獄門島・あらすじ・トリック・ネタバレ解説【金田一耕助シリーズ第二弾!】

横溝正史著「獄門島」のあらすじ・事件概要、トリックなどの紹介です。獄門島は本陣殺人事件の次に発表された金田一シリーズの作品です。シリーズ第2弾といえます。

スポンサーリンク

あらすじ

金田一耕助は復員船(太平洋戦争終結後、海外に残された日本人を本土へ帰還させるための船)で鬼頭千万太と出会い、獄門島へ向かうことになります。きっかけは千万太が残した最期の言葉でした。ダイイングな感じで残したメッセージなので、ダイイング・メッセージともいえなくないですが、千万太は病死です。千万太の残した言葉というのは「妹が危ない」という内容でした。千万太には三人の妹がおり、どうやら三姉妹に危険が迫っているようです。

千万太の家族について簡単に説明すると、千万太の実の母は既に亡くなっています。三姉妹は後妻の子で、異母兄妹ということになります。父の与三松は生きていますが、これが困ったことに、気が狂って座敷牢に閉じ込められております。金田一っぽい設定で、不謹慎ですが、ちょっと胸が躍ってしまいます。

余談のような話ですが、島には本鬼頭と分鬼頭と呼ばれるグループがあります。本家と分家みたいな感じですが、本鬼頭と分鬼頭は仲が悪いです。いがみ合っている一族というのが、なんとも物騒です。

©KADOKAWA/横溝正史

事件のまとめ

『獄門島』は俳句で描写された光景どおりに死体が発見されます。見立て殺人や筋書き殺人と呼ばれます。以下に事件の概要をまとめます。

  • 最初の事件
    三姉妹が危ない!ということで金田一は獄門島へやって来たわけですが、結局のところ、殺人事件が次々に起きてしまいます。まず、千万太の通夜がしめやかーに執り行われる中、三姉妹の一番下の花子が死体となって発見されます。このとき、死体発見者の了然和尚が「気違いじゃが仕方がない」と呟きます。キチガイなんて言葉、現在では滅多に耳にしないですが…、この一言で狂って閉じ込められている与三松が疑わしくみえてきます(牢屋に閉じ込められている時点で、そもそも怪しいわけですが…)
  • 第二の事件
    金田一が捕まります(笑)。金田一シリーズ二作目ということで、リアルタイムで読んでいたら、ひょっとして金田一が犯人なのではないか?と疑うこともできるのですが、その後の活躍からして、絶対に犯人ではないことがなんとなくわかります。事実、金田一は犯人ではないです。そして今度は三姉妹の次女・雪枝が死んでしまいます。雪枝の死体は地面に置かれた重い釣鐘の中に入れられていました。重いとはいえ、てこの原理(シーソーみたいなやつ)を使えば釣鐘も持ち上げることができます。
  • 第三の事件
    獄門島に磯川警部がやってきて、島に逃げ込んだ賊の捜索が始まります。姉妹の殺人が起きたり、賊がいたりと騒々しい島ですが、結局、賊も崖から落ちて死んでしまいます。死体はこれで三つ目です。三女の花子、次女の雪枝、そして、謎の人です
  • 第四の事件
    生き残っていた長女の月代も、賊が転落死した直後に死体となって発見されます。結局、三姉妹は全員死んでしまいます
スポンサーリンク

真相(ネタバレ注意)

三姉妹は俳句に見立てて殺されていたため、同一犯による犯行と思われていましたが…実はすべて別の人物の犯行でした!最初に花子を殺したのは了然和尚、二人目の雪枝は荒木村長、三女の月代は幸庵医師が殺していました。何て難しい事件なんだ!という感じです。動機は共通しているわけですが、実行犯が違うので、ほぼ別の事件といえるのかもしれません。

動機がこれまた難解です。これには与三松の父親・鬼頭嘉右衛門が関わってきます。嘉右衛門はとっくに死んでいますが、跡取りに対して凄まじいこだわりがありました。
鬼頭嘉右衛門の跡を継ぐのは与三松ですが、どうしようもない感じなので、鬼頭千万太が有力候補となります。ところが、千万太は船で死んでしまいました。そうなると跡取りは三姉妹の誰かということになります。これを嘉右衛門は許せませんでした。

というわけで、三姉妹を始末することになります。三姉妹がお亡くなりになれば、千万太のいとこの鬼頭一(きとう・ひとし)が跡取りになります。
嘉右衛門はとっくのとうに死んでいるので、嘉右衛門の従順な僕(しもべ)が遺志を実行することになります。それが、了然和尚、荒木村長、幸庵医師です。ヒトシも戦地に赴いていたので、ヒトシが亡くなっていれば、三姉妹殺しは実行しなくてよかったのですが、ヒトシ生還の報せが島に届きます。

とはいえ、死んだ人の命令を聞くなんて(しかも人殺し)、ちょっとおかしい気がしますが、この三人はたぶんおかしかったんです。嘉右衛門の呪いに心底怯えていたというわけでした。

その他

  • 賊は賊でした。転落して死んだと考えられていましたが、実際は了然和尚による他殺です。和尚は花子殺しを目撃されたと考えていました
  • キチガイは『季違い』でした。了然和尚の真意は「俳句の季語と季節が合わないけどしょうがない」ということでした
  • ヒトシが生還しなければ殺人は起こさなくてよかったわけですが、実は、ヒトシ生還の報せは嘘でした。復員詐欺のため、詐欺師が嘘をついていました
  • 地下牢に閉じ込められている与三松とか、対立関係にある一族とかはミスリードを誘う罠でした
スポンサーリンク

感想

すごい怪しい人たちが出てきましたが、無害そうな人が犯人だったわけです。しかも三人いたという。細かなトリックがいろいろ出てきますが、『全部犯人が違う』という驚愕のトリックが控えておりますので、そこまで重要ではなく、簡単であっさりな感じです。

タイトルとURLをコピーしました