ヘラクレスの難業・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ69】

名探偵ポワロ第69話・S13E4『ヘラクレスの難業』のあらすじ、トリック、ネタバレ解説です。おとり捜査に失敗したポワロが、失恋した青年の恋人を探すため、スイスへと向かいます。そこで、ポワロはあの伯爵夫人と再会します。


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あらすじ

マラスコー逮捕のため、おとり捜査をおこなうポワロだったが、おとりの女性は殺され、マラスコーが狙っていたネックレスと絵画は奪われてしまう。

惨憺たる結果に終わった捜査の後、ポワロは精神科医にかかっていました。帰り道、運転手の失恋話を聞いたポワロは、スイスに連れていかれてしまった運転手の元恋人を連れ戻す決意をします。

スイス、ロシュネージュ――ケーブルカーの待合室でポワロは、変装したレメントイ警視に話し掛けられ、目的地のオリンポスホテルにマラスコーが盗品を隠しているという情報を伝えられます。そして、ホテルには、マラスコー逮捕のため、ドゥルエという警部が身を隠しているようでした。
ホテルには、幾人かの宿泊客がおり、その中には、ロサコフ伯爵夫人と娘のアリス・カニンガムの姿がありました。

男性が女性に暴力を働いているような不穏な気配が漂う中、ポワロがホテルの従業員・グスタフに声を掛けます。グスタフは、どうやらドゥルエ警部のようでした。その後、雪崩によってケーブルカーのトンネルがふさがれ、ホテルは孤立してしまいます。

「眠るのだ」とつぶやくポワロの姿

眠るのだ
©Agatha Christie Ltd, ITV BBC


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登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。

  • ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人
    ポワロと訳ありの女性。26話「二重の手掛かり」と49話「メソポタミア殺人事件」に登場。
  • アリス・カニンガム
    伯爵夫人の娘。
  • テッド・ウィリアムズ
    依頼人。ニータと恋をし、失恋する。ポワロにニータを連れ戻すよう願い出る。
  • カタリーナ・サムシェンカ
    オリンポスホテルの宿泊客。バレリーナ。ニータの主。客室に引きこもっている。
  • ニータ
    テッドの元恋人。サムシェンカの面倒をみるため、スイスに連れていかれる。
  • ハインリッヒ・ルッツ
    精神科医。サムシェンカに付き添っている。
  • ハロルド・ウェアリング
    オリンポスホテルの宿泊客。おとり捜査のとき、外務大臣に何かを依頼された男性。隠し子騒動でスイスへ。
  • サー・アンソニー・モーガン
    外務大臣。おとり捜査のとき、妻と口論になっている。
  • エルシー・クレイトン
    オリンポスホテルの宿泊客。暴力を受けている様子の女性。
  • ライス
    エルシーの母親。
  • シュワルツ
    オリンポスホテルの宿泊客。ボッティチェリというゲームをやりたがる男性。保険調査員。
  • フランチェスコ・クリエール
    支配人。医師らしい。どこか胡散臭い。
  • グスタフ
    従業員。どこか頼りないが、ドゥルエ警部らしい。
  • ルシンダ
    おとり捜査で殺されてしまった女性。
  • マラスコー
    ルシンダを殺害し、“ヘラクレスの難業”という絵画を盗み出した凶悪犯。オリンポスホテルに盗品を隠している。

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。ロサコフ伯爵夫人は前のエピソードにも登場していましたが、演じている方は別の方です。

役名 役者名
Countess Rossakoff
ロサコフ伯爵夫人
Orla Brady
Alice Cunningham
アリス
Eleanor Tomlinson
Harold Waring
ウェアリング
Rupert Evans
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事件のまとめ・謎

マラスコーのアジトがオリンポスホテルらしく、ICPCが捜査網を敷いています。ホテルなどには潜入捜査官が潜んでいます。しかし、誰がマラスコーなのかはわかりません。登場人物の全員が、なんだか怪しいという状況です。
運転手テッドと恋に落ちたニータの姿もみえません。サムシェンカとともに英国を去ったはずですが、ホテルにはいないようです。その他、謎めいた出来事は下記の通りです。

  • ウェアリングが外務大臣に何かを頼まれている(おとり捜査のときの出来事)
  • ボッティチェリ好きの男性の正体
  • マラスコーを見たというグスタフの手が震えている
  • サムシェンカがベッドの上で何かを隠す
  • ブローチが行方不明
  • アリスが何者かに襲われる
  • アリスが手帳に書いた人物の名前とは
  • クレイトンという男性が妻のエルシーに暴力をふるっており、ウェアリングが心配しています。トンネルが埋まった後、エルシーが夫らしき人物を殺してしまったようで、その場にウェアリングも居合わせました。ウェアリングはエルシーに気があるらしく、殺人のもみ消しを提案します。
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伏線・手掛かり

様々な事実が明らかになりますが、マラスコーの正体に直接関係する証拠は、ほとんど登場しません。

  • 証言
    伯爵夫人によれば、支配人は医師などではなく、以前はナイトクラブを経営していたようです。
  • 状況
    支配人が買収されています。金を出せば何でもやってくれそうな雰囲気です。
  • 証拠
    ホテル従業員の死体がみつかります。首を吊っていたようですが、抵抗した跡があるため、ポワロは他殺と考えています。

孤立したホテルで、ポワロが無線を修理し、警察と連絡をとります。この行動により、トンネルの復旧が伝えられます。すると、ある人物が動き出します。

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ネタバレ

マラスコーの正体はアリス・カニンガムで、ルッツ医師が共犯者(故買のパートナー)です。アリスが襲われたというのは狂言で、どうやら被害者になりすましていたようです。襲撃犯はそもそもいなかったので、アリスの愛犬は吠えませんでした。

“ヘラクレスの難業”絵画はホテルに飾られていました。また、サムシェンカのレターケースにルシンダが身につけていたネックレスが入っていました。
絵は支配人が安く購入したもので、これはアリス(マラスコー)が計画的に購入させていたようです。ネックレスはアリスが、口実をつくってサムシェンカに預けていました。サムシェンカの行動を見張る役割を担っていたのがルッツで、彼は詐欺師です。二人の共犯関係を示す証拠がパスポートで、二人は過去六か月の間、同じ時期に同じ国を訪れていました。

アリスが手帳に書いてたのはルッツの名前で、彼女はルッツを切り捨てようとしていたようです。アリスの愛犬がルッツを威嚇していたのは、用済みであることを意味していました。

アリスはポワロの前で親指をかんでみせ、ポワロを精神的に痛めつけていました。その癖は、ポワロが死なせてしまったルシンダの癖でした。

ドゥルエ警部のふりをしていたグスタフは、マラスコーの手先でした。グスタフはポワロに警部と間違われたため、そのまま、警部であるかのように振舞っていました。なお、グスタフがマラスコーをみたというのは本当です。
グスタフが変装していたのは、死んだ従業員で、このことに気付くはずの支配人は金で買収されていました。

グスタフはポワロを襲いますが、助けに入ったシュワルツ(本物のドゥルエ警部)に撃たれ負傷します。そして逃亡を図りますが、最期は「マラスコー」を名乗って、山から転落します。

宿泊客の正体

ほとんどの宿泊客が犯罪者で、ホテルは極悪人の見本市状態になっていました。唯一ポワロの味方だったのは、ボッティチェリ好きのシュワルツで、彼こそが本物のドゥルエ警部でした。なお、従業員の死体をみつけたのは、シュワルツです。

  • ウェアリング
    ウェアリングは隠し子騒動でスイスに来ていたようですが、隠し子のスキャンダルを起こしたのはウェアリングではなく、外務大臣のモーガンでした。いわゆる、とかげの尻尾切りです。おとり捜査のとき、モーガンと妻が揉めていたのは、スキャンダルが原因のようです。ウェアリングはエルシーとライスがホテルから去ったように証言していましたが、これは嘘で、二人はウェアリングの部屋にいました。
  • エルシーとライス
    エルシーとライスは親子ではなく姉妹です。そして、エルシーの夫はホテルにはいません。怒鳴り声を上げていたのは姉のライスであり、殺されたようにみえたのも、ライスでした。姉妹のねらいはウェアリングにあり、ウェアリングから金を奪おうとしていたようです。つまり、二人は詐欺師ということになります。ポワロは、ガウン姿の夫を目撃し、ガウンが左前になっていることから、その人物が女性であることを見抜いていました。(エルシーとライスはコペンハーゲンでフィリップ・クレイトンという男性から金を奪ったようです。フィリップの生死については語られていませんが、ウェアリングを使って死んだことにしようとしていたのかもしれません)
  • サムシェンカ
    ニータというメイドは存在せず、サムシェンカがニータに変装していました。枕の下にはニータに変装したときのウィッグを隠していました。テッドを捨ててスイスへ向かった理由は、身分の違う恋だったからです。なお、サムシェンカは、特に病気ではなく、ルッツによって薬漬けにされているだけでした。
  • 伯爵夫人
    ロサコフ伯爵夫人はブローチを盗んでいました。悪い癖がでてしまったようです。

結末

伯爵夫人がポワロにアリスを見逃すよう頼みこみますが、ポワロが申し出を受け入れることはありませんでした。
その後、テッドとサムシェンカが再会し、二人は熱いキスを交わします。ポワロは、伯爵夫人からの贈り物であるカフスを身につけているようでした。

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感想

犯罪者のバーゲンセールでした。「二重の手掛かり」のときとは違い、伯爵夫人はかなり悪女になっていた気がします。なお、ドラマ「ヘラクレスの難業」は短編集「ヘラクレスの冒険(原題はThe Labours of Hercules」に収録された短編を組み合わせ、改変し、作られています。

ICPCは、現在のインターポール(国際刑事警察機構)だそうです。インターポールといえば、架空の人物ですが、銭形警部が所属しているところです。

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ロケ地

オリンポスホテルの外観はイギリスのハルトン・ハウスで、雪山の景色などは合成となっています。ポワロと運転手が会話した噴水のある公園はサイオン・ハウスという場所です。

作中 ロケ地
オリンポスホテル ハルトン・ハウス
噴水のある公園 サイオン・ハウス
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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「ヘラクレスの難業」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼 恋人を取り戻す
事件分類
凶悪犯の正体
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