仏ドラマ『アガサ・クリスティーの謎解きゲーム』全話のあらすじと感想です。ネタバレを含んだ内容になっていますので閲覧の際はご注意ください。
ちょっとややこしいですが、『アガサ・クリスティーのフレンチ・ミステリー』のシーズン2が、日本では「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」というタイトルになって放送されているようです。

登場人物とキャスト
主人公は新聞記者アリス・アブリルとロランス警視です。アリスは好奇心旺盛で行動力もある活発な若い女性、対してロランス警視は落ち着いた中高年の男性です。この二人がバディとなって、事件を捜査します。記者と刑事という組み合わせですね。
マルレーヌ・ルロワという警視の秘書も登場します。アリスとは違って(失礼?)セクシーな感じの女性です。
- スワン・ロランス
警視。 - アリス・アヴリル
『北の声』の新聞記者。恋愛相談担当だが、うんざりしている。 - マルレーヌ・ルロワ
警視の秘書。 - トリカード
いちおう、警視の上司。大柄の男性。
| 役名 | 役者名 |
|---|---|
| Swan Laurence スワン・ロランス |
Samuel Labarthe |
| Alice Avril アリス・アヴリル |
Blandine Bellavoir |
| Marlène Leroy マルレーヌ・ルロワ |
Elodie Frenck |
| Tricard トリカード |
Dominique Thomas |
1話:魔術の殺人
社会復帰訓練施設で殺人が起きます。施設を運営する一家の娘が、施設に入っている男どもを発情させてしまっているようで、娘をのぞき見していた男性が首を切られて死んでしまいます。
その後、今度は屋敷にやって来たおじさんが殺されます。犯行があったちょうどその時、ブスケ医師(施設を運営している一家の主人)はレオナール(入居者の男性)と口論になっていました。この口論を一家や関係者はドア越しに聞いていたわけです。
原作の『魔術の殺人』をご存知の方、あるいはミス・マープルのドラマシリーズで作品を知っている方は、この辺で犯人に目星がつきそうです。ただ、最初に入居者が殺されたりしたかな?という感じになります(実際、原作にはない殺人)。
その後、ブスケ医師の奥さんがヒ素で命を狙われていることも判明。奥さんはお金持ちなので、殺害すれば遺産相続が発生します。すると、今度はレオナールの首つり死体がみつかってしまいます。お亡くなりになられたのは、これで三人です。奥さんも含めると、命を狙われたのは四人になります。
犯人は誰?(ネタバレ注意)
最初の殺人は入居者の男性が犯人でした。他二件の殺人とは、まったく関係のないたまたま近くで起きた殺人だったということになります。紛らわしいことをするんじゃない!と思ってしまいますが、仕方がないです。
いろいろお亡くなりになられたのに、いまいち掴みどころがないのは、関係ない殺人が混じっていたからでした。
お屋敷内でおじいさんを銃殺したのはブスケ医師でした。動機は使い込みの発覚です。
医師はレオナールを共犯にして口論しているようにみせていました。口論が起きたとき、実際にはレオナールが一人で騒いでいただけで、医師は部屋を抜け出して犯行に及んでいました。レオナールを殺害したのもブスケ医師で、理由は共犯者の口封じです。
ブスケ医師は単独犯にみえましたが、実は妻も共犯者でした。計画を立てたのは妻の方で、実際に手を下したのは夫です。最終的にはどちらも逮捕されることになります。
妻の命が狙われているというのは嘘です。犯人夫妻は毒殺犯に気付いた被害者が毒殺を企む犯人に殺されたという筋書きを用意していました。
2話:忘られぬ死
映画スターでお金持ちのエルビールがパーティーの最中に青酸カリ入りのシャンパンを飲んで死んでしまいます。担当のポンコツ刑事が、すぐさま自殺と断定しますが、ロランス警視は捜査を続けようとします。
一方、アリスは被害者・エルビールが主演を務めた映画の代役として出演することになります。えっ、誰これ?という感じの変身ぶりでしたが、中身は変わってないので、仕草はアリスそのものでした。
エルビールの死が自殺なのか、それとも他殺なのかわからぬまま、エルビールの夫・ジョルジュが死んでしまいます。ジョルジュは「エルビールは殺された」と書かれた手紙を受け取っており、妻の他殺を疑っていました。そんなエルビールが死んだときと同じ状況を再現したところ、毒入りシャンパンを飲んで死んでしまいます。
毒殺の真相(ネタバレ注意)
エルビールを殺したのは女性秘書のヴィオレットでした。ヴィオレットはヴィクトール(エルビールのいとこで金を無心していた嫌な感じの男)にそそのかされて、エルビールを殺しています。
ヴィオレットは上司のジョルジュに恋をしていました。エルビールが死ねばジョルジュと結婚できるというヴィクトールの甘い言葉を信じ、青酸カリが入ったアスピリンの袋をエルビールに渡しています。毒をシャンパンに入れたのは、エルビール自身です。
ヴィクトールのねらいは遺産です。ヴィクトールは邪魔なエルビールの妹・ビオレットを毒殺しようとしていましたが、毒入りシャンパンを飲んだのはジョルジュでした。手違いが起きのは、店員がショールをかける椅子を間違えたためです。ショールを目印にしたアリスが間違った席に座り、ジョルジュも自分のグラスではないシャンパンを飲んでしまいました。
3話:もの言えぬ証人
時系列通りに事実が発覚しないため、ちょっと複雑な物語になっています。ホラーちっくなシーンも色々あって、結構混乱してしまいます。ん?この少女は誰なの?みたいな感じです。
冒頭はお化けが出て、メイドが階段から転がり落ちるシーンです。このとき、エミリーという老婦人は既に他界しています。亡くなったのは三ヶ月前でした。三ヶ月前に死んだにも関わらず、ロレンス警視のもとにエミリーから手紙が届きます。不審に思った警視は遺体を再調査します。自然死と判断されていたようですが、実は明らかな毒殺でした。
お金持ちのエミリーは亡くなる10日前に遺言を書き換えていました。遺言書き換えのきっかけとなったのが、階段からの転落事件です。そして遺産はエミリーの親族ではなく、すべてが秘書に相続されることになります…。
エミリー殺害の犯人が判明しない中、今度はメイド・デイジーの死体が発見されます。ここで容疑者となるのがロレンス警視の母親アレクシナ・ロランスです。お、お母さん登場するの!?という感じです。
殺人の真相(ネタバレ注意)
犯人はベラ・シアティディスでした。ふくよかで謎めいた発言をするあの女性です。三ヶ月前に死んだ老婦人エミリーの犯行については詳しく語られませんが、ベラが犯人のようです。警視の母親アレクシナに毒を盛ったのもベラだと考えられます。犯行に使われた毒物は取り扱いが難しいようなので、経験のあるベラにしか扱えなかったということのようです。
ベラはメイドのデイジーも殺していますが、死体をクローゼットに隠したのは夫のジョルジュでした。ジョルジュはベラの犯行に気付き、妻をかばおうとしています。
最初に殺されたエミリーはなかなか支配的な性格の女性だったようです。ベラとジョルジュの幼い娘・ソフィアを折檻し、ソフィアは自殺してしまいます。ベラの犯行動機は娘ソフィアの自殺だったというわけです。
ロレンス警視はソフィアをみていますが、あの少女は幽霊でした。アリスが手帳をみつけた時に起きたポルターガイスト現象も幽霊の仕業ということなのかもしれません。
エミリーの財産が秘書に相続されたのは、エミリーが秘書の夫を事故でひき殺していたからでした。この事実は物語の中盤で明らかになります。秘書は復讐のためにエミリーに近付きましたが、犯人ではありませんでした。どうやらエミリーには正体がバレていたらしく、秘書に遺産を相続したのは罪滅ぼしのためだったと考えられます。
4話:なぜマルタンに頼まなかったのか?
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』とタイトルはちょっと違いますが、ほぼ同じストーリーです。
崖の下で瀕死の男性がみつかり、「マルタンなら良かったのに」という意味不明な言葉を残して息をひきとります。亡くなった男性の妹を名乗る人物が現れますが、男性に妹はおらず、妹を名乗った女は殺されます。女はアリスを襲っており、どうやら「マルタンなら…」という言葉は、聞かれてはまずい言葉だったようです。
その後、ロランス警視はアリスの証言により遺留品の写真がなくなっている事に気付き、死体がみつかった崖付近に現れたロランを疑います。ロランは兄の屋敷に滞在しており、屋敷には兄とその妻、そして一人息子が暮していました。
消えた写真には女性が写っており、その女性はロラン一家の友人で精神科医サラザンの妻アルマでした。サラザン医師はなにやら胡散臭く、妻のアルマは怯えています。そんなこんなでサラザン医師に疑いがかかります。
マルタンとは?(ネタバレ注意)
犯人はロランとアルマです。二人は共謀してある大富豪の殺し、遺言を捏造してアルマがその財産を受け取っていました。大富豪の死に疑念を抱いたのが崖の下で見つかった男性(アラン)でこの男性はロランによって殺されました。ロランが崖のあたりをうろついていたのは、犯人だったからというわけでした。
アランがアルマの写真を持っていたのは、遺産を相続した大富豪の愛人を探していたからです。アランは愛人=アルマであることに気付きましたが、殺されてしまいました。
ロランは甥も殺そうとしていました。甥がブランコから落ちたり、風呂で溺れていたのは、ロランが殺そうとしたからです。この殺人未遂の動機は甥が嫌いな兄にそっくりだからです。ロランは自分よりも優秀な兄を恨んでいました。
ロランとアルマはロランの兄も殺そうとしていました。兄が薬物中毒になっていたのは、二人が仕向けたことです。兄をサラザン医師の療養所に送って殺し、その罪をサラザン医師になすりつけるつもりでした(このドラマでは未遂に終わっていますが、原作では兄は殺されます)。
結局、マルタンは誰だったのかというと、大富豪の使用人でした。アランのダイイング・メッセージは「遺言書き換えの際に、使用人のマルタンを立会人にしなかったのはなぜか?」という意味です。マルタンを立会人にしなかった理由は遺言書き換えの場にいた大富豪が偽物だとバレてしまうからです。遺言が書き換えられたとき、既に大富豪は死んでおり、アランが大富豪のふりをしていました。そういった事情により、日の浅い使用人が立会人に選ばれています。
5話:ハロウィーン・パーティー
小学校でルイザという少女が何者かによって殺されてしまいます。少女は「殺人の目撃」を作文にしており、これが原因で殺されたように思えましたが、少女はホラ吹きで有名な子供でした。なお、問題の作文は紛失しています。
その後、ルイザの兄・パブロも殺されてしまいます。パブロは真犯人を強請っていたようです。
ルイザが目撃した事件にはオルガという行方不明の女性が巻き込まれたと考えられます。オルガはプティ医師の愛人で、どうやら、彫刻家のザビエル・トレマンとも知り合いのようです。
このエピソードではロランス警視が精神的な原因により一時的に失明してしまいます。ただ、目が見えない状態で車を運転し、その恐怖によって視力を取り戻します。
子供を殺したのは?(ネタバレ注意)
真犯人はカトリーヌ・ドラヴィグナン市長でした。市長は彫刻家に一目惚れし、男女の関係になっていました。ところが、彫刻家はオルガとも男女関係にあり、市長は二人がいちゃついているところを目撃してしまいます。このとき、逆上した市長がオルガを突き飛ばして殺害。彫刻家がオルガの死体をオブジェの台座に隠しています。
彫刻家のトレマンから芸術について学んでいたミランダは、オルガの殺害を知っていました。ずっと秘密にしていたミランダですが、ルイザには話していました。ミランダはおしゃべりなルイザに話せば周囲にも伝わると思っていたようです。
市長は学校で「ルイザが殺人をみた」という話を知り、犯行に及んでいます。花瓶を割ったのは、ルイザを殺したときに水がはねて服が濡れたからでした。
作中ではほとんど触れらえていなかったですが、少女の兄・パブロは犯行現場をみていたと思われます(原作ではそういうことになっています)。
プティ医師のデスクからルイザの作文が出てきたのは、彫刻家が隠したからです。不良のブノワはミルを貶めるためだけに、嘘をついていたようです。
6話:ひらいたトランプ
美術収集家のシャイタナが殺人を犯したかもしれない四人の人物を集めて、パーティーをします。そんなパーティーをひらくシャイタナはもちろん変人で、そのシャイタナがパーティーの最中に刺殺されます。
同じくパーティーに招待されていたアリスとロランス警視が捜査を始め、容疑者四人の過去を暴いていきます。
原作『ひらいたトランプ』とほぼ同じといえるシチュエーションです。招待された人物は合計八名で、死体が発見されたときゲストは四人一組に別れ、別室でブリッヂをしていました。シャイタナが死んでいたのは、殺人の嫌疑がある四名がブリッヂをしていた部屋です。当然ながら、その四人がシャイタナ殺害の容疑者になるわけですが……、誰も何もみていないと証言します。
いやいや、すぐ近くで人がぶっ刺されて殺されたのに、何も知らないなんておかしいでしょ? と思ってしまいますが、その背景には嘘があったりします。
ロランス警視、アリス、秘書のマルレーヌは、元情報局局員のジェーブとタイトル当てゲームをします(マルレーヌがブリッヂをプレイできなかったから)。ジェスチャーで映画を表現して、そのタイトルを当てるゲームでした。ちなみに、私が知っていたのは『北北西に進路を取れ』だけでした。もちろん、警視のジェスチャーをみても、さっぱりわかりませんでした…。
四人の秘密(ネタバレ注意)
四人は確かにそれぞれ秘密を抱えていました。
- ポール・クペ(アフリカガイド)
錯乱した男の脚を銃で撃とうとしたが、男の妻に邪魔され誤って心臓を撃ち抜いてしまった - エレーヌ・ヌベール(マダム)
夫を殺害した - エミール・バリヨン(医師)
秘書を手に入れるため、弟を殺害した - エリーズ・シュルンベルジェ(介護士)
盗みを目撃されたため、介護していた意地悪なお婆さんを殺害した
元情報局局員のジェーブは、有能な人物という触れ込みでしたが、実はただの事務員で、解雇されていました。ジェーブはロランスを疑って勝手に捜査を進め、ロランスの部屋で、ロランスの銃で撃ち殺されてしまいます。警視が死体を発見したときの「ほんとうに面倒なやつだ」みたいなセリフに笑ってしまいました。
ロランスに嫌疑がかかるわけですが、アリスと一緒だったという嘘のアリバイをでっち上げて、疑いを晴らします。アリスの語った嘘のアリバイが『ロランス警視と夜を共にしそうになったけど、不能だった…』みたいな内容で、これも笑ってしまいました。
- シャイタナ殺害の犯人
真犯人はバリヨン医師でした。シャイタナに過去の罪を告発されそうになったので、殺しています。ブリッヂのプレイスタイルが勝負師だったので、あのような状況で、一か八かの殺人を実行できるのは、バリヨンだけだったということです。ブリッヂがやけに不調だったときもあり、そのときがまさに犯行前後だったというわけでした。
バリヨン医師は、シャイタナ殺害の罪をなすりつけるためマダム(エレーヌ)も殺しています。盗み癖のあるエリーズも、車にひかれて死んでしまいます。残ったクペだけが、いわば、まともな人でアリスと恋に落ちます♡
7話:ゴルフ場殺人事件
『ゴルフ場殺人事件』というタイトルのはずですが、ゴルフ場はまったく登場しないですね…。ただ、原作『ゴルフ場殺人事件』と似ているので、原作をリスペクトしてタイトルは同じにしたのかもしれません(この意見、よく考えると意味不明ですが)。あるいは、「ゴルフ場じゃなくてもよくね?」という原作への批判が込められていたのかもしれません。
事件は誘拐がメインです。キャバレーの経営者ポール・ドゥボワーズが誘拐され、その後、死体となって発見されます。顔はつぶされていましたが、妻が身元を確認し、ポールと断定されます。ところが、そのあと、キャバレーでポールの刺殺死体が発見されるという…。ポールは麻薬関係で脅されていたらしく、それが誘拐殺人の原因だと考えられます。
誘拐が起きる前、キャバレーでウェイトレスとして働いていたジネット・タサンの他殺体が発見されています。ジネットは記者としてのアリスに、「キャバレーで死体をみた」という内容の手紙を送っていました。
二つの死体(ネタバレ注意)
ポールの死体が二つも発見されます。実は、最初にみつかった死体はポールに似せた浮浪者の死体でした。
ポールは脅迫者から逃れるため、妻のドロレスと共謀し、狂言誘拐を起こして死んだふりをしようとしていました。高飛びするためキャバレーに身を潜めていたポールですが、脅迫者の娘にみつかり、殺されてしまいます。この脅迫者の娘というのは、キャバレーの歌手エロイーズ・モナンで、彼女こそがポール殺害の真犯人です。動機は父を殺したポールへの復讐で、財産も狙っていました。エロイーズはポールとドロレスの息子であるミゲル・ドゥボワーズと恋仲で、妊娠しているようですが、それは相続権を得るためだったと考えられます(妊娠は嘘だったという発言があったりもしました真相は不明です。ミゲルの「彼女は僕を愛していた」は、ちょっと切ないです)。
脅迫者というのはポールの元愛人です。その昔、ポールは脅迫者の夫を殺し、逃亡していました。脅迫者は、たまたまキャバレーでポールと遭遇し、その後、脅し始めます。これがきっかけでポールは狂言誘拐と死んだふりを企てることになります。
- ウェイトレスの殺害
ウェイトレスはキャバレーで浮浪者の死体を目撃していました。それは、ドゥボワーズ夫妻が死体をポールに似せている真っ最中の場面でした。目撃に気付いた夫妻はウェイトレスを追い、殺しています - プティポン
内務調査班のプティポンは……、いったい何をしに来たんだ? ロランスの汚職を疑っていたようですが、結局、ロランスは無実だった様子。プティポンはさておき、奴とのやり取りを通して、マルレーヌの優しさや忍耐力がわかった気がします
8話:ヴァニロス荘の殺人
『ヴァニロス荘の殺人』は別ページにまとめています。
9話:殺人は容易だ
アリスがお金持ちのおじいさん、エミール・ドゥブークに見初められて玉の輿に…と思ったら、おじいさんが経営する織物工場で従業員の不審死が起きていました。
亡くなったのは労働組合を率いるミシェルという男性で、経営者であるエミールにとっては厄介な存在でした。その後、織物工場管理人のジョジアーヌ・ラランも脚立から落ちて死亡します。ミシェルもジョジアーヌも事故死と考えられていましたが、ロランス警視が調べたところ、ジョジアーヌは他殺の可能性が高く、ミシェルにも他殺の疑惑が立ち上がります。
ジョジアーヌは死亡する前、ロランス警視を訪ね、秘書のマルレーヌに「殺人犯を知っている」と話していました……。
ミシェルとジョジアーヌが亡くなった後、工場経営者エミールの秘書だったサビーヌ・トゥルモンドと、工場専務のカストルも殺されます。いずれも、エミールとは敵対する立場にある人物で、エミールに殺人の容疑がかかります。もちろん動機だけではなく、目撃証言やジョジアーヌ殺害の現場に落ちていた万年筆のキャップなどなど、エミールの犯行を裏付ける証拠もいろいろとみつかります。
真犯人(ネタバレ注意)
四人も殺害した犯人は、マルレーヌの従姉のアニク・ドバセーヌでした。アニクはエミールの旧友で、その昔、恋人同士だったこともある人物です。アニクはエミールに父親の工場を奪われたらしく、このことをひどく恨んでいました。そこで、復讐のために四人を殺害し、その罪をエミールになすりつけようとしていました。
部外者であるアニクは工場に入ることができないはずですが、開かずの扉の鍵を持っていたため、自由に出入りできました。
それにしても、マルレーヌの家族・親戚の犯罪率が高めです。前話に登場した姉は麻薬の密売に関わっていましたし、今回登場した従姉のアニクは殺人鬼でした。
結局、アリスの結婚話はなくなりました。アリスが嘘をついて愛想をつかされるのかと思っていたら、割と円満な感じでお別れになりました。アリスは家賃を払えていないようですが、かわいい洋服よりも、家賃の方が欲しかったかもしれませんね。そして、やっぱり探偵キャラといえば、お金持ちか、貧乏人かのどちらかに限ります。
弱った小鳥を猫のエサにしたエピソードは、アニクとエミールの話が食い違っていました。殺人犯のアニクがやったことなんでしょうけども、もし本当なら、そういう方は、市民の安全のためにも、早めに治療を受けてほしいものです。
小鳥だとちょっとかわいそうですが、ドブネズミとかだったら、ちょっと気分は変わってくるのかなと思ったりもします。
10話:マギンティ夫人は死んだ
マギンティ夫人が殺害され、容疑者の男が逃亡。その男は、アリスの元夫ロベール・ヴァスールでした。アリス結婚してたんだ、という感じですが、そんな話がチラリと登場した気もします。
目を覚ましたらマギンティ夫人が死んでいたと主張するロベールは、とりあえずアリスのアパートへ。アリスは昔のよしみで、元夫を匿いますが……。
アリスは、無実を信じてロベールを助けますが、結局どちらも捕まってしまい、アリスは共犯ということになってしまいます。アリスのブチ切れっぷりが、まるで鬼のようでした。
ヤバイ女(ネタバレ注意)
ロベール主犯、アリス共犯ということで捜査は進んでいましたが、そこに、殺人を犯した後、行方不明になった二人の女性が捜査線上に浮かび上がります。マギンティ夫人は、その女性について何かを知り、殺されたようでした。
そのふたりの女性のうちどちらかが犯人で、その犯人は、マギンティ夫人が暮していたアパルトマンで暮らしていると考えられましたが、真犯人は戯曲作家のミカエルでした。ミカエルは養子で、実は行方不明の殺人犯のひとり・エヴァの息子でした。
ミカエルはエヴァの息子であるということを隠すため、強請を始めようとしていたマギンティ夫人を殺害し、さらに、養母であるドゥトルモン夫人も殺しています。なお、ドゥトルモン夫人はロランス警視にエヴァらの写真をみせられた時に、ミカエルの正体に気付いています。
ミカエルは声真似が得意がドゥトルモン夫人にそっくりの声を発することができました。ロベールが現場で耳にした女性の声や、マルレーヌが聞いた夫人の声の主はロベールでした。
ロランスの過去
このエピソードでロランス警視の過去が明らかになりました。警視の父親は十歳のときに亡くなっています。遺書等はなく、その動機は不明のようです。警視が車内で涙を流すシーンが印象深かったです。いつも冷静な警視に、そこまで辛い過去があったとは…。
11話:殺人パーティー
最終話『殺人パーティー』は別ページにまとめています。

