ドラマ第8話『ヴァニロス荘の殺人(Pension Vanilos)』のあらすじ、感想です。『ヒッコリー・ロードの殺人』を原作にしたエピソードで、下宿で発生した盗難事件が物語の発端になります。
あらすじ
マルレーヌの姉・ソランジュが営む下宿で盗難事件が多発します。マルレーヌはロランス警視に相談しますが、盗まれたものはいずれも大したことなく、取り合ってもらえません。そこでマルレーヌはアリスに相談。アリスは警視が関わっている麻薬密売事件の情報をマルレーヌから教えてもらう代わりに、下宿の調査を始めます。
一方、ロランス警視は麻薬密売に関わった女性・メリーを捕まえ、囮にして、取引相手も逮捕しようとしますが…、メリーが土壇場で裏切り、取引相手は逃亡します。しかも、囮になったメリーは取引相手に撃たれて重傷を負ってしまいます。
ちょうど同じ頃、アリスが下宿人を装って入居した下宿では、下宿人の一人である看護師・ルイーズが毒殺されるという事件が発生します。

登場人物
登場人物がやや多めです。
- ソランジュ
マルレーヌの姉。下宿を営んでいる。姉妹とは思えないほど、ソランジュは地味。 - ルイーズ
下宿人。看護師。被害者。アリスとベッドメークをしていた女性。 - ピエール
下宿人。医学生。メガネの若い男。 - エンダィエ
下宿人。黒人の女性。 - ジャン
下宿人。ハンサムな白人男性。父親は有名な科学者。 - マルグリット
下宿人。やや地味な印象の女性。 - ローズ
下宿人。美容師。派手な女性。儲かっているようだが、下宿で暮らしている。 - メリー
ロランスが逮捕した女性。麻薬密売に関わっている。
ロランス警視がスコットランドヤードのジャップという人物について話したり、電話で会話したりします。ジャップはポアロシリーズに登場する刑事です。ポアロシリーズを読んだり、ドラマ『名探偵ポワロ』を視聴したことがある方にとってはお馴染みの人物だと思います。名前が登場して、ちょっと嬉しい気分になりました。
ネタバレ
ルイーズが殺され、撃たれたメリーも病院で首を絞められて殺されます。さらに、マルグリットも殺害され、なんと、マルレーヌまでめった刺しにされて殺されてしまいます……。マルレーヌの死は意外過ぎて、驚きを隠せなかったですが、実は死んだのは姉のソランジュの方でした。ソランジュはマルレーヌに変装して、警察署に忍び込み、麻薬密売の情報を手に入れようとしていました。
真犯人
ルイーズ、メリー、ソランジュ、マルグリットを殺したのはジャン・バティストで、美容師のローズが共犯者です。いずれも動機は口封じと考えられます。
ソランジュは下宿を利用して麻薬の密売に加担していました。ジャンとローズはソランジュを手伝う立場にありましたが、ジャンは自分自身で密売を取り仕切ろうとしていました。
マルグリット殺害についてジャンにはアリバイがあると思われていました。ジャンが警察署で警視やマルレーヌと一緒のときにマルグリットから電話がかかってきて、このとき、マルグリットが襲われたようにみえていたからです。
これは偽装工作で、電話をかけたのは共犯者のローズでした。このとき既にマグリットは殺されていました。
盗難事件の秘密
盗難事件が多発していたのは、ジャンらが変装道具を手に入れるためだったと思われます。聴診器を手に入れて、それを首にぶら下げれば、医者にみえます。医者であれば、看護師であるルイーズの職場から青酸カリを盗むこともできたはずです。おそらく、聴診器だけを盗むと目立つので、他のどうでもいいものも盗んでいたのでしょう。
感想
マルレーヌの死は衝撃的でした…。それにしても、我を失ったロランス警視に拘束され、拳銃で脅された挙句、銃殺されそうになったピエールが気の毒です。というより、刑事告訴されてもおかしくない状況だった気がします。ピエールに隠し事があったのは確かですが、それが、警察の偉い人の奥さんとの不倫だったわけで、笑えないジョークみたいでした。
IMDbでは、このエピソードの評価が最も高くなっているようです。忘れられそうにないマルレーヌの一件が、高評価の理由かもしれません。
マルレーヌと姉のソランジュは同じ役者さんが演じています。どこか似ている気がしていたのですが、実は同一人物でした。それにしても、ぜんぜん雰囲気が違いますね。
原作は『ヒッコリー・ロードの殺人』で、物語の内容はとても似てます。ドラマ名探偵ポワロ版の内容については、以下のページにまとめています。

