ドラマ「すべてがFになる」についてです。ドラマは2014年10月に放送されました。犀川と萌絵が活躍するS&Mシリーズの作品が映像化されています。

評価と視聴率
ドラマの「すべてがFになる」はとても評価が低い作品になってしまいました。ファンとしては悲しいです。2014年10月期のドラマランキングにおいて、平均視聴率は18作品中10位、評価は37作品中35位となっています。
視聴率の順位は中ほどですが、初回が11.8%だったのにも関わらず、最終回では最下位級の6.1%にまで下がりました。ほとんどの視聴者が、途中で離脱してしまったようです。
考察
原作「すべてがFになる」やその他シリーズ作品の魅力は理系大学の研究者や学生が繰り広げる会話などにあったと思います。ちょっと変わった考え方をもつキャラクターや理系的なトリックも魅力的です。
ドラマにおいてトリックはそのままのようですが、理系キャラというのは作品から全く失われているように思います。
理系キャラの喪失
犀川は腕時計の時刻を時報でキッチリ合わせています。ドラマでは、タブレット端末を持ち運び、そのタブレットに表示される時刻に腕時計の時刻を合わせていました。ここに違和感があり、タブレットを持っているなら腕時計を合わせる必要はないですし、わざわざ合わせなくても、タブレットを確認した上でどれだけ遅れているのか憶えておけばいいと思えてしまいます。こんなふうに理屈っぽく合理的に考えるのが犀川や国枝などの理系キャラだと思いますので、ドラマでは理系キャラが喪失しているように感じてしまいます。
タブレットどうのこうのは細かな話であり、何度も時計を合わせるというキャラ設定が理系を表現していると考えることもできます。しかし、これはただのオタクっぽい人です。そして、結局のところ、犀川はただのオタクになってしまっているように思えるのです。文系の人が抱く理系のイメージ=オタク、みたいな偏見がドラマには現れているようにも思えます。
とはいえ、シリーズ作品のなかで、犀川はオタクっぽいキャラではあります。なので、ここでの内容は、このオタクは犀川で、あのオタクは違う、みたいなことを言っているようにしか思えない意見であったりもします。キャストのイメージが違う、というのと大差ありません。
会話の喪失
犀川と萌絵のやり取りが面白いのに、それが、改変されているように思います。犀川の持論もなくなっています。視聴者には受け入れられないという判断なのかもしれません。
感想
正直、そんなには面白くないと思います。これはどうやら、原作を読んでいる人は面白くないと感じ、原作に触れていない人は面白いと感じる傾向があるようです。原作ファンがみると、いろいろと何か違う部分が生じるのだろうと思います。特にキャストは原作ファンのイメージとの差が生まれやすい部分ではないでしょうか。個人的には、豪華なキャストだな、ぐらいの感想しか持ちませんでした。鵜飼役の戸次重幸さんと、1、2話でゲストだった市川由衣さんが、放送後の2015年に結婚されたのは、ちょっと注目ポイントです。
キャラ設定
みていて気になったのはキャラ設定です。まず、ドラマでは喜多先生があからさまな道化役になっていました。原作において、喜多先生は全くそういうキャラではなく、かっこいい大人という感じだったはずです。原作の方には、独特な笑いどころがあるのですが、ドラマではそれが登場していませんでした。笑いがないので、喜多先生のキャラが変わったのだと思いますが、原作とは全く関係のないギャグになっていました。
そして、犀川先生は典型的なオタクになっていました。犀川は歴史的な建造物をみても、はしゃいだりはしないはずですが、ドラマでは、そんなシーンが描かれていました。
喜多にしろ、犀川にしろ、原作と異なるだけであって、原作を読んでいない人にとっては、特におかしなところはないと思います。ドラマはドラマ、原作は原作と考えれば問題はないのかもしれません。
会話
森博嗣氏の作品で面白いのは、やはり登場人物の会話です。天才や頭がいいというキャラが魅力の一つで、そのキャラ達が繰り広げる会話や、その思考が、とても面白いのだと思います。小説のレビューをみているとよく登場するのが、会話や思考の魅力で、あとは難しいという感想もよく見かけます。残念なことに、ドラマではこういった要素がすべて割愛されていました。森博嗣氏の作品はストーリー展開やトリックがもの凄く面白いわけではない気がするので、会話とかの魅力をそぎ落としてしまうと、だいぶ作品の面白さは減ってしまいます。
ドラマはドラマで面白いのかもしれませんが、大ヒットしたかというとそうではなく、平均視聴率はむしろ低い方でした。
みんなの感想
視聴者の感想・レビューをいくつかご紹介します。原作ファンの低く、原作を知らない視聴者の評価は高いのかもしれません。
原作が大好きなので、大変つらいです。犀川先生、萌絵ちゃんのキャラも何したいんだか、って感じだし。個人的にかなり衝撃だった「僕を彼女の身代わりに」発言がさらりと流された時点で、ああ犀川先生じゃないんだなと。何目的でドラマ化しようと思われたのか、作っている人達の中で本当にこの原作を好きな人はいるのだろうか。本読んでいない人が、ドラマを先に見ちゃって、森博嗣先生の話つまらないとか思ったりしたらとても悲しいです。
ドラマ映像化の出来もひどいけど、やっぱり、原作の古臭さは否めないよ。異常な天才やサヴァン症等の探偵役って時点で飽き飽きだし、設定に関しては少年漫画っぽい陳腐さを感じても仕方がない。もちろん、森博嗣先生の魅力はそういった安易な設定にあるのでは無い事は分かっているけど、でも、その魅力って活字でないと感じられない部分だと思うしね。
何か理解出来ない天才の世界感だった。が、キャスト達に天才感が全く感じられなかった。言葉だけ難しくした様な気がして…つまらなかった。
自分の周りでは結構人気あったよ。
犀川先生と西之園さんの掛け合い面白かったし、 お話もミステリーでそれなりに楽しめました。

