森博嗣Gシリーズ10作目「χの悲劇(The Tragedy of χ)」のあらすじ、感想、考察です。カイの悲劇では、島田文子が登場し、トラムで事件に巻き込まれます。
あらすじ(ネタバレ注意)
かつて真賀田研究所で働いていた島田文子は香港の電車(トラム)内で殺人事件に遭遇します。この事件の犯人は、ロボットの車掌で、原因は、ロボットのプログラムミスでした。
島田は殺人事件をきっかけに政府から真賀田四季に関する情報のハッキングを依頼されます。ハッキングは成功しますが、手に入れた情報が偽物だったことなどの事情により、金(金子)やカイ(海月及介)の協力のもと逃亡することになります。上手く逃げ切った島田文子でしたが、その後、癌が発覚し、病院で息を引きとります。
この作品で、海月の母は各務亜樹良、父は妃真加島の真賀田研究所に勤めていた小山田真一であるということが明らかになります。

感想
時代がよくわからなかったりするわけですが、それもまたトリックなのかもしれません。海月君は何者なのかというのが、この作品でわかります。闇を抱えた青年だったわけですが、闇が深すぎて無口になったのかもしれないですね(テキトーな感想ですみません)。
みんなの感想
「χの悲劇」の感想としては、衝撃のラスト、エピローグでびっくり、色々懐かしい、全部読み返したい、などがよく書き込まれています。
話題になっているのは、登場人物の金(キン)とエックスの正体です。エックスはカイとも呼ばれています。金はS&Mシリーズに登場した金子勇二が登場します。物語の中で、金子勇二は島田の質問に、結婚している、と答えています。相手は反町愛と考えられます。

| レビュー数 | 文章数 | 異なり語数 |
|---|---|---|
| 603 | 2351 | 3323 |
考察
今回の殺人事件は、ロボットのミス、ということになります。突き詰めれば、設計者のミスですが、意図したものではないようです。
ギリシャ文字の事件について
作中、島田文子が次のような発言をしています。
あれの半分くらいは、私がまだネットで働いていた時期でした。結局、真賀田博士とは直接関係はなかったのですが、その下部組織というか、勝手に周辺であれやこれやと錯綜していました
森博嗣「χの悲劇」ノベルスP115抜粋
『あれ』というのは、ギリシャ文字の事件です。半分は真賀田博士と関係がなかった、とも捉えられますが、おそらく、全てのギリシャ文字の事件は、真賀田四季本人と一切関係がないようです。
ネットで広がった四季サークルの信者が暴走して、事件を起こしていた、と考えられるような内容だと思います。
χの悲劇と時系列
最後の一文で、島田は89歳で他界したことがわかります。
この年が、2054年だとすると、萌絵は79歳前後、犀川は92歳前後となります。海月は75歳、金子は萌絵とほぼ同い年と思われます。
金子は老紳士と表現され、海月はフォックスよりも年上と書かれております。フォックスは50代なので、海月はそれ以上です。正確な年代や年齢は、作品の中に登場しませんが、20代だった海月が50、60代以上になっていることは間違いないと思います。

