ホロー荘の殺人・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ53】

名探偵ポワロ・第53話・S9E4『ホロー荘の殺人(The Hollow)』のあらすじ、トリックなどの解説です。
ポワロが購入したコテージの近所で殺人事件が発生。死体のそばには凶器と思しき拳銃を握った被害者の妻の姿がありました。

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あらすじ

医師ジョン・クリストウは、妻ガーダの親戚で、彫刻家のヘンリエッタ・サバナークと不倫をしていました。ヘンリエッタは、ジョンと不倫関係を築きながらも、ジョンとガーダの家庭を壊すつもりはなく、ガーダは不倫に気付いていない様子でした。

とある週末、アンカテル夫妻のホロー荘に集まった親族一同。そこには、ジョンとガーダ、そして、ヘンリエッタの姿がありました。全員が銃の試し撃ちに興じ、その日の晩さんには、名探偵ポワロが招待されていました。
ポワロは近所に別荘を購入し、週末を田舎で過ごすため、かの地を訪れていました。

夕食後、早々にポワロがホロー荘を辞去し、そして、女優のヴェロニカ・クレイが現れます。その女優は切らしたマッチを譲り受けるため、ホロー荘にやってきたようですが、訪問の本当の目的は、元婚約者のジョンにありました。ヴェロニカを見送るため、彼女についていったジョンは、その夜、ヴェロニカと一晩を共にしました。

翌日、ランチに誘われたポワロは、再び、ホロー荘を訪れます。執事に連れられ東屋へ行くと、プール脇に4人の人物が立ち尽くしていました。彼らの視線の先には、横たわるジョンの姿があり、その光景はひどく芝居がかっていました。殺人ゲームですね、と明るく振舞うポワロでしたが、ジョンの血が本物であることに気付き、顔をしかめます。
まだ息のあったジョンは「ヘンリエッタ」と口にし絶命。声を掛けられたヘンリエッタは、ガーダが握っていた銃を強引に奪い、プールに投げ捨てます。そして、警察が到着するまでの間、ガーダを介抱していたヘンリエッタは、ガーダが犯行を否定していることを知り、それを、ホロー荘に集まっていた親族に伝えるのでした。

警察は、被害者のそばで銃を握って佇んでいた人物、すなわち、ガーダが犯人だと断定しますが、ガーダ本人は犯行を否認します。ガーダの主張は、どういうわけかわからないが、とにかく銃を拾ってしまったという内容で、捜査の結果、たしかに、被害者を撃った拳銃は、ガーダが握っていた銃とは別物であることが判明します。

その後の捜査で、ホロー荘の主人・ルーシーが、卵の籠に拳銃を入れて持ち運んでいたことが発覚しますが、犯行に使われた拳銃ではないことが明らかになります。ポワロは、東屋にあった落書きから、ヘンリエッタの犯行を疑い、さらに彼女のアトリエで、拳銃を発見します。

ポワロが死体を発見したときの光景

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
まるでお芝居のようだ

登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。

  • ジョン・クリストウ
    被害者。医師。ヘンリエッタとは不倫関係にあり、ヴェロニカとは一夜を共にする
  • ガーダ・クリストウ
    ジョンの妻でジョンを崇拝している。殺人の容疑者となるが無実を主張する。アンカテル家の親戚
  • ルーシー・アンカテル
    ホロー荘の主人
  • ヘンリー・アンカテル
    ルーシーの夫。拳銃のコレクションを持つ
  • ミッジ・ハードカスル
    アンカテル家の親戚。店員として働いている
  • エドワード・アンカテル
    アンカテル家の親戚。ヘンリエッタに想いを寄せている
  • ヘンリエッタ・サバナーク
    アンカテル家の親戚。彫刻家。ジョンと不倫し、ジョンを愛している
  • ガジョン
    ホロー荘の執事
  • ヴェロニカ・クレイ
    女優

主要ゲストの役名と役者名は下記の通りです。

役名 役者名
Henrietta Savernake
ヘンリエッタ
Megan Dodds
John Christow
ジョン
Jonathan Cake
Gerda Christow
ガーダ
Claire Price
Veronica Cray
ヴェロニカ
Lysette Anthony
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事件のまとめ・謎

被害者のそばで拳銃をもって立っていた人物が犯人としか思えませんが、その人物は犯行を否定します。実際、容疑者が握っていた拳銃は、犯行に使われた拳銃ではありませんでした。そうなるとむしろ、なぜ、被害者のそばに関係のない銃が転がっていたのか、もしくは、容疑者がなぞの拳銃を握っていた理由はなにか、などといった疑問が生じます。

ポワロが東屋に到着したとき、被害者のそばには、ガーダ、ヘンリエッタ、ルーシー、エドワードの姿がありました。最も疑わしいガーダは、プール脇で被害者をみつけ、咄嗟に銃を拾ったと話します。他の3人は、ガーダが銃を拾った後に、同時に集まったようです。

被害者は、息を引き取る直前に「ヘンリエッタ」と呟いています。ヘンリエッタが犯人、ともとれる言葉ですが、真意は不明です。

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伏線・手掛かり

この事件の謎を解くヒント(伏線)をまとめます。ポワロは、東屋での光景に違和感を抱いています。その違和感の正体は不明ですが、革製品と関連があるようです。

証拠

ガーダが握っていた拳銃はヘンリエッタによってプールに投げ捨てられ水に濡れたため、指紋が消えてしまいました。何某かが銃を撃ってプールサイドに捨てたのであれば、指紋は残っていたのかもしれません。とはいえ、線状痕の検査によって、被害者を撃った銃が、ガーダの持っていた銃ではないことが判明します。結局のところ、ガーダの持っていた銃は、犯行に使われていない銃だったので、指紋を調べる必要はなかったようです。
この事件には拳銃が三つ登場しており、それぞれについてまとめると次のようになります。なお、周辺で銃による狩りが行われていたため、犯行時の銃声を判別することはできませんでした。

  • 1つ目の拳銃
    ガーダが持っていた拳銃でリボルバーでした。これは、凶器ではありませんでした
  • 2つ目の拳銃
    2つ目は、ルーシーが、籠に入れて携帯していた銃で、オートマチックでした。ルーシーは、ニワトリの卵を取りに行って帰ってくる途中に、ジョンが倒れている場面に遭遇しました。つまり、ジョンの死体が見つかった時、ルーシーも拳銃を持っていたということになります。この拳銃をいつもの場所に戻したのは執事で、執事は、銃を拭いてから仕舞っています
  • 3つ目の拳銃
    ヘンリエッタの彫刻の中からみつかった拳銃で、それはリボルバーでした。1つ目、そして2つ目も凶器ではなかったので、ヘンリエッタが隠していた銃こそが凶器のようです

その他の証拠は以下の通りです。

  • 落書き
    東屋には、ヘンリエッタの落書きが残されていました。それが書かれた時期は、執事がシェリーの運んだ後、なおかつ、警察が到着する前でした。それはちょうど、犯行があった頃のようです。ポワロはこの落書きという証拠から、ヘンリエッタが東屋に潜んでいたと推理し、彼女による犯行を疑います
  • 忘れ物
    東屋には、マッチのケースや毛皮が残されていました。マッチも毛皮も女優ヴェロニカのもののようです

証言

ガーダは「私じゃない」と、はっきり犯行を否定しています。そして、愛する人を殺すことなんて到底できない、と加えています。

ヘンリエッタはポワロに、動物が嫌いだと話しています。しかし、アトリエには馬の彫刻がおいてありました。アトリエに馬の彫刻があると話したのは警部で、この二つの話をヒントに、ポワロは拳銃の在り処に気付きます。

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ネタバレ

犯人はガーダです。夫の不貞を目撃したガーダはジョンを殺害し、無実を主張しました。ヘンリエッタやルーシーなどの親族は、ガーダをかばおうとしていました。

ガーダは拳銃を二丁盗み出していました。一方の拳銃でジョンを撃ち、凶器となったその拳銃は茂みの中に捨てました。そして、もう一方の拳銃を握って、夫のそばに立っていました。

ガーダの犯行後、東屋に集まった三人はガーダの犯行を確信していました。しかし、ガーダが拳銃を拾っただけだと話し、犯行を否定したため、ガーダの意志に気付きました。そして、彼ら、特にヘンリエッタは、ガーダの犯罪に手を貸します。ヘンリエッタは東屋のテーブルに落書きし、さらにガーダが捨てた拳銃を拾い上げ、アトリエに隠しました。女主人ルーシーや執事の拳銃の話も、ルーシーに疑いの目を向けるための偽装だったようです。

  • 被害者の最期の言葉
    被害者は「ヘンリエッタ」と呟き亡くなりました。ヘンリエッタはこの言葉を「ガーダを守ってくれ」という意味であると解釈し、ガーダの共犯となりました。ガーダが握っていた銃を捨てたのも、罪を被るような行動をとったのも、その理由は、ジョンを愛していたということにつながるようです
  • 動機
    ガーダは夫を信じていました。そして、尊敬しているようでした。そんなガーダでしたが、女優がホロー荘に現れた日の夜中、東屋で、ジョンと女優ヴェロニカの情交をみてしまいます。夫のふしだらな姿を目の当たりにしたガーダは、夫に殺意を抱き、犯行に及びました
  • 違和感の正体
    ポワロが抱いていた違和感の正体は銃のホルスターでした。ガーダは、犯行に使った銃のホルスターをコートのポケットに入れたままにしていました。凶器のホルスターを所持しているというのは、ガーダにとって非常に不利な状況といえます。ポワロはホルスターを目にしながらも、はっきりとは記憶していなかったようです

結末

ホルスターを探してガーダのもとへと急ぐヘンリエッタでしたが、ガーダのそばには、ポワロの姿がありました。真相を見抜かれたガーダ、そしてヘンリエッタは犯行を認めます。問題のホルスターを取りに行ったガーダは、一人きりになり、青酸カリを使って自殺します。

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感想

女優は、被害者と女優のどちらが言い寄ったのか、というどうでもいいこと関して、ポワロに嘘をついています。これが、結果的に女優も疑わしくしていたように思います。女優がガーダを擁護したわけではなく、ただ単に女優が見栄をはっただけのようです。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「ホロー荘の殺人」のあらすじ、真相をご紹介しました。原作とドラマの大筋のストーリーやトリックは同じです。ただ、ドラマではカットされている部分があり、原作と異なる部分も多少あります。

項目 内容
依頼
事件分類 殺人
犯行に使われなかった拳銃
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