アリバイのダイヤル・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ12】

刑事コロンボS2E3・第12話「アリバイのダイヤル(The Most Crucial Game)」のあらすじとトリック解説です。フットボールチームのマネージャーであるポール・ハンロン(ロバート・カルプ)が、鉄壁のアリバイを用意して完全犯罪に挑みます。


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あらすじ(ネタバレ注意)

フットボールチームのマネージャーであるポール・ハンロンは、無能でやる気のない2代目社長のエリック・ワグナーを殺害します。犯行後、スタジアムのボックス席でフットボールの試合を観戦していたという、エリック殺害時のアリバイを用意します。
このアリバイは殺されたエリックを調査していた私立探偵の仕掛けた盗聴器の録音テープによって完璧なアリバイとなります。

完璧にみえたアリバイでしたが、ボックス席から観戦していれば録音されるはずの音が録音されていなかったため、ポールのボックス席にいたというアリバイは崩れます。

©Universal City Studios


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登場人物とキャスト


  • コロンボ警部(

    ピーター・フォーク

    声:小池朝雄)

  • 【犯人】ポール・ハンロン(

    ロバート・カルプ

    声:梅野泰靖 )


    フットボールチーム「ワグナー・スポーツ」のゼネラルマネージャー。会社乗っ取りを企む野心家

  • 【被害者】エリック・ワグナー(

    ディーン・ストックウェル

    声:森功至)


    ワグナー・スポーツの2代目社長。経営に無関心で遊び好きなプレイボーイ
  • シャーリー・ワグナー(スーザン・ハワード 声:武藤礼子)
    エリック・ワグナーの妻
  • ウォルター・キャネル(ディーン・ジャガー 声:真木恭介)
    ワグナー家の弁護士。ハンロンを警戒している
  • ラリー・リゾ(ジェームズ・グレゴリー 声:富田耕生)
    フットボールチーム「ロケット」のコーチ
  • イブ・バブコック(ヴァレリー・ハーパー 声:荒砂ゆき)
    元秘書。探偵に雇われ盗聴器を設置する
  • ラルフ・ダブス(ヴァル・アヴェリー 声:塩見竜介)
    探偵。ウォルターに雇われ盗聴を行う
  • クレメンス刑事(クリフ・カーネル)
    殺人事件を担当する刑事
  • キャシー・ケリー・ウィジェット
    新しい秘書
  • フレモント
    旅行会社の従業員
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トリック解説

ポールはエリックの死を事故死に偽装し、自分のアリバイを作っています。完全犯罪を成し遂げる上で、以下の項目が重要なポイントになってきます。

  1. エリックの妻、シャーリーが不在
  2. エリック邸の使用人も不在
  3. エリックが前夜に酒を飲む
  4. プールで泳ぐ習慣がある
  5. フットボールチームの試合当日
  6. エリックの電話が盗聴されている
  7. アイスクリーム売りの衣装と車を用意

事故死偽装

ポールはエリックが酔って自宅のプールに入り、滑って転んで死んだようにみせます。

まずエリックに女を仕向け、朝まで酒を飲んで騒ぐようします。翌朝、ポールがエリックに電話し「プールで目を覚ませ」と、それとなく伝えます。この時、周囲に人がいないことも確認しています。

ポールは、試合の最中にスタジアムから脱け出し、変装してエリック邸へ向かっています。プールで泳いでいるエリックを氷塊で殴打し、気絶させ、その後、エリックは水中で溺死することになります。エリック殺害後、ポールは自分の足跡をホースで水を撒いて消しており、抜かりがなさそうにみえます。

アリバイ工作

ポールはボックス席で試合を観戦していたというアリバイを捏造します。

変装

ポールは誰にも見られずスタジアムから抜け出すため、アイスクリーム屋に変装します。そして、国歌斉唱のタイミングで、堂々と客席を通り、スタジアムから抜けます。さらに、エリックの自宅へ向かう際には、アイスクリーム屋の車を使っています。

公衆電話とラジオ

スタジアムにいたというアリバイを作るため、移動中、ポールはエリックに電話します。この時、ラジオで試合の実況を流すことで、スタジアムのボックス席にいるようにみせます。ポールはエリックにかけた電話が盗聴・録音されることを知っており、これをアリバイ工作に利用します。

盗聴について

盗聴はポールが仕掛けたわけではありません。ただ、この盗聴をうまく利用して犯行に及んでいます。

盗聴されていたのはエリック・ワグナーの自宅とポール・ハンロンの事務所で弁護士のウォルター・キャネルが、いわば盗聴の主謀者です。キャネルはエリックの堕落の原因がハンロンにあると疑い、彼の不正を暴くために私立探偵ラルフ・ ダブスを雇っていました。なお、盗聴器の設置にはラルフ・ダブスに雇われたコールガール(元秘書)のイブ・バブコックが関わっています。

消える凶器

ポールは凶器に氷の塊を使います。エリックを殴った後、氷塊をプールに捨てることで、凶器は消えてなくなります。

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犯人のミス

コロンボが真相に気付くきっかけです。

不自然な行動

犯人のポールはラジオを切るタイミングや、自宅から電話をかけないなどの不自然な行動をとります。

ラジオ

被害者の死を聞かされた犯人はラジオの音量を下げますが、観戦はやめません。しかし、現場のプールに巻かれた水の話題になったとき、ラジオを切りました。

また、殺しの疑いがあるとコロンボから聞いたポールは、驚いて、聞いていたラジオを切ります。エリックが死んだと聞いた時は、ラジオのボリュームを下げただけだったため、コロンボに不自然な行動と捉えられます。

電話

ポールは自宅ではなく、外で電話をしています。電話の相手はすぐ辞めた秘書です。その秘書が電話をかけてきていますが、盗聴機で録音されるため、電話には出ていません。

ちぐはぐな証拠

ポールは自分の足跡を消すために水をまきました。これを発見したコロンボは、この水が何のために巻かれたのか説明がつかない状況に頭を悩ませます。
殺人のあと、酒の配達に来た男がエリックの死体をみつけていますが、犯人の想定よりも早く死体が見つかったため、巻いた水が乾いていませんでした。

犯行の証拠

ポールがエリック殺害時に使ったアイスクリーム屋の車を目撃した人物が現れます。これがきっかけとなり、アイスクリーム屋が容疑者となります。

オフィスの電話

ポールはエリックが盗聴されていることを知っていたため、オフィスの電話を使わず、わざわざ外に出て電話をしました。

時計のチャイム【決定的な証拠】

ボックス席にいたのであれば、電話の録音に、ボックス席にある時計のチャイムが録音されていなければなりません
しかし、実際は別の場所から電話をかけたため、テープにチャイムは録音されていませんでした。

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感想

録音されているはずの音が残っていないというのは古畑任三郎「しゃべりすぎた男」に登場します。

  • ポジティブ感想
    • コロンボの推理の過程が丹念に描かれている
    • オチがコロンボならではで良い
    • 細部はともかく、全体の雰囲気に魅力を感じる。何回でも観たい
    • ラストシーンのテープが空回りするエンディングが印象的
  • ネガティブ感想
    • 動機が不十分、または不鮮明に思える
    • 時計のトリックによるアリバイ崩しが、やや強引で説得力に欠ける気もする…
    • アリバイ崩しで終わった感じ。続きが気になる

口コミ分析

海外サイトの口コミには、motive(動機)、poolなどが書き込まれています。

国内サイトでは、盗聴、時計鳴るなどが書き込まれています。

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考察

トリックのポイントをまとめると次のようになります。

  • タイムリミット
    ハーフタイムまでの限られた時間内で犯行を成し遂げる必要があり、サスペンスの要素になりそうでしたが…、完全犯罪を目論む犯人と名刑事の対決を描いた本格的なミステリーですので、犯行は滞りなく進みます(もちろんミスはあります)
  • 第三者の利用
    エリックは第三者による盗聴を自身の犯行に利用しています。これによって犯行はかなり複雑になっています
  • 消える凶器
    氷という消える凶器は典型的な古典トリックです
  • 見えない人物
    アイスクリーム売りというのは心理的に見逃しがちな人物といえます。使用人、乗務員などなど、普段はそこまで意識しない人物だといえます

第三者の行動(盗聴)を利用した点や、消える凶器、心理的盲点となる人物への変装など、ミステリー要素が満載です。タイムリミットがあるというのも、ミステリーっぽいといえます。

決定的な証拠は、本来聞こえるべき音が入っていなかったという事実です。確かに背景音は録音されていませんでしたが、それは、犯人がアリバイに関して嘘をついていたということを証明しているのであって、殺人に直接結びつくような決定的証拠ではありません。なぜ、犯人でもないのにアリバイを偽ったのかを合理的に説明できれば、言い逃れもできそうです。ミステリーでよくあるのは、実は不倫をしていてそれを隠していましたとかでしょうか。そういった、人には話しにくい後ろめたい事実があれば、言い訳もより説得力が生まれそうです。

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小ネタ

  • アドリブ
    コロンボ警部が革靴を濡らしてしまい、弁護士に靴の値段を尋ねるシーンはピーター・フォークのアドリブらしいです。
  • つながり
    新刑事コロンボ56話『殺人講義』で、法学部の生徒たちにコロンボ警部が講義しますが、このエピソードについて語っていたかもしれません。
  • ロケ地
    殺害されたエリック・ワグナー邸は『構想の死角』のフランクリン邸と同じです。
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「アリバイのダイヤル」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。原題は「The Most Crucial Game」で直訳すると『最も重要なゲーム』になります。アリバイやダイヤルを意味する単語は含まれていないようなので、日本語タイトルとはだいぶ異なります。
最後に、ドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。背景音トリックは、ラジオを使って電話の背景音を偽るトリックです。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 事故死偽装
ミス チャイム
動機 会社の乗っ取り
凶器 氷の塊
トリック 背景音トリック
コロンボの罠
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