ひらいたトランプ・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ55】

名探偵ポワロ第55話・S10E2『ひらいたトランプ(Cards on the Table)』のあらすじ、トリック解説です。パーティーに招待された8人の男女、その一人であるポワロはホストの殺人事件に遭遇します。

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あらすじ

ポワロは資産家のシェイタナがホストを務めるパーティーに出席します。パーティーのゲストはポワロを含め8名で、推理作家、大佐、警視などが集められていました。

夕食を終えたゲスト達はシェイタナの希望通り、ブリッジを始めます。ポワロは、推理作家、大佐、そして警視のメンバーでプレイすることになり、他の4名は、別室でブリッジを楽しんでいました。ポワロ達がブリッジを終えたあと、警視が暖炉の前の椅子に腰掛けたホストのシェイタナに近づき、あいさつをしようとします。そこで、シェイタナの殺人が発覚。同じ部屋でブリッジをしていたゲストの4名が容疑者となります。

容疑者は医者、少佐、未亡人、若い女性で、ポワロ達はそれぞれから事情を聴きますが、犯行を認める人物はいませんでした。しかしながら、外部犯という可能性はなく、ゲストの中に犯人がいることは間違いなさそうでした。

その後の調べで、4人の容疑者の不審な過去が明らかになります。その過去はいずれも人の死が関連していました。
まず、医師のジョン・ロバーツは女性患者との不倫に陥り、その患者がエジプトで死亡するという出来事を経験していました。そして、軍隊での評判が非常にいいジョン・デスパード少佐は、探検に同行した教授が熱病で死ぬという不幸にあっていました。未亡人のロマリー夫人は、2度結婚しており、最初の夫は、自宅の事故で亡くなっていました。最後のアン・メレディスは使用人として働いていた家の女主人を手違いで死なせていました。さらにもう一人、死体の第一発見者である警視にも嫌疑がかかり、容疑者は5人に増えます。

シェイタナは容疑者達の過去を知っていた様子で、パーティーのディナーで思わせぶりな発言をしていました。動機という点においても、やはりゲストの中に犯人がいるのは間違いなさそうですが、ポワロは容疑者達にブリッジの展開や部屋の印象などを聞いて回ります。

記念撮影シーン(ひらいたトランプ)

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
記念撮影(主要登場人物)

登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。

  • シェイタナ
    被害者。大金持ち
  • アリアドニ・オリヴァ
    パーティーの参加者。推理作家。中高年の女性
  • ヒューズ
    パーティーの参加者。大佐。片眼鏡の男性
  • ジム・ウィーラー
    パーティーの参加者。警視
  • ジョン・ロバーツ
    容疑者。医師
  • バージェス
    美人秘書。ジョンのもとで働いてる
  • ジョン・デスパード
    容疑者。少佐、探検家。本を出している
  • ロリマー
    容疑者。未亡人
  • アン・メレディス
    容疑者。若い女性
  • ローダ・ドーズ
    アンの友人で、アンと同居している。アンが原因で死亡したベンソン夫人の親族でもある

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。

役名 役者名
Miss Meredith
アン
Lyndsey Marshal
Major Despard
デスパード
Tristan Gemmill
Mrs. Lorrimer
ロリマー夫人
Lesley Manville
Dr. Roberts
ロバーツ
Alex Jennings

ブリッジとは?

このエピソードにはコントラクト・ブリッジが登場します。ブリッジは4人で遊ぶカードゲームで、1人が13枚のトランプを手札にします。この手札から1枚のカードを選んで、他のプレイヤーが選んだカードとの強さを競います(スペードのエースが一番強い、などのルールが定められています)。一番強いカードを出した人が勝ちとなり、ポイントを獲得できます。なお、選べるカードの条件、ポイントを増やす方法などなどに、様々なルールがあります。

エピソードの中でダミーという用語が登場しますが、これは、手札を公開するプレイヤーのことです。ダミーになった人のカードは向かいに座っている人が選ぶというルールのため、ダミーは席を外しても問題ありません。

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事件のまとめ・謎

誰が犯人かというのはもちろんですが、なぜ、自分が確実に疑われる状況で犯行に及んだのか、というのがこの事件の謎といえます。容疑者は警視も含め5人に絞られています。犯行に関して、決定的な証言や証拠と呼べるものは一切ありませんが、それぞれに動機らしきものがあり、この5人の中に間違いなく犯人がいます。

被害者のシェイタナは眠っていたところを短剣で刺され、死亡しました。死体発見時、シェイタナは手にグラスを掴んでおり、その中には睡眠薬が入っていました。

シェイタナが殺された部屋でブリッジをしていた4名のゲストと、第一発見者であるウィラー警視が容疑者になります。ゲスト4名については、後ろ暗い過去がある様子で、その過去をシェイタナは知っていたようです。ディナーにおけるシェイタナの発言は、「誰かに毒を盛って素知らぬ顔で通した女」「医者にだってそういった機会(毒を盛る機会)はいくらでもある」「銃の暴発」「家の中で起きた事故」というものでした。最初の発言はアン・メレディス、二つ目はロバーツ医師、三つ目がデスパード少佐、そして最後がロリマー夫人に向けられていたようです。

被害者のシェイタナはパーティーの最中、あとで重大発表があると話していますが、彼が何を語ろうとしていたのかは物語の中で明らかにされません。

シェイタナの殺人事件が発生した後、何者かがシェイタナの屋敷に忍び込んでいます。その犯人の目的は、どうやら金品ではなく、他の何かを探していたようです。この不法侵入と殺人の接点は不明です。

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伏線・手掛かり

主にシェイタナ殺害に関する手掛かりをまとめます。

凶器の短剣は死体発見現場に置いてありました。誰でもこっそり手にすることができたといえますが、指紋は残っていませんでした。そして、被害者が手にしていたグラスからは睡眠薬が検出されています。このグラスには被害者の指紋が残っており、さらに、警視の指紋も付着していました。警視は死体発見時にグラスに触れており、指紋はこのとき付いたようです。

証言

4人の容疑者達は、まず、ブリッジの時に起きたことを話しています。なお、警視が犯人である場合を除き、犯行はブリッジの最中に起きたと考えることができます。なお、ブリッジが始まったのは午後9時30分頃です。

  • ロバーツ
    ロバーツ医師は午後10時30分頃に一度席を立っています。このとき、被害者のそばにあった暖炉に近づき、火かき棒で薪をいじっています。その後、女性に飲み物を作るため再び席を立ち、さらに午後11時30分に自分の飲み物を作るため、席を立っています。犯人は誰だと思うかという質問に対しては、女性に殺人はできなから、少佐だろう、という意見を述べています。その他、決まったブリッジの相手はいないということや、女好きをほのめかす内容を話しています。ブリッジの相手について、秘書が矛盾する内容を証言しています。秘書によれば、ロバーツにはブリッジの相手がおり、その人物とロバーツは何時間も籠って練習しているようです。また、女好きという点についても、魅力的な秘書には手を出さず、キスを拒否するなどの矛盾があります
  • ロリマー夫人
    ロリマー夫人はダミーのときに一度だけ席を外しました。このとき被害者に近づきましたが、被害者はまだ生きていたようです。他のメンバーについて、男性は席を立ったが、アン・メレディスだけは席を立っていないと証言しています。なお、怪しいのは誰かという質問に対しては、回答を拒否しています
  • メレディス
    メレディスはブリッジ中に歩き回ったかどうかについて、証言が二転三転します。結局、席を立ったようですが、暖炉には近づいていないようです。いずれにしても、席を立っていないというロリマー夫人の証言と矛盾しています
  • デスパード
    デスパード少佐はブリッジの最中にそれぞれが立ち上がったと証言しています。特に、ロリマー夫人が被害者と話していたということを憶えているようです。犯人については、ロバーツ医師の名前を挙げています。しかし、女性二人を除外した理由は女性だからや親戚に似ているからなどとなっており、明確な根拠はないようです
  • ブリッジの記憶
    ポワロは容疑者4人に、ブリッジの展開を尋ねています。まず、ロバーツ医師はグランドスラム(総取り)をやったこと以外はほとんど憶えていないようです。これに対してロリマー夫人はスコア表をみることで、ブリッジの展開をほぼ完全に思い出しています。特に、グランドスラムが行われたゲームは深く印象に残っていました
  • 室内の記憶
    ポワロは容疑者達にブリッジをプレイした部屋にあったものも尋ねています。ブリッジについてはよく憶えていなかったロバーツですが、部屋にあった調度品についてはよく記憶しているようです。一方、ロリマー夫人は椅子があった程度のことしか記憶していませんでした。メレディスもあまり詳しくは記憶していないようです

秘密

容疑者達には動機となり得る秘密がありました。

  • ロバーツ
    独身のロバーツ医師は性欲過剰症の女性患者と不倫をしていたようです。二人の激しい言い争いを秘書が耳にしています。その女性患者ですが、ロバーツに予防注射を打たれたあと、エジプトへ飛び、そこで感染症にかかって死亡しました。この一件について、被害者となったシェイタナは、医者であれば毒を盛れると発言していました
  • ロリマー夫人
    ロリマー夫人は二度結婚しています。最初の結婚では、夫が階段から転落し死亡しています。これは事故として処理されているようです
  • メレディス
    アン・メレディスは家庭教師をして、いくつかの屋敷を転々としており、そのうちの一つを彼女は隠していました。隠していたのは、屋敷の女主人が死亡したためで、その原因となったのがメレディスであると考えられていました。ある日、メレディスはうっかり銀の研磨剤の容器を割ってしまい、研磨剤をシロップの容器にうつしました。その研磨剤入りのシロップを女主人が誤って飲んでしまい、女主人は死亡してしまいます。女主人には寝る前に洗面台に置いたシロップをなめる習慣があり、洗面台に置かれたシロップと、研磨剤入りのシロップ容器が何者かによってすり替えられていたため、死亡事件が起きてしまいました。この事件、誰がすり替えたのかはわからず、結局、事故として処理されます
  • デスパード
    デスパード少佐は探検中に同行していた教授が感染症で死亡するということを経験しています。公けには病死ということになっているようですが、軍の内部では、少佐が教授を銃で撃ち殺したという噂があるようです
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ネタバレ

犯人はロバーツ医師です。睡眠薬を飲んだのは被害者本人で、犯人は被害者が眠っている姿を目撃し、衝動的に犯行に及びました。犯人の犯行を煽ったのは被害者自身で、ディナーにおける被害者の発言や重大発表の告知などは扇動の手段でした。

被害者のシェイタナは自分を殺しそうな人物を集めて挑発し、犯人を犯行へと導きました。睡眠薬を飲んでいたのは、殺された時に苦しまないためだったようです。シェイタナは究極のスリルを求めて、このような言動に至りました。生きることに執着がない、精神を病んでいるなどの性質も持ち合わせていたようです。

ロバーツ医師は女性患者を殺していました。予防注射の時に、針を意図的に汚染させ、細菌を女性の体内に入れました。女性は渡航先のエジプトで感染症を起こし、これが原因で敗血症となって亡くなりました。亡くなる直前、女性はエジプトでシェイタナと知り合い、ロバーツに関するすべてを話していたようです。

ロバーツが女性患者を殺した理由は、その女性に脅されていたためでした。実はロバーツは、女性ではなく、女性の夫と不倫をしていました。この夫こそがブリッジの相手であり、そして、籠ってやっていたのはブリッジではなく、不倫でした。
ロバーツが女好きのように振舞っていたのは同性愛者であることを隠すためで、これは美人秘書との関係が示唆していました。

ロバーツは観察力に優れた人物で、部屋の様子をよく憶えていました。しかし、ブリッジについてはよく憶えておらず、グランドスラムを達成できるかどうかの白熱したゲームすらも、記憶はほとんどありませんでした。このグランドスラムが起きたゲームでロバーツはダミーだったので、ゲーム展開をよく観察できたはずですが、それでもやはり何も憶えていませんでした。これはつまり、他のことに気を取られていたということを示唆しています。

容疑者達の秘密

それぞれが罪を犯していました。

  • ロリマー夫人の過去
    ロリマー夫人は別の男性と結婚するため、最初の夫を階段から突き落として殺害しました。夫人には、殺害した夫との間に子供がおり、それが、アン・メレディスでした。つまり、ロリマー夫人とメレディスは親子でした。夫を殺してまで結婚した男性ですが、結婚後すぐに病気で亡くなってしまいます。ロリマー夫人はポワロに犯行を自供していますが、これは娘のアンをかばうためでした。ロリマー夫人はアンが犯人だと思っていたため、アンが有利になるような証言をしていまいた。
  • メレディスの過去
    アン・メレディスには盗み癖がありました。彼女は家庭教師先で盗みを働いており、常習犯だったようです。全く見つからずに犯行を重ねていたメレディスですが、研磨剤をなめて死亡した女主人(ベンソン夫人)に盗みを見られてしまいます。しかしながら、女主人を殺害したのはメレディスではなく、親友のローダ・ドーズでした。ローダはアンを支配するため、アンに責任を負わせるようなかたちでベンソン夫人を殺害しました。なお、ローダはシェイタナ殺人事件の解決直前に、アンを川に突き落として殺害しようとします。しかし、アンをオールで沈めようとして逆に自分が川に落ちてしまいます。アンは駆け付けたデスパードによって助けられますが、ローダは溺れ死にます
  • デスパードの過去
    デスパードは教授を銃殺していました。探検に同行したのは教授だけではなく、教授夫人も一緒でした。そして、教授は密かに新しい麻薬を探していました。見つけた麻薬を自分に試した教授は、気が狂って妻を襲いました。デスパードはその妻を助けるために発砲し、教授を殺害しました。デスパードと教授夫人は不倫関係にあり、スキャンダルを避けるため、二人は教授の死を病死として探検先に埋めました

結末

事件を解決したポワロはウィーラー警視にある写真を渡します。そこには、警視という立場の人物にはとてもふさわしくない恰好をしたウィーラーが写っていたようです。実は、殺人事件発生後に、被害者の屋敷に押し入ったのはウィーラー警視で、警視は写真を探していたようです。

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感想

大金持ちが殺されるスリルを味わうという事件でした。たしかに精神を病んでいる気がします。
原題は「Cards on the Table(直訳すると「テーブルの上のカード」)」で、ドラマは原作と異なる部分が多いです。四人の容疑者に絞られる点などは同じですが、この容疑者達の過去にドラマと原作で違う部分が多いです。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「ひらいたトランプ」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼
事件分類 殺人
何故犯行に及んだのか
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