古畑任三郎vs陣内孝則|笑うカンガルー【あらすじ・ネタバレ解説・第13話】

古畑任三郎SP1「笑うカンガルー」のあらすじとトリック解説です。数学者の二本松晋(陣内孝則さん)が犯人です。このエピソードは、第1シーズン終了後に放送された95分のドラマです。

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あらすじ

コンビの数学者である二本松晋(にほんまつ・しん)と野田茂男(のだ・しげお)は、数学界最高の栄誉であるアーバックル賞を受賞し、授賞式のため、会場であるオーストラリアのリゾートホテルに滞在していました。受賞したのは二本松と野田の二人でしたが、二本松はただのスポークスマンで数学者としては二流の人物でした。

授賞式の夜。インタビューの最中に、二本松は野田茂男の妻である野田ひかる(のだ・ひかる)から電話をうけます。その内容は夫の野田が死んだというショッキングなものでした。二本松が部屋に駆け付けると、そこには、仰向けに倒れた野田茂男の姿がありました。

ひかるの犯行

野田ひかるは夫で数学者の野田茂男とホテルの部屋で別れ話の最中に口論となり、夫を突き飛ばします。ひかるは夫を殺したと思い、不倫相手であり数学者の二本松に相談します。

二本松の犯行

二本松はひかるをホテルのバーで待機させ、野田の死を階段からの転落死に偽装しようとします。さらに、アリバイ工作のため、たまたま出くわした古畑や今泉とトランプをします。ところが、トランプの最中、野田の部屋に置き忘れた扇子に気付きます。
二本松は扇子を回収するため、死んだ野田のもとへ向かい、ルームーキーを手に入れようとします。しかし、奇妙なことに、野田の死体はどこかに消えていました。

急いで野田の部屋へ向かうと、野田はまだ生きていることが判明します。息を吹き返した野田は二本松に、数学の難問「ファルコンの定理」が解けたと話します。二本松は一緒に公表しよう持ち掛けますが、野田は拒否し、功績を自分のものにしようとします。その態度に腹を立てた二本松は野田を灰皿で殴って殺害。再び、階段から転落死したように偽装します。

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登場人物(キャスト)

主な登場人物をまとめます。

名前 キャスト 説明
二本松晋 陣内孝則 犯人
数学者
野田茂男 田口浩正 被害者
数学者
野田ひかる 水野真紀 被害者
野田の妻
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犯人

二本松晋(にほんまつ・しん):数学者。35歳。数学者としての才能はそこまでではないらしい。数学のパートナーである被害者にバッサリ切り捨てられている様子を窺うに、スポークスマンとしての才能もそこまでではなかったのかもしれない。被害者の妻と不倫していたという点を加えると、もはやどうしようもない感じである(被害者も被害者で人を寄せ付けないタイプの人間性だったが…)。
この事件はいろいろとややこしい。発端は妻の野田ひかるが夫を突き飛ばしたことである。殺したと思ったひかるは二本松に助けを求め、二本松が共犯者となった。二本松は事故死にみせようとしていろいろと偽装を仕込んだのだが、実は生きていたことが判明する。

生きていたのならそれでめでたしめでたしなのだが、ファルコンの定理を巡る事件が起きてしまう。今度こそお亡くなりになられましたということで、二本松はまったく同じ偽装工作を仕掛ける。そして、自身が犯した殺人をひた隠し、ひかるがやったことにするという。ほんと最低です。
終盤でひかるが自白するので、二本松の計画は割と上手くいっていたようにみえるのだが、やっぱり捕まってしまう。そして、最後の最後にはひかるの殺意が垣間見え『計画通り』みたいな顔をするという。ひかるが夫を突き飛ばしたのは、事故(傷害)ではなく殺人未遂だったということだった。

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最初のセリフ

ちょっと手を出してみてください。あ、いや、両手です。計算機がなくても掛け算ができる便利な方法があるのをご存知ですか?俗に言う「フランス式指電卓」です。ではやってみます。
例えば「7×8=56」の場合。左は「7」を表します。ご一緒に。1、2、3、4、5、6、7。右は「8」を表します。ご一緒に。1、2、3、4、5、6、7、8。ここまでよろしいですね?次は答えです。「56」。10の位は立っている指を足します。「2+3=5」ですね。で、1の位は折れている指を掛けます。「3×2」でさんにが「6」。という事で「5」と「6」で「56」、「7×8=56」です。九九を忘れた方は是非やってみてください。
では次に「8×9=72」にチャレンジ!
よろしいですか?1、2…これ大変時間がかかります。
お好きな方は自分でやってみてください。

数学者が犯人ということで、計算方法が紹介されています。

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暗転のセリフ

えー、今回はスペシャル2時間枠に相応しい大変込み入った事件でした。
野田さんの奥さんが自白しているにも関わらず、私は犯人は二本松先生だと確信しています。その手がかりは、壊れた眼鏡、新聞写真、届いた手紙、そして壁の落書きです。はい、後はどうすればそれが証明できるのか?大変難しい問題です。皆さんも考えてみてください。解決編はこの後で、古畑任三郎でした……。

古畑が決定的な証拠はないという状況を説明し、どうやって追い詰めるのか?が問われています。

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トリック解説

被害者が生きていることが明らかとなり、状況は多少異なりますが、偽装工作は同じです。

転落死偽装

犯人の二本松は酔った野田がプールへ向かう途中に、ホテルの階段で転んで死んだようにみせようとします。

酒とつまみ

ひかるが突き飛ばした野田茂男は素面でした。そのため、二本松は無理矢理、お酒とつまみの塩辛を食べさせます。

海パン

プールに行く途中だったということをもっともらしくするため、海パン姿に着換えさせます。

灰皿のすりかえ

二本松は野田を殴った時に使った灰皿を自分の部屋の灰皿と交換しています。
なお、この灰皿を使って二本松は野田ひかるに罪をなすりつけようとします。

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犯人のミス

古畑が犯人の偽装工作に気付くきっかけとなります。なお、被害者の部屋には無理矢理酒を飲ませたような痕跡(床の染み)が残っていました。

裸の死体

野田の死体に海パンをはかせた二本松は死体を階段の下へ運んだ直後、ホテルの従業員に見つかりそうになります。
逃げ場を失った二本松は、野田の海パンで、プールへと逃れ難局を脱します。しかし、野田の死体は全裸になってしまいました。全裸なのに時計はしているという変態チックな服装です。

古畑は誰かがパンツを持ち去ったと考え、女性(被害者の妻)を容疑者から外します。女性の場合、海パンだけでは足りません。

塩辛

二本松は酒のつまみに塩辛を選びました。被害者本人が選んだのでないならば、酒のつまみに塩辛を選ぶのは、日本人の可能性が高くなります。

朝食

犯人は部屋のドアノブに朝食のオーダーをぶら下げて、被害者が注文したようにしていました。しかし、玉子の調理法がいつもの被害者の注文と異なっていました。

冷却スプレー

被害者の野田は蘇生後に冷却スプレーで頭を冷やしていました。この匂いが死体に残っていたため、古畑は単なる事故死に疑問を抱きます。転落する前にあらかじめ冷却スプレーを使っていたというのは不自然ですし、プールに入る前にスプレーするというのも無駄な行動に思えます。

不自然な発言

二本松は古畑達とセブンブリッヂをしている時に「あいつは負けず嫌いだったから」と話します。過去形になっているので、もう既に亡くなっているような口振りです。

壊れた眼鏡

二本松が野田を殴った際に野田の眼鏡が壊れました。また、野田の部屋には壊れた眼鏡が置いてありました。これはひかるが夫を突き飛ばした時に壊れた眼鏡です。
授賞式の写真から眼鏡が壊れたのは事件のあった日の夜だったことが明らかとなり、古畑は野田が二回殴られたと推理します。

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古畑の罠

野田は壁に数式を書く癖があり、「ファルコンの定理」が解けた時も、ホテルの壁に数式を書いていました。二本松はその数式を部屋の絵画を使って隠していました。
数式をみつけた古畑は二本松に野田の部屋だと思いこませ、壁の数式を自ら話すように仕向けます。

壁の数式は犯人でないと知り得ない情報であり、それを隠すことができる人物は犯人に違いありません。

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結末

「ファルコンの定理」は事件の一週間ほど前に別の数学者が解いていました。解答の検算のために送られてきた手紙を読んだ野田は、頭をうって軽い記憶喪失となり、自分で解いたと勘違いしていました。つまり、二本松の犯行動機は勘違いが原因だったことになります。
さらに「口論になって突き飛ばした」と話していた野田ひかりも、本当は明確な殺意をもって夫を殴った可能性が高いことが明らかになります。

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感想

レターでレターさんが登場、ウォーターでウォルターさんが登場などのあと、オーマイガットで大前田が登場するくだりが笑えます。日本人の英語発音あるあるでしょうか。

項目 内容
殺人の計画性 なし
偽装工作 転落死に偽装
ミス 塩辛
動機 失業の危機
凶器 灰皿
トリック
古畑の罠 壁の数式

番組情報

項目 内容
脚本 三谷幸喜
監督 関口静夫
演出 松田秀知
長さ 95分
放送 1995年
4月12日(水)
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