップマンという女性の正体や、歯科医との関係などは不明のままです。

手掛かり・伏線

殺人事件の謎を解くヒントです。

終始怪しいフランク・カーターは銀行家殺害未遂で捕まり、それを機に12時30分には歯科医は死んでいたと証言します。
カーターの証言が確かだとすれば、怪しいのはアンベリオティスですが、このギリシャ人は既に死んでいます。そして、その前の患者であるセインズベリー・シールは行方不明です。

証言

カーターは死体を発見する前、二人の男性が治療室から出てくるのを目撃しています。一人目は髭の男性で次の人物は紳士だったようです。

カーターの仕事

カーターはブラント氏の庭師として働いていました。殺人未遂で捕まったあと、諜報機関に雇われたと証言しているようです。
殺人未遂で取り押さえられた時、カーターは目の前に拳銃が落ちてきたと話しています。

証拠

ポワロはセインズベリー・シールの泊まっていた部屋から、安い靴下を発見します。
歯科医が殺された日、ポワロが遭遇したセインズベリー・シールはどのような靴下を身に付けていたのでしょうか。

真相(ネタバレ注意)

犯人はマーチン・アリステア・ブラントです。秘書のヘレン・モントレソーも共犯です。ギリシャ人に脅迫されていたブラント氏は歯科医に変装し、ギリシャ人を殺しました。脅迫のネタは二重結婚です。実はブラントは秘書のヘレン・モントレソーと結婚していました。しかし、金持ちのオリベラ家の女性とも結婚しました。この結婚をヘレンも認めていました。目的は金です。

ブラントは歯科医になりすますため、邪魔な歯科医を殺害しました。つまりブラントが治療を受けた11時30分から45分の間に、本物の歯科医は殺されていました。
歯科医を始末したあと、ブラントは歯科医に変装します。このとき、死体は秘書の部屋に隠します。ブラントの次の患者セインズベリー・シールは秘書の変装です。このとき既に、本物のセインズベリー・シールは殺されていました。

殺されたアンベリオティスは初診でした。つまり、歯科医と面識がありません。そのため、ブラントの変装を見破ることができませんでした。歯科医に変装したブラントは治療と称し過剰な麻酔投与し、ギリシャ人が死ぬよう仕向けます。

秘書はある電報を受け取り、休暇を取っていました。この電報に書かれていた内容は嘘で、犯人もしくは共犯者が、死体の隠し場所を確保するために、送ったと考えられます。

失踪

顔をめちゃくちゃにされた死体はセインズベリー・シールです。失踪したのではなく殺されていました。彼女が殺されたのは友人の部屋を訪ねたときです。ポワロにバックルなどを拾ってもらった時の彼女は別人でした。正体は、セインズベリー・シールになりすましたブラントの秘書モントレソーです。

死体はセインズベリーだったのに別人だと判断されたのは、死体の照合に使われたカルテが改ざんされていたからです。ブラントが歯科医を殺し、ギリシャ人も始末した日、共犯者のモントレソーがカルテを改ざんしています。

結末

すべてがつまびらかにされたにも関わらず、国に貢献した人物だという理由で罪を逃れようとするブラントをポワロは許さず、咎めます。

感想

歯医者にやってきた女性(注目のシーンの女性)を見たとき、頭にクエスチョンマークが一瞬浮かび上がりました。そしてすぐに忘れたわけですが、あのシーンには違和感がありました。なので、真相を知った時、違和感の正体に気付き、納得しました。ミステリー作品によくある楽しい瞬間でした。

ところで、このエピソードは原題と日本語の番組タイトルが大きく異なります。原作のアメリカ版のタイトルが「The Patriotic Murders」で、その日本語訳が愛国殺人となるようです。

この記事のまとめ

名探偵ポワロ「愛国殺人」のあらすじ、真相をご紹介しました。原題は「One, Two, Buckle My Shoe(1、2、靴をバックルでとめて)」で、有名な数え歌の一節となっています。ドラマ冒頭で子供が唄っています。

項目 内容
依頼
事件分類 殺人
自殺かどうか

関連記事

タイトルとURLをコピーしました