名探偵ポワロ・第38話
名探偵ポワロ『イタリア貴族殺害事件』のあらすじ、真相、トリック解説です。
とある召し使いがミス・レモンの相手となりポワロに雇い主の強請を話します。
あらすじ
ヘイスティングス大尉が新車の購入を決めたその日、ミス・レモンの意中の男性がポワロのマンションに招かれます。その男性はグレイブスという名前で、あるイタリア人伯爵の召し使いを仕事にしているようでした。
ポワロと面会したグレイブスは、何者かによって機密書類が盗まれ、それをネタに雇い主が強請られているらしい、という話をこぼします。
その夜、医師とディナーを楽しんでいたポワロと大尉のもとに電話があり、伯爵が重傷であるという一報を受けます。現場に駆け付けた医師とポワロらですが、伯爵は既に亡くなっていました。
殺されたのはグレイブスの雇い主であるイタリア人伯爵でした。召し使いであるグレイブスの証言から、怪しいイタリア人の存在が明らかになり、そのイタリア人が、どうやら、伯爵を脅していた人物のようでした。のちに、このイタリア人はイタリア大使館を訪れたことがきっかけとなり、逮捕されます。
解決と思われた事件ですが、ポワロは鏡の自分の姿をみて、鏡像というトリックに気付きます。
そして、ポワロは大尉が車を購入したディーラーの社長を訪ねます。実は、ディーラーに勤める女性店員は被害者の姪でした。
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン、ジャップ警部以外の登場人物です。
- フォスカティーニ
被害者 - エドウィン・グレイブス
フォスカティーニの召し使い。ミス・レモンと親しい - ブルーノ・ビッツィーニ
ディーラー社長 - マルゲリータ・ファブリ
ディーラーの店員 - マリオ・アスカニオ
容疑者。イタリア人
キャスト
主要ゲストの役名と役者名をまとめます。マルゲリータ役の俳優さんは、シャーロック・ホームズの冒険「這う人」で教授の若い婚約者も演じておられました。
| 役名 | 役者名 |
|---|---|
| Graves グレイブス |
Leonard Preston |
| Margherita Fabbri マルゲリータ |
Anna Mazzotti |
注目のシーン
アヒル危機一髪。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
謎
イタリア人のアスカニオが逮捕され、事件は解決されたようにみえます。しかし、死体発見現場から消えた書類と金のうち、金だけは行方がわからないままです。さらに、現場のカーテンなど、些細な疑問点も残っています。
被害者は頭を殴られたようです。即死だったにも関わらず、死に際、医師に電話をかけたようです。
被害者は、ディーラーに勤める女性の伯父だったようです。被害者がディーラーの女性定員を訪ね、その姿を大尉が目撃しています。
容疑者として若いイタリア人の男の名前が挙がります。この男はディーラーの社長と何か関係があるようですが、定かではありません。
手掛かり・伏線
殺人の謎を解くヒントです。
殺害現場からは書類が紛失し、金もなくなっていましたが、いくつかの証拠が残っていました。また、召し使いのグレイブスが事件の背景などについて証言しています。余談ですが、グレイブスはミス・レモンのいい人です。
証言
事件前日、グレイブスが、昼時に被害者を訪ねてきたイタリア人男性を目撃しています。その男の名前はアスカニオで、どうやら、イタリア系犯罪組織マスナーダの一員のようです。
アスカニオは事件当日、被害者とディナーを共にする予定だったとグレイブスは話しています。ディナーのとき、グレイブスはその場にいなかったと話しています。
強請り
殺人が起きる前の日、グレイブスは雇い主とアスカニオのやり取りを盗み見ていました。アスカニオは鞄を持っており、グレイブスはそれが強請りのネタになった書類だと話します。
偽伯爵
イタリア大使館に聞き込みへ向かったポワロは、そこで、フォスカティーニ伯爵などという人物は存在しないと明言されます。伯爵の名は名鑑にも記載がないようでした。つまり、被害者は偽物の伯爵だったようです。
証拠
現場に残された証拠のいくつかは犯人がアスカニオであることを示すものでした。テーブルのカップやグラスについた指紋はアスカニオのもので、事件当夜、彼がそこで食事をしていたのは間違いないようにみえます。事実、これを根拠に、ジャップ警部はアスカニオが犯人であると断定しています。
時計と受話器
被害者のそばには九時十分で止まった置時計が置かれていました。この時計が示す時刻に被害者は殺されたようです。これは、医師が電話を受けた時刻と一致します。
被害者の近くには電話もありました。その受話器はしっかりフックに置かれていました。
カーテン
ポワロらが現場に駆けつけたとき、ダイニングのカーテンは開いたままになっていました。夜にも関わらずカーテンを閉めていないのは不自然です。そして、召し使いは、カーテンは閉めた、と証言しています。
ディナー
事件当夜の夕食はスープ、舌平目、ステーキ、ライス・スフレだったようです。テーブルの上には、コーヒーなどの飲み物、そして、フルーツと手付かずお皿が残されていました。
ポワロは伯爵の食欲に興味があるようです。うさんくさいシェフの話では、さげた料理は全て片付いていたようですが、被害者の胃の中は空だったことが検死の結果明らかになります。
何気ない出来事
帰宅したポワロは姿見に自分を映し、被害者の偽伯爵こそが恐喝者であったことに気付きます。グレイブスが証言した偽伯爵とアスカニオのやり取りは、実は逆で、アスカニオが強請られる側の人間でした。
真相(ネタバレ注意)
犯人はグレイブスです。彼は雇い主の金を盗もうとしていました。
犯人は雇い主が強請られているという話を信じ込ませるため、ミス・レモンに近づき、ポワロに恐喝の話を吹き込みました。実際、強請っていたのは被害者の伯爵で、事件の前日、アスカニオが鞄に入れていたのは金でした。この金が犯人のねらいです。
グレイブスのディナーにアスカニオがやって来たという話は嘘で、本当は、誰も訪れて来てはいませんでした。九時十分に壊れた時計や、電話は犯人の偽装工作で、もっと前に、被害者は殺されていました。
アスカニオは使いです。被害者に強請られていたのはディーラーの社長です。社長は反ファシスト組織支援に関する書類を握られていました。この書類は、アスカニオが回収し、逮捕される前に燃やしたようです。
結末
金の隠し場所がグレイブスの所有する船舶であることに気付いたポワロ、大尉、そして、ジャップ警部率いる警察は、船着き場周辺を固めます。そこに現れたグレイブスは逃げ、カーチェイスの末、大尉が犯人を追い込み、ミス・レモンの仇をうちます。
さぞ落胆しているであろうミス・レモンですが、実は、被害者の自宅にいた猫を殺そうとしたことが原因で、既に破局を迎えていたようでした。
感想
ヘイスティングス大尉の車がまた壊れました。「4階の部屋」でも、大尉の愛車がぶっ壊れています。今回は、ほんとうに自分の車になる前に、支払いを止めたようです。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「イタリア貴族殺害事件」のあらすじ、真相をご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼 | ― |
| 事件分類 | 殺人 |
| 謎 | 犯人は誰か |

