名探偵ポワロ・第40話
名探偵ポワロ『死人の鏡(Dead Man’s Mirror)』のあらすじ、トリック解説です。
強引に詐欺事件を捜査させられることになったポワロは依頼人の屋敷へ向かいます。そこで、依頼人が自殺するという事件が発生します。
あらすじ
ポワロはオークション会場で競り合ったシェブニックスから依頼を受け、詐欺事件調査のため屋敷を訪れます。ところが、ディナー開始直前に銃声が響き、シェブニックスは死んでしまいます…。左手に拳銃を握り、自殺のようでした。
現場に駆けつけたジャップ警部は室内が密室だったこと、遺書らしきメモが残されていることなどを理由に、自殺と断定。一方、ポワロは窓は外からでも鍵をかけられることなどを理由に、他殺として事件の捜査を始めます。
被害者には遺産があり、それらは細君と養女、そして、甥に相続されるはずでした。しかし、遺言は書き換えられようとしており、それは、養女と甥が結婚しない場合、遺産はすべてシェブニックス夫人のものになるという内容でした。
捜査の結果、被害者は右利きだったことが明らかになり、警部も他殺であると確信します。ポワロは現場の外にあった養女の足跡や、既に建築家と結婚していた養女が遺産相続のために犯行に及んだとして、養女を逮捕します。
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ジャップ警部以外の登場人物です。
- ジャベイス・シェブニックス
被害者。詐欺事件の依頼人。横暴な人物 - バンダ・シェブニックス
被害者の妻。サフラを信じている - ルース・シェブニックス
シェブニックス夫妻の養女。本当は姪(被害者の弟と、あるタイピストの娘) - ヒューゴー・トレント
被害者の甥 - スーザン・カードウェル
ヒューゴーの婚約者 - リンガード
被害者の研究助手(調査係) - ジョン・レイク
建築家
キャスト
主要ゲストの役名と役者名をまとめます。
| 役名 | 役者名 |
|---|---|
| Ruth Chevenix ルース・シェブニックス |
Emma Fielding |
| Susan Cardwell スーザン・カードウェル |
Tushka Bergen |
| John Lake ジョン・レイク |
Richard Lintern |
| Hugo Trent ヒューゴー・トレント |
Jeremy Northam |
注目のシーン
まさかの大爆発。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
謎
被害者は自殺ではなく他殺です。遺産という動機で、養女のルースがポワロに追い詰められます。彼女が犯人というのは筋が通っているようにみえますが、本当に犯人かどうかはわかりません。
現場の扉は施錠され、鍵は被害者のポケットに入っていました。そして、窓もすべて掛け金がかけてありました。しかし、窓の掛け金は、窓を閉めたときの衝撃で勝手にかかるため、完全な密室ではありませんでした。
銅鑼の音と消えた弾
屋敷には夕食前に銅鑼を鳴らす習慣があります。最初は八時八分、そして二つ目が八時十五分です。ポワロは耳にしてないようですが、大尉やスーザンは、八分よりも前に、銅鑼の音を聞いています。
なお、大尉が銃声を聞いたのは、八時十分頃です。
シェブニックス氏を貫いた弾丸が行方不明です。弾は鏡を割ったようにみえますが、どこからも発見されません。弾はなぜ消えたのか、というのも謎の一つです。
手掛かり・伏線
殺人の謎を解くヒントです。
死体発見時、ルースの靴には泥がついていました。彼女は落としたブローチを拾うため外に出たと話しています。このとき、被害者の部屋の外に足跡を残したようです。ルースには、遺産を手に入れるという動機もあります。そして彼女はポワロに犯人であると告発されています。
証拠
被害者は遺言を書き換えようとしていました。ルースとヒューゴーが結婚しない場合、遺産は全て夫人のものになるというのが、新しい遺言の内容でした。ルースは建築家と結婚しており、金に困っている様子のヒューゴーには婚約者がいます。つまり、どちらも金は受け取れないということになります。
- 銅鑼付近の落とし物
事件が発覚したとき、調査係のルースが銅鑼の近くで何かを拾いました。それはどうやらカフスで、建築家の落とし物だったようです。 - シャンパン
屋敷にはコルクの抜けたシャンパンが残されていました。中身は減っておらず、ただ開封されたようです。 - ガラスの破片
ポワロは割れた鏡のそばにあった置物を調べています。ガラスの破片が付いていたようですが、ジャップ警部は特に気にしていない様子です。
証言
被害者の話していた詐欺事件はロンドンの開発計画のためノースゲート開発に一万ポンド出資したが一向に進まないという内容でした。この件には、建築家のジョン・レイクが絡んでいます。ジョンはノースゲート開発の資金調達を手伝い、その結果、金を持ち逃げされていました。証拠を消すため、ノースゲート開発の事務所を燃やそうとしました。
調査係は死体発見直前に、居間でルースを目撃したという内容を話しています。「居間に入ってきて、一緒にいた」という証言です。
視聴者は窓から入ってきたルースを目撃しています。
真相(ネタバレ注意)
犯人は調査係のリンガードです。彼女はルースの実の母親でした。
リンガードは娘のルースに遺産を相続させるため、遺書が完全に書き換えられる前にシェブニックスを殺しました。ルースが逮捕されてしまったのは、犯人にとって大きな誤算だったといえます。
トリック
被害者は八時十分頃の銃声よりも前に、既に殺されていました。このとき、廊下に通じるドアが開いていたため、消音器付きの拳銃から出た弾丸は、被害者の頭部を貫き、銅鑼に命中しました。これが、予定されていた八時八分よりも前に鳴った銅鑼の音です。
銅鑼の音の後、大尉が銃声と勘違いしたのは、シャンパンのコルクを抜いた音です。銃声の偽装に使われたため、コルクのない手つかずのシャンパンが残っていました。
銅鑼に当たった弾丸はリンガードによって回収されました。銅鑼のすぐそばでカフスを拾ったというのは嘘です。嘘をもっともらしくするため、建築家のカフスを盗み出していました。
なお、リンガードはルースに嫌疑がかからないようにするため「窓から」ということには触れず、曖昧な証言をしていました。
結末
ルースが連行された後、リンガードはシェブニックス夫人に罪を着せるため、サフラを使って夫人を自殺へと導こうとします。混乱する夫人ですが、ポワロ達によって助けられます。リンガードは罪を認め、真相を娘には伝えないようポワロに願い出ます。
感想
サフラを信じてやまない夫人が、最後、犯人に罪を着せられそうになるという展開に感心しました。ただの変な人で終わるかと思っていましたが、そうではありませんでした。あの爆発にも驚かされました。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「死人の鏡」のあらすじ、真相をご紹介しました。このエピソードの脚本はアンソニー・ホロヴィッツ氏が担当しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼 | 詐欺の調査 |
| 事件分類 | 自殺 |
| 謎 | 最初の銅鑼の音 |

