古畑任三郎vs木の実ナナ｜ピアノレッスン【あらすじ・ネタバレ解説・6話】

嫌われ者の末路

あらすじ

ピアニストの井口薫は尊敬する塩原一郎の音楽葬で演奏するため、音楽葬でピアノを演奏する予定だった川合健をスタンガンでショック死させます。井口は川合が心臓に持病を抱えていたことを利用し、川合が心臓発作で自然死したようにみせます。

川合が死亡したことで、ピアノ演奏の代役として、井口に声がかかります。ねらい通りにことが進んだ井口でしたが、川合殺害時に、音楽葬で使うピアノの弦が切れてしまったため、音楽葬での曲目を直前になって変更します。

切れた弦を使わずに済む曲で、演奏を終え、事なきを得たように思われた井口でしたが、実はスタッフによって、弦の切れたピアノは交換されていました。
なぜ弦が切れていることを知っているのか、と古畑に追及され、井口は罪を認めます。

登場人物（キャスト）

主な登場人物をまとめます。

名前	キャスト	説明
井口薫	木の実ナナ	犯人 ピアニスト
川合健	中丸新将	被害者 ピアニスト

犯人

井口薫（いぐち・かおる）：ピアニスト。塩原音楽院の理事兼講師で、塩原一郎の弟子である。同じく弟子の川合健とは不仲で、特に、音楽院の経営方針で反目していた。川合はビジネスとして音楽院を経営していたが、井口はその方針に反発する。部下に厳しく接する部分があり、周囲からは恐れられている（面倒な人物だと思われている）。

最初のセリフ

自分が人に嫌われてんじゃないかって心配している皆さん。安心して下さい。そういう場合は大抵本当に嫌われています。問題なのは、自分が人に嫌われているのが分かっていない人の方で……。

暗転のセリフ

井口薫は川合健を殺害しました。方法はスタンガンによるショック死。証拠はありません。残念ながら。しかし、彼女は1つボロを出しました。彼を殺したのは自分であると知らず知らずのうちに告白していたのです。考えてみてください。解決編はCMの後。古畑任三郎でした。

トリック解説

犯人は、心臓の弱い被害者に、スタンガンを使って心臓発作を誘発します。

自然死偽装

川合はもともと心臓に持病を抱えていました。このことは、特に隠しておらず、周知の事実でした。護身用にスタンガンを所持していた井口は、このスタンガンを使い、川合の発作を誘発しました。

犯人のミス

古畑が事件の真相をつかむきっかけです。

ちぐはぐな証拠

つじつまの合わない証拠、および、状況です。

演奏の仕度

犯人の井口は音楽葬の当日、旅行に出掛ける予定でした。そのため、川合の死によって、急遽、呼び出されたことになります。しかし、犯人である井口は呼び出されることを予測していたため、演奏に使う衣装を揃えていました。しかも、旅行鞄はとても軽く、中身はほぼ空のようでした。

曲の変更

口うるさい井口を恐れたスタッフは、弦が切れている、という事実を隠します。そして、井口には何も話さず、密かにピアノを交換します。スタッフに嫌われていた井口は、ピアノ交換の報告を受けることができず、弦が切れているという認識のまま、音楽葬での演奏を迎えることになります。

結局、井口は、切れている弦を使わない曲に変更することになります。思い入れのあるレクイエムを演奏するはずだったのに、その曲を変えるというのは不自然な行動といえます。

犯行の証拠

井口の犯行を匂わせる証拠です。

切れた弦

井口は、川合殺害時に、音楽葬で使用するピアノの弦が切れたため、スタッフに調律を依頼します。スタッフは、指示通りに、ピアノを調律しますが、その際に、弦が切れていることに気付きます。なお、古畑も、現場に到着した際にピアノの弦が切れていることに気付いています。

曲の変更理由

井口は古畑に、なぜ曲目を変更したのかと問われ、弦が切れているからと答えます。弦が切れたピアノの存在を知ることができたのは、古畑が弦が切れていることを確認する前、つまり、事件発覚よりも前となります。

この事実を突きつけられた井口は、言い逃れできなくなり、自供します。

感想

犯人が嫌われている（避けられている）というのが面白いです。
スタッフの奇妙な動きが解決につながるエピソードでした。

この記事のまとめ

古畑任三郎のピアノ・レッスンについて、ネタバレありであらすじをご紹介しました。

項目	内容
犯行	計画殺人
手口	スタンガンで発作
動機	演奏のため
偽装工作	病死偽装
トリック	―
ミス	弦の切れたピアノ
罠	―

番組情報

項目	内容
脚本	三谷幸喜
監督	関口静夫
演出	松田秀知
長さ	46分
放送	1994年 5月18日(水)

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