鳩のなかの猫・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ59】

名探偵ポワロ第59話・S11E2『鳩のなかの猫(Cat Among the Pigeons)』のあらすじ、トリック解説です。名門女子高の校長に依頼され後継者選びを手伝うこととなったポワロでしたが、学園で体育教師が殺害されるという事件が発生します。

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あらすじ

ラマットでクーデターが起き、アリ・ユースフ国王とその友人ボブ・ローリンスンが銃撃戦に巻き込まれ死亡する。ボブは国王に頼まれ何かを隠した様子だった――。

数ヶ月後、メドウバンク校を訪れたポワロはバルストロード校長から、後継者選びのため、教員達の身辺調査を依頼されます。その後、授与式を終え、酒に酔ったマダムが現れる中、アップジョン夫人が校長に話し掛けます。そして夫人は、諜報員・エンジェルにそっくりな人物がいると呟きます。アップジョン夫人の娘であるジュリアは友人のジェニファーとテニスをし、ラケットを交換。ジェニファーはクーデターで死亡したボブの姪でした。

ある日の深夜、校舎から離れたところにある体育館に灯りを見つけた寮母とチャドウィックは生徒の逢引きを疑い、雨の中、体育館へと向かいます。そして、体育教師スプリンガーの死体を見つけます。死んだスプリンガーは生徒に対して暴力的に厳しく、さらに、弱みを握って脅すような性格だったため、同僚の教員からも嫌われていました。関係者の聴取においても、良い評判を語る者はいませんでした。
スプリンガー殺害に関して警察およびポワロの捜査が進む中、学生の生徒であるシャイスタ王女が大公との約束をすっぽかし、行方不明となります。シャイスタ王女は亡くなったアリ・ユースフ国王で、王位継承者の一人でした。

体育教師の殺人、王女の失踪に続き、今度は、英語教師のリッチが体育館で何者かに襲われます。リッチは無事でしたが、その後、犯人を脅迫した教員エリーズ・ブランシュが、リッチと同様の手口で襲われ死亡します。

テニスのラケットからルビーがみつかり、それがアリ・ユースフ国王とボブが隠したものであることや、シェイタナ王女の行方など、様々な事実が判明し、ついにエンジェルの正体も明らかになります。

ポワロの挨拶(鳩のなかの猫)

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
ポワロの退屈な話

登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。ポワロの執事ジョージは台詞の中で名前のみ登場します。

  • オノリア・バルストロード
    依頼人。メドウバンク学園の校長。後継者を選ぶため、ポワロに教員達の身辺調査を依頼する
  • アン・シャプランド
    校長の秘書。雇われたばかり
  • アダム・グッドマン
    庭師。雇われたばかり。実は諜報員
  • ジョンスン
    寮母
  • レティス・チャドウィック
    学園創設者の一人。数学教師。周囲には後継者と認識されている
  • グレース・スプリンガー
    体育教師。教員や生徒から嫌われている。最初の犠牲者
  • アイリーン・リッチ
    英語教師。療養休暇から復帰したばかり。二人目の被害者
  • エリーズ・ブランシュ
    フランス語教師。丸眼鏡の女性。雇われたばかり。三人目の犠牲者
  • ブレイク
    芸術およびダンスの教師。黒髪でおかっぱ風の髪型
  • アリ・ユースフ
    ラマット国の王子。銃撃戦の末に死亡
  • ボブ・ローリンスン
    ユースフ国王の友人。銃撃戦の末に死亡。ジェニファーのおじ
  • アンジェリカ
    ボブの恋人
  • ジュリア・アップジョン
    生徒。ショートヘアの女の子
  • ジェニファー・サットクリフ
    生徒。ジュリアの友人。巻き髪の女の子。ボブ・ローリンスンの姪
  • シャイスタ
    生徒。王女様
  • アップジョン夫人
    ジュリアの母親。その昔諜報員として働いていた。エンジェルの顔に見覚えがある

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。

役名 役者名
Ann Shapland
シャプランド
Natasha Little
Adam Goodman
グッドマン
Adam Croasdell
Princess Shaista
シャイスタ王女
Amara Karan
Miss Bulstrode
バルストロード
Harriet Walter
Miss Rich
リッチ
Claire Skinner
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事件のまとめ・謎

様々な謎が散りばめられていますが、エンジェルの正体が最も重要な謎といえます。このエンジェルこそが殺人犯であり、ある目的を達成するため、学園内に潜んでいます。
シャイスタ王女失踪の理由、スプリンガーに似た人形の持ち主、英語教師のリッチや秘書のシャプランドの隠し事なども、謎になっています。

  • 体育教師殺害
    スプリンガーは槍で刺されて死亡していました。死体が発見されたのは夜中の1時頃だったため、教員や生徒は自室で休んでいました。そのため、全員、アリバイがないといえます
  • リッチ殺人未遂
    英語教師のリッチが体育館で王女誘拐の証拠を探している時に、何者かに襲われました。後頭部を土嚢で殴られ怪我を負いましたが、命に別状はないようです。負傷したリッチを発見したのはチャドウィックで、ひどい叫び声をあげていました。確実なアリバイがあるのは、秘書のシャプランドと庭師のグッドマンで、二人は一緒に踊っていました
  • ブランシュ殺害
    フランス語教師は真犯人を脅していたようです。金を受け取ろうとして殺されました。リッチの時と同様に、土嚢で頭を殴られたようです
  • 王女失踪
    シャイスタ王女はロンドンの大公との食事の約束をし、車で出掛けましたが、行方不明となります。王女は誰かに見張られていると話しており、これが根拠となって、王女は誘拐されたという噂が広まります
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伏線・手掛かり

殺人、殺人未遂、誘拐の謎を解く手掛かりをまとめます。

ジェニファーのラケットからルビーが発見されます。これはクーデターの前に、国王に頼まれボブ・ローリンスンが隠したルビーのようです。
スプリンガー殺害後、ジェニファーのラケットが紛失しましたが、彼女は友人のジュリアとラケットを交換していたため、ルビー入りのラケットはジュリアの手元に残りました。夜中、ジュリアの部屋に何者かが侵入しようとしたのは、ルビーを狙っていたようです。

  • 人形
    スプリンガーによく似た人形がスイ・タイという生徒のロッカーから見つかります。スイ・タイは人形を拾っただけと話しています。この人形を受け取ったポワロは、人形の匂いを嗅いで何かに気付いた様子です
  • 秘書の母
    アン・シャプランドの母親は精神病院に入っているようです。チャドウィックが請求書らしきものをみつけています。チャドウィックはこのとき、タイプライターの書類も読んでいます。この書類に何が書かれていたのかは不明です
  • 下着
    シャイスタは胸部を強調するような下着を持っていたようです。学園の生徒には必要がないと寮母は断言しています
  • エンジェルについて
    アップジョン夫人が校長に危険な諜報員のエンジェルについて話しています。この話を最初に死んだ体育教師のスプリンガーも聞いていたようです。なお、元諜報員だった夫人はエンジェルの顔を知っていますが、気ままなバス旅に出掛けており、警察でも連絡をとることができません
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ネタバレ

体育教師のスプリンガーとフランス語教師のブランシュを殺した犯人は秘書のアン・シャプランドです。アン・シャプランドはエンジェルであり、アンジェリカでした。英語教師のリッチを襲ったのはアンではなくチャドウィック先生で、シャイスタ王女は偽者です。

犯人のアン・シャプランドはルビーを手に入れようとしていました。ボブの恋人だったアンは、ボブがラケットの柄の中にルビーを隠したのをみていました。

アンは前任の秘書に多額の金を渡して辞めさせ、校長秘書として雇われました。そして、体育館でラケットを盗もうとしましたが、スプリンガーに後をつけられ物色中に声を掛けられました。スプリンガーがアンの後を追った理由は、校長とアップジョン夫人の会話を聞いて、アンが怪しい人物であることに気付いていたためです。スプリンガーの狙いはアンの弱みを握って苦しめることだったようですが、実は、アンの方がスプリンガーよりも危険な人物でした。

その後、アンは脅迫してきたブランシュも殺害しました。土嚢を使ったのは、二番目のリッチと手口を揃えるためです。

リッチを襲ったのは秘書のアンではなく、チャドウィックでした。チャドウィックは体育館の灯りをみて、駆け付け、そこでリッチの姿をみつけました。
チャドウィックは秘書の精神病院に関する請求書を見つけた時、タイプライターにリッチの経歴を照会する手紙があることに気付きました。これをみたチャドウィックは自分が後継者ではないことを悟ります。

体育館でチャドウィックはリッチに対して殺意が芽生え、土嚢でリッチを殴りました。チャドウィックが絶叫していたのは、自分の行いに強い恐怖を抱いたためでした。

学園のシャイスタ王女は偽者で、本当はもっと年齢が上でした。ポワロは取り調べの時、わざとものを床に倒して、彼女の膝をみています。年齢を誤魔化すのが難しい膝をみて、ポワロは王女が偽者だと判断しました。偽者の狙いはルビーで、学園に王女がいるとわかれば、誰かが届けに来ると思っていたようです。

その他隠された真実

体育教師にそっくりな人形を作って、針で刺していたのは芸術およびダンスの教師のブレイクです。ブレイクは、以前勤めていた学園で男子生徒と噂になり、退職していました。単なる噂だったようですが、この情報を体育教師が握っていました。ストレス発散のために人形を作ったブレイクですが、体育教師が死んだため、焦って人形を捨てました。これをスイ・タイが拾っていました。

今学期から復帰したリッチは、休職期間中のことを詳しく話していませんでした。これは、未婚のまま妊娠し、その子を出産しようとしていたためです。残念ながら流産となり、子供は亡くなってしまいます。リッチは未婚の母親というのを隠したかったようです。

結末

アン・シャプランドの犯行を告発するポワロに対して、アンは証拠を求めます。そこに、旅行中だったアップジョン夫人が現れ、エンジェルがアンであることを証言します。追い込まれたアンは拳銃を取り出し、校長めがけて発砲しますが、チャドウィックが校長をかばいます。撃たれたチャドウィックは、その後、病院で息を引き取ります。

バルストロード校長は、殺人事件で大変苦しい状況になったメドウバンク校を立て直すため、リッチを経営者に誘い、リッチは快諾します。ポワロもリッチこそが後継者に適任だと考えていたようです。

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感想

殺人犯を脅迫することほど危険なことはない、というのはもっともだと思いました。
原作の原題はCat Among the Pigeons(鳩の中の猫)です。学園を舞台とした殺人や陰謀などはドラマと原作で同じですが、原作ではポワロはあまり登場しません。また、ドラマは登場人物が数名削られており、キャラクター設定も異なります。ストーリーも、原作はラマット王国の国王が飛行機事故で死亡するなど、ドラマと異なる点があります。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「鳩のなかの猫」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼 身辺調査
事件分類 殺人
エンジェルの正体
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