古畑任三郎vs風間杜夫｜間違えられた男【あらすじ・ネタバレ解説・第22話】

犯人の冒険

古畑任三郎S2E9「間違えられた男（間違われた男）」のあらすじとトリック解説です。雑誌編集者の若林仁（風間杜夫さん）が犯人です。

あらすじ

若林仁は妻の不倫相手を山奥の山荘で殺害し、自殺に偽装します。
自宅へ戻る途中、運悪く、タイヤがパンクしてしまいます。さらに、ヒッチハイクで停まった車の運転手・鴨田は顔見知りで、とても口の軽い人物でした。若林は口封じのため運転手の鴨田も殺害。若林と運転手が会ったという証拠を消すため、鴨田の自宅に忍び込みますが、そこでさらに運悪く、古畑に遭遇します。

登場人物（キャスト）

主な登場人物をまとめます。

名前	キャスト	説明
若林仁	風間杜夫	犯人編集者
鴨田巌	小野武彦	被害者ホテルマン
-	清水昭博	被害者不倫相手

犯人

若林仁（わかばやし・ひとし）：雑誌編集者。妻の不倫相手を山荘で殺害する。山荘での犯行はうまくいったのかもしれないが、帰り道で散々な目に遭う。帰るまでが犯罪です！という感じ。
まず、車のタイヤがパンクしてしまう。ヒッチハイクに成功するが、編集者として顔が知られている若林はすぐに身バレしてしまう。「ここで会ったことは内緒にしておいてください」と釘をさしたのに、運転手の鴨田はすぐに「若林に会った」と留守番電話に残してしまう。本人のすぐ横で堂々と秘密を漏らしているところが、被害者たる由縁かもしれない。なお、鴨田は口固い人だから問題ないという理屈を展開していた。

ある意味危険な人物に遭遇した若林は鴨田も殺害。留守番電話のメッセージを削除するため、鴨田の自宅へ忍び込む。すると、インターホンが鳴ったので確認してみると、そこにはなんと古畑任三郎が立っていた！ということで、最近の映画とかゲームなら、ここでタイトルが入り、オープニングが始まりそうである。
ドラマチックな導入はさておき、もしも古畑が鴨田の自宅に参上しなかったとしても、若林は捕まっていた気がする（犯行について具体的な内容が登場していないので、なんともいえない）。

トリック解説

若林は鴨田と会ったという証拠を消すために、鴨田の自宅に侵入し、録音テープが再生されないようにしています。
しかし、この後、たまたま訪れた古畑につかまり、若林は鴨田のふりをすることになります。

犯人のミス

若林はほとんど知らない人物になりすまそうとしてたくさんのミスを犯します。
なお、古畑が鴨田の自宅を訪ねたのはアレ（書類）を受け取るためです。

時計

殺された鴨田の自宅の時計は10分進んでいました。若林は、18時ちょうどに現れた古畑に対して、「遅れてきた」といい、時計が進んでいることに気付いていません。
古畑は鴨田の自宅の時計が進んでいることを確認するため、テレビでサザエさんのオープニングをみています。

トイレの場所など

はじめて入った他人の家（ひとんち）だったため、若林はトイレの場所も知りませんでした。
トイレの場所以外には、棚で塞がった方のふすまを開ける、古畑がとりに来た書類の場所がわからない、などのミスもあります。

留守番電話の声

メッセージを促す留守番電話の声が若林の声と全く違っていました。

同居人のシゲル

若林は妻（パートナー）だと勘違いしていましたが、本当は殺された鴨田の弟でした。古畑はシゲルの電話の内容から、鴨田が保険証を共有していることがわかったため、シゲルの正体が肉親であると気付いていました。

鴨田の服

若林が受け取ったクリーニングされた服はホテル従業員の制服でした。
ホテルまで古畑につきまとわれた若林は、ホテルマンのふりをすることになります。

古畑の罠

古畑はいろいろと罠を仕掛けています。
若林にボウリングをさせ、その腕前を確認していますが、本当のねらいは靴を履き替えさせることにありました。若林はサイズの合っていない革靴を履いており、不自然でした。古畑は、ボウリングは必ず専用のシューズを履くことを利用し、若林がどのサイズの靴を選ぶか確認していました。

古畑は若林が持っていた鍵をすり替えています。
自宅の鍵の紛失に気付いた若林は、鴨田の家に鍵を置いてきたと思い込み、再び鴨田の自宅にやってきます。そこには、古畑達が待ち構えていました。

感想

笑えるところの多いエピソードです。玉置浩二さん出演『雲の上の死』、小堺一機さん出演『矛盾だらけの死体』などのエピソードと同様、おもしろい作品でした。

この記事のまとめ

古畑任三郎の「間違われた男」について、あらすじやトリックをご紹介しました。

項目	コメント
計画性	―
ミス	時計
動機	口封じ
凶器	石
トリック	―
罠	ボウリング

番組情報

項目	内容
脚本	三谷幸喜
監督	関口静夫
演出	河野圭太
長さ	46分
放送	1996年 3月6日(水)